sokuhyo

Trademark Appeal Case

「逆引き」の記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第15930号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本件商標

本願商標は、「逆引き」の文字を書してなり、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)、書画、彫刻、写真、これらの付属品」を指定商品として、平成4年1月28日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については手続補正書(平成5年4月28日付け)をもって「通常とは逆の方式で項目が引ける事典、使用説明書およびその他の印刷物(文房具類を除く)」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、『辞典や使用説明書などで、通常とは逆の方式で項目が引けるようにしてあること』を認識させる文字よりなるものであるから、これをその指定商品中、前記商品に使用するときは、単に、商品の品質を表示するにすぎない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は「逆引き」の文字を書してなるところ、広辞苑(岩波書店発行第4版)によれば、「逆引き」の項には「辞典や使用説明書などで、通常とは逆の方式で項目が引けるようにしてあること」と記載されている。

そして、大修館書店が普通の辞典とは逆に語尾からの五十音順に並べた「日本語逆引き辞典」を発売した旨の記事が朝日新聞(1991年1月13日付け)にみられ、また、三省堂が「大辞林第2版」の見出し語を漢字別に再構成した「漢字引き・逆引き大辞林」を発売した旨の記事が毎日新聞(1997年7月6日付け)にみられる。

しかして、広辞苑第4版に収録された項目の見出し仮名と表記形とを、見出し仮名の綴りを逆に呼んだ場合の五十音順に排列した「逆引き広辞苑」が発売されており、更に、開文社出版が英語の綴り文字を逆配列にした「英語逆引辞典」を市販しているところである。

そうとすれば、「逆引き」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標をその指定商品中「国語、英語辞書」について使用するときには、これに接する取引者、需要者は、上記事実よりして、その商品が逆引きできることを表示したものと容易に理解するに止まると判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、単に、商品の品質、機能、用途等を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し登録することはできない。

なお、請求人は、出願人と同社の親会社である世界的に著名なマグロウヒル・インコーポレイテッド社の販売力と信用とによって、本願商標はその出願時に既に商標法第3条第2項に該当する旨等主張し、甲第1号の1証乃至同号証の30及び甲第31号証乃至同第33号証を提出している(但し、甲第2号証乃至同第30号証は提出されていない。)。そこで、提出された甲各号証をみると、甲第1号証の1乃至30はコンピューターソフトの解説書であって、そのコンピューターソフトの作業、操作を容易に取り扱うのための用法を解説したものと理解されるにすぎないものであり、甲第31号証及び同第32号証はマグローヒルの科学技術用語大辞典に関するものであって、出願人と親会社のマグロウヒル・インコーポレイテッド社の関係を理解させるにすぎず、甲第33号証は逆引き辞典に関する記事であるが、その記事中に請求人の主張する意味合いを窺わせる記載をみることができないから、これらの甲各号証によっては、「逆引き」の文字が請求人の独創的な言葉として理解されていたとはいい難いばかりでなく、本願商標は商標法第3条第2項に該当するには至っていないものと判断するのが相当であって、請求人の主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。