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Trademark Appeal Case

複合商標の称呼類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900344(T2014−900344/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5709172号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5709172号商標(以下「本件商標」という。)は、「ほっこり」及び「しょうが日和」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成26年5月23日に登録出願、第5類「サプリメント,薬剤,医療用試験紙,乳幼児用粉乳,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」を指定商品として、平成26年9月8日に登録査定、同年10月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標(以下、これらを総称して「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5385065号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ほっこり」の文字を標準文字で表してなり、平成22年8月5日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同23年1月21日に設定登録されたものである。

(2)登録第5665318号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ほっこり」の文字を標準文字で表してなり、平成25年12月5日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同26年4月18日に設定登録されたものである。

(3)登録第4603701号の1商標(以下「引用商標3」という。)は、「ほっこり」の文字を標準文字で表してなり、平成13年8月9日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年9月13日に設定登録、その後、同19年4月27日に商標権の分割移転の登録があり、その結果、指定商品が第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす但し、みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料を除く」となったものである。

(4)登録第5325886号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ほっこり生姜」の文字を標準文字で表してなり、平成21年10月15日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同22年5月28日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

申立人は、本件商標が、その指定商品中、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、これら指定商品についての登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。

(1)本件商標は、「ほっこり」の文字と「しょうが日和」の文字が、上下二段に分断して配された構成よりなるから、外観上、上段と下段の文字がそれぞれ分離・独立して看取される。そして、「ほっこり」と「しょうが日和」の構成全体としても、音構成は冗長であり、かつ、既成語ではなく意味の一体性も見いだし難いから、常に不可分一体に観察すべき特段の理由は存在しない。

したがって、本件商標は、上段に独立して表された「ほっこり」の部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るから、その部分より「ホッコリ(ほっこり)」の称呼及び観念が生じる。

また、本件商標は、全体の音構成は冗長であり、外観の構成も、「ほっこり」及び「しょうが」の部分が平仮名で表されているのに対し、「日和」の部分が漢字で表されており、構成文字を異にするから、「ほっこり」及び「しょうが」の部分と「日和」の部分に分断して認識されるから、「ほっこり」及び「しょうが」の部分に着目して取引される場合も少なくないといえる。

したがって、本件商標は、「ほっこり」及び「しょうが」の部分より、「ホッコリショウガ」の称呼をも生じるといえる。

(2)他方、引用商標1ないし3は、いずれも「ほっこり」の文字よりなるから、「ホッコリ(ほっこり)」の称呼及び観念が生じる。

したがって、本件商標は、引用商標1ないし3と、「ホッコリ(ほっこり)」の称呼及び観念を共通にする類似の商標である。

また、引用商標4は、「ほっこり生姜」の文字よりなるから、「ホッコリショウガ」の称呼が生じる。

してみれば、本件商標は、引用商標4と、「ホッコリショウガ」の称呼を共通にする。しかも、本件商標の大部分を占める平仮名は、引用商標4の「ほっこり」及び「しょうが(生姜)」の構成要素と称呼を共通にする。

したがって、本件商標は、引用商標4とも類似する。

(3)なお、申立人の子会社である宝酒造株式会社は、その業務に係る商品「生姜焼酎」の商品のラベル等に、引用商標1及び「ほっこり」と「しょうが」を組み合わせた態様の標章を使用しており(甲6、甲7)、本件商標もその構成中に「ほっこり」と「しょうが」の文字を含んでなるから、宝酒造株式会社の同商品が想起されて取引されるおそれもある。

(4)以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、これら指定商品についての登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標について

本件商標は、上記1のとおり、「ほっこり」の文字を上段に、「しょうが日和」の文字を下段に、二段に分けて表してなるものであるところ、その構成文字全体としては、一連の意味合いを看取させるものではなく、その外観や「ホッコリショウガビヨリ」の一連の称呼は冗長の感が否定し得ないものであるが、その上段と下段の各文字部分は、同じ書体、同じ間隔をもって、それぞれ、まとまりよく一体に表されているものである。

そして、本件商標の構成中の上段の「ほっこり」の文字部分は、「あたたかなさま。ほかほか。」(「広辞苑第6版」岩波書店)の意味を有する語として親しまれたものであり、申立てに係る指定商品でもある飲料との関係では、その語のみでは、自他商品の識別標識として機能し得ないとまではいえないとしても、少なくとも、商品の品質や効能を暗示させ得る点において、自他商品の識別標識として強力に機能するものとはいえないものである。

他方、本件商標の構成中の下段の「しょうが」の文字部分は、「ショウガ科の多年草。地下茎は横走して数個の塊をなし、黄色で辛味を有し、食用・香辛料とし、または、健胃剤・鎮嘔剤とする。」(「広辞苑第6版」岩波書店)を意味する「生姜」を表すものであり、また、「日和」の文字部分は、「空模様、天候、特によい天候、ある事をするのにふさわしい天候」(「広辞苑第6版」岩波書店)を意味する語として知られているものであるところ、下段の文字全体としては、特定の観念を生じることがない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。

また、下段の文字部分全体に相応して生じる「ショウガビヨリ」の称呼も、淀みなく一連に称呼し得るものである。

そうすると、本件商標は、その構成文字全体のほか、一種の造語として認識される下段の文字部分全体をもって商品の出所を識別することはあっても、商品の品質や効能を暗示させ得る点において、自他商品の識別標識として強力に機能するとはいえない上段の「ほっこり」の文字部分をもって、商品の出所を識別するとは考え難いとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ホッコリショウガビヨリ」の称呼が生じるほか、下段の文字部分に相応して「ショウガビヨリ」の称呼が生じ、いずれの場合も、特定の観念は生じないものといえる。

(2)引用商標について

引用商標は、上記2のとおり、そのうちの引用商標1ないし3が「ほっこり」の文字からなり、その構成文字に相応して「ホッコリ」の称呼が生じ、「あたたかなさま。ほかほか。」の観念が生じるものであり、また、引用商標4が「ほっこり生姜」の文字からなり、その構成文字に相応して「ホッコリショウガ」の称呼が生じ、「ほかほかする生姜」程度の観念を生じるものといえる。

(3)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものである。

また、本件商標から生ずる「ホッコリショウガビヨリ」及び「ショウガビヨリ」の称呼と引用商標から生ずる「ホッコリ」又は「ホッコリショウガ」の称呼とは、その構成音数を始め、明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が著しく相違し、容易に区別することができるものである。

さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、引用商標とは、その観念において相紛れるおそれのないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。

したがって、本件商標は、本件申立てに係る指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件申立てに係る指定商品第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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