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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−11133(T2014−11133/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「こころ安らぐキンモクセイの香り」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,つや出し剤,せっけん類,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,医療用試験紙,防虫紙,サプリメント」を指定商品として、平成25年5月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『こころ安らぐキンモクセイの香り』の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の『こころ』の文字が、『気持。心持』等の意味を、『やすらぐ』の文字が『安らかな気持になる。おだやかな気持になる』を意味する語として普通に使用されているから、本願商標は全体として『心を安らかにするキンモクセイの香り』の意味合いを容易に理解・認識させる。そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、近年、香りにこだわった商品が注目され、また、香りと気分が密接な関係を有することから、気分に合わせて様々な香りを選べるような商品も製造・販売されている実情のもとに、『こころ安らぐ』等の文字が、『香り』を説明する語として使用されている事実がある。そうすると、本願商標をその指定商品中の『心を安らかにするキンモクセイの香りを有する洗濯柔軟剤』等に使用するときは、これに接する需要者・取引者は、該商品が前記した『心を安らかにするキンモクセイの香りを有する商品』であることを理解・認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであって、単に商品の品質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、これを、その指定商品中『キンモクセイの香りを有する商品』以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり、「こころ安らぐキンモクセイの香り」の文字を標準文字で表したものであるところ、その構成中の「こころ安らぐ」の文字部分は、「心安らぐ」の文字を容易に想起し、「心が安らかになる」程の意味を理解させるものであり、また、その構成中の「キンモクセイの香り」の文字部分は、「『モクセイ科の常緑小高木。秋、橙黄色で芳香の強い小花多数を開く。』(広辞苑第六版)植物である『金木犀』の香り」の意味を容易に理解させるものであるから、その構成全体から「心が安らかになる金木犀の香り」の意味を認識させるものである。

そして、香りは様々な商品に利用されているところ、「心(が)安らぐ(やすらぐ)」の文字は、安らかな、穏やかな気持ちになる等のストレス軽減効果が期待されている香りについて、その効果等を表現する際に、普通に使用されているものである(別掲1)。

また、本願の指定商品を取り扱う業界においても、香りを付けた商品が各種取引されている中、別掲2のとおり、「浴剤、消臭剤、洗浄剤、香水、せっけん、化粧品」等において、「キンモクセイ(金木犀)の香り」の文字が、商品の香りの一つを表すものとして、広く使用されている実情が認められる。

そうすると、香りの効果を表す一般的な表現といえる「こころ安らぐ」の文字と、本願の指定商品との関係において商品の香りを表したものとして認識される「キンモクセイの香り」の文字を結合した本願商標は、「心が安らかになるキンモクセイの香り」の意味を容易に認識させるものであるといえるから、これを、その指定商品中の、キンモクセイの香りを有する、第3類「洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」、第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),入浴剤」等の香りに係る商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が「心が安らかになるキンモクセイの香りを有する商品」であることを表したものとして理解するものであり、当該商品の品質(香り)を表示したものと認識するに止まるものである。そして、本願商標は、標準文字で表したものであるから、その構成文字の態様に特徴があるということもできない。

したがって、本願商標は、その指定商品中、上述のキンモクセイの香りに係る商品に使用するときは、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、キンモクセイの香り以外の香りに係る商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「本願商標を構成する文字『こころ安らぐキンモクセイの香り』が商品の品質を直接的に表示するものとして使用されている事例は皆無であり、指定商品との関係において、商品の品質を間接的あるいは暗示的に表示することがあるにすぎないから、本願商標は商標法第3条第1項第3号には該当しない。」旨述べている。

しかしながら、上記(1)のとおりの、香りの効果を現す表現として「心が安らぐ」「心安らぐ」の文字が普通に使用されていること、本願の指定商品を取り扱う業界における「キンモクセイ(金木犀)の香り」が付けられた商品及びその他の香りが付けられた商品の取引の実情を踏まえると、本願商標は、その構成文字全体が使用されていないとしても、その指定商品の主な需要者である一般の消費者においては、その構成文字全体が、商品の香りを記述したものであって、商品の出所識別標識として認識されるものではないと判断するのが相当である。

よって、請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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