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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900156(T2014−900156/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5650576号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5650576号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、平成25年8月7日に登録出願、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険に関する助言,保険情報の提供」を指定役務として、同26年1月9日に登録査定、同年2月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりである。なお、これらの登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。

(1)登録第3021549号商標は、別掲(B)のとおりの構成からなり、平成4年9月9日に登録出願、第36類「生命保険の引受け」を指定役務として、平成7年1月31日に特例商標及び重複商標として設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第5364117号商標は、「ACE」の文字を標準文字で表してなり、平成22年1月22日に登録出願、第36類に属する別掲(C)に記載のとおりの役務を指定役務として、平成22年10月29日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから同法第43条の2第1項により取り消されるべきであると要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、その構成中の「ウィズ/WITH」が「〜と共に」、「〜と一緒に」を意味する平易な英単語で識別力に乏しく、自他役務の識別力を有しない部分であるから、「エース/ACE」の文字部分より「エース」の称呼、観念が生ずる。

一方、引用商標は、その構成文字から、共に「エース」の称呼、観念が生ずる。

してみると、本件商標と引用商標とは、「エース」の称呼、観念を共通にする類似の商標であり、指定役務も互いに抵触する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、申立人の業務に係る役務「損害保険・生命保険の引受け」等保険業務を表示するものとして、広く一般に知られているものであるから、これと類似する本件商標をその指定役務について使用するときは、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、別掲(A)のとおり、「エース・ウィズ」の文字と「ACE WITH」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、「エース」の文字と「ウィズ」の文字との間に中黒が、また、「ACE」の文字と「WITH」の文字との間に半文字程度の間隔が、それぞれ存在するとしても、上段の片仮名及び下段の欧文字は、いずれも同一の書体をもって、外観上軽重の差なく表されており、構成全体としても、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。また、本件商標より生ずると認められる「エースウィズ」の称呼も簡潔なものといえる。さらに、「WITH(ウィズ)」の語が、「〜と共に、〜と一緒に」などを意味する英単語として我が国においてよく知られているものであるとしても、該語が、保険業務を取り扱う分野において、役務の質等を表示するものとして取引上普通に使用されている事実も見当たらない。

してみると、本件商標は、上記のとおり、外観及び称呼上の一体性からみて、これを「エース」又は「ACE」の文字部分と「ウィズ」又は「WITH」の文字部分とに分離し、「エース」又は「ACE」の文字部分のみを抽出して把握、認識すべきものではなく、上段又は下段それぞれの構成全体をもって、一体不可分の造語を表したと理解されるとみるのが相当である。

その他、本件商標から「エース」又は「ACE」の文字部分のみを抽出して把握、認識すべき特段の事情は見いだせない。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「エースウィズ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「エース」の称呼は生じないものといわなければならない。また、本件商標は、特定の観念を生じないものということができる。

してみると、本件商標から「エース」又は「ACE」の文字部分を分離、抽出し、これを前提として、本件商標と引用商標とが「エース」の称呼及び観念を共通にする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。

他に、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 引用商標の著名性等

本件商標の登録出願日(平成25年8月7日)前に発行又は掲載されたと認められる申立人提出の証拠(各項の括弧内に掲記)によれば、エース損害保険株式会社は、申立人の100%子会社であり、我が国において、「損害保険・生命保険の引受け」等保険関連の業務を展開する会社であって、その業務に関連して、「エース損害保険」との表記で全国紙等に掲載されたこと(甲6,甲7)、エース損害保険株式会社は、2011年(平成23年)3月24日付け山梨日日新聞、2012年(平成24年)10月24日付け京都新聞、平成25年7月5日発行「トラピックス倶楽部 2013年8月号」、住まいの総合情報誌「福井・石川/住まいル」(2012年(平成24年)1月9日、レミット・グループ協同組合発行)、平成25年6月5日発行「CHINTAI」に、「エース保険」、「エースの国内旅行傷害保険」、「エースの海外旅行保険」、「エース保険がご提案する」などと表示して広告をしたこと(甲9の1〜5)、申立人及びエース損害保険株式会社(両者を併せて、以下「申立人ら」という。)は、「エース」の文字を含む「建設エース」(登録第4729955号)、「マイホームエース」(登録第5009497号)、「スクールエース」(登録第5083469号)、「環境エース」(登録第5199281号)の登録商標を有していること(甲10の1〜4)、これらの登録商標を表示したパンフレット、インターネット上の画像、ニュースリリースが存在すること(甲11の1〜4)などを認めることができる。

しかしながら、申立人の提出した証拠は、例えば、「Business Report 2013/エース保険の現状」(甲6)に、「エース保険は、エース・リミテッドの100%子会社であり」(1頁)、「エース保険は、お客様、代理店、社員から選ばれる保険会社になることを目指しています。」(6頁)などとあるように、「エース保険」の表記は、エース損害保険株式会社の略称を表すものとして使用されているものであり、また、全国紙のほとんどの記事(甲7)にある「エース損害保険」の表記は、エース損害保険株式会社の略称を表すものとして使用されているものであって、引用商標が申立人らの業務に係る「損害保険・生命保険の引受け」等保険を表示するものとして使用されているものではない。さらに、エース損害保険株式会社がその業務に係る保険について、本件商標の登録出願日(平成25年8月7日)前に、広告をしたという事実を示す証拠(甲9の1〜5)もさほど多いものとはいえない。

してみると、申立人の提出した上記証拠をもってしては、引用商標が、申立人らの業務に係る「損害保険・生命保険の引受け」等保険関連の役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。そして、引用商標が、申立人らの業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録査定時(平成26年1月9日)までに、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至ったと認めるに足りる特段の事情も見いだせない。

イ 出所の混同

引用商標は、上記ア認定のとおり、申立人らの業務に係る「損害保険・生命保険の引受け」等保険関連の役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

また、上記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標と非類似の商標である。

してみると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、これに接する需要者がこれより直ちに引用商標を想起又は連想するものとみることができないから、該役務が申立人又はこれと組織的、資本的等において業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する商標と認めることはできない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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