Trademark Appeal Case
普通語と商品名称の結合識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−19753(T2014−19753/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「絆ジュエリー」の文字を標準文字により表してなり、第14類「身飾品,キーホルダー,記念カップ,記念たて,貴金属製靴飾り,時計,スポーツウォッチ,記念メダル」を指定商品として、平成25年10月18日に登録出願されたものである。
第2 引用商標
原審において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4969487号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成17年11月11日に登録出願され、別掲(2)のとおりの商品を指定商品として、同18年7月14日に設定登録されたものであるが、その指定商品中、第9類「浮袋,運動用保護ヘルメット,水泳用浮き板」についての登録は、商標登録の取消し審判により取り消すべき旨の審決がされ、その審判の確定審決の登録が同26年11月14日にされたものである。
同じく、登録5024449号の2商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年3月27日に登録出願され、別掲(3)のとおりの商品を指定商品として、同19年2月9日に設定登録されたものである。
そして、上記引用商標1及び引用商標2は、いずれも現に有効に存続しているものであり、以下、これらを一括して単に「引用商標」ということがある。
第3 当審の判断
1 本願商標
(1)本願商標は、前記第1のとおり、「絆ジュエリー」の文字を標準文字により表してなるところ、該文字は、その文字構成に照らせば、「絆」の漢字と「ジュエリー」の片仮名とを組み合わせてなるものと容易に看取、理解されるものである。
そして、本願商標の構成中、「絆」の漢字は、「断つにしのびない恩愛。」等の意味を有する語(岩波書店発行「広辞苑第六版」)として、一般に広く知られているものである。同じく、「ジュエリー」の片仮名は、「宝石・貴金属類。宝石による装飾品。」の意味を有する語(岩波書店発行「広辞苑第六版」)であり、我が国において慣れ親しまれた英語「jewelry」に基づく外来語であって、本願の指定商品中の「身飾品」に含まれるネックレス、ブレスレット及びブローチ等や「貴金属製靴飾り」といった商品を表す際に広く用いられている語であり、このことは、例えば、次のア及びイに示す事実によっても裏付けられるところである。
ア 辞書類
(ア)「ジュエリー[jewelry<jewel(宝石)]」の見出し語の下、「装身具の総称.また宝石類.」との記載がある(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典」)。
(イ)「ジュエリー[jewelry]」の見出し語の下、「宝石.宝石類.貴金属装身具類.」との記載がある(株式会社集英社発行「日本語になった外国語辞典第3版」)。
イ ネックレス、ブレスレット、ブローチなどといった「身飾品」等を取り扱う通信販売サイトにおける「ジュエリー」の語の用例
(ア)「MIKIMOTO」のウェブサイトにおける「オンラインコンテンツについて/ジュエリー」の見出しの下、「MIKIMOTOブランドのジュエリーをご紹介しています。ネックレス、ペンダント、ブローチ、ピアスといったアイテムごとにご覧いただくことができます。条件を指定して商品検索をすることも可能です。基本的には掲載されている全ての商品をオンラインでご購入いただけます。」との記載がある(https://www.mikimoto.com/jp/customer/utility/guide/index.html)。
(イ)「スワロフスキーオンラインショップ」のウェブサイトにおける「ジュエリー」の見出しの下、「カテゴリー」の項において、「イヤリング、セット、チャーム、ネックレス、ビーズ、ブレスレット、ブローチ、ペンダント...リング」との記載があり、各カテゴリーに照応する商品の写真が掲載されている(http://www.swarovski.com/Web_JP/ja/01/category/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC.html)。
(ウ)「楽天/ICHIBA/ジュエリー・アクセサリー」の「blue nile」のウェブサイトにおける「Blue Nileの最高級ジュエリーを」の見出しの下、「Blue Nileの商品をアイテム別に探す」の項において、「ネックレス、ブレスレット、ピアス」との記載があり、各アイテムに照応する商品の写真が掲載されている(http://event.rakuten.co.jp/accessories/tieup/bluenile/)。
(エ)「Amazon.co.jp/プライム」のウェブサイトにおける「ジュエリー&アクセサリー」の見出しの下、「Amazon.co.jpジュエリーストア」の項において、「ジュエリーストアでは、豊富な品ぞろえのネックレス、イヤリング、リング、ブレスレット、ブローチ、ヘアアクセサリー、ダイヤモンドやルビー、エメラルドなどのジュエリーをご用意しております。」との記載があり、「ジュエリー」に相当する各種商品の写真が掲載されている(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC-%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%BC-%E9%80%9A%E8%B2%A9/b?ie=UTF8&node=85895051)。
(オ)「Qoo10」のウェブサイトにおいて、「ジュエリー飾り 12cmかかとシャイニングハイヒール/パンプス/高い靴」との記載があり、当該靴の写真が掲載されている(http://list.qoo10.sg/item/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E9%A3%BE%E3%82%8A-12CM%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%B9/408883143)。
(2)本願商標を構成する「絆」の語と「ジュエリー」の語とは、上記(1)のとおり、それぞれ一般になじみのある語ではあるが、これらを組み合わせた「絆ジュエリー」の語については、その構成全体をもって特定の観念を有する一連一体の既成の語として、一般に知られているというような事情は認められない。
そうすると、本願商標をその指定商品中、「身飾品,貴金属製靴飾り」について使用するときは、本願商標の構成中の「ジュエリー」の片仮名部分は、単に商品の品質等を表示したものとして認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、上記指定商品との関係では、その構成中の「絆」の漢字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであるから、これが要部であると認められる。
したがって、本願商標は、その構成全体から「キズナジュエリー」の一連の称呼を生ずるほかに、その構成中の「絆」の漢字部分に相応する「キズナ」の称呼及び「断つにしのびない恩愛」の観念をも生ずるものというべきである。
2 引用商標
引用商標は、別掲(1)のとおり、大きく表された「絆」の漢字と小さく表された「きずな」の平仮名とを上下二段に表してなるところ、下段の平仮名は、上段の漢字の読みを表したものとして看取、理解されるにすぎないものであるから、引用商標の要部は、大きく表された「絆」の漢字であると認められる。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して、「キズナ」の称呼及び「断つにしのびない恩愛」の観念を生ずるものである。
3 本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、上記1のとおり、その構成中の「絆」の漢字部分が要部であって、該漢字部分に相応する「キズナ」の称呼及び「断つにしのびない恩愛」の観念をも生ずるものである一方、引用商標も、上記2のとおり、その構成中の「絆」の漢字部分が要部であって、該漢字部分に相応する「キズナ」の称呼及び「断つにしのびない恩愛」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標の要部と引用商標の要部とは、外観上、漢字の「絆」を共通にするものであり、「キズナ」の称呼及び「断つにしのびない恩愛」の観念を同じくするものであるから、結局、本願商標と引用商標とは、互いに紛らわしい類似の商標といわなければならない。
4 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中の「身飾品」は、引用商標1の指定商品中、第26類「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,ボタン類」及び引用商標2の指定商品中、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン」と、それぞれ、同一又は類似のものと認められる。
また、本願の指定商品中の「貴金属製靴飾り」は、引用商標2の指定商品中、第14類「貴金属製靴飾り」と同一のものと認められる。
5 請求人の主張について
請求人は、「『絆』の語は、大変親しまれ、かつ、ありふれた言葉であって、商標としての識別力が弱いというべきものである上、本願商標は、その構成全体をもって、一つのまとまった観念を連想させるものであること、『きずなダイヤモンド』や『絆リング』といった『絆(きずな)』の語をその構成中に有してなる商標が、商品『身飾品』との関係を含め、引用商標とは別個に併存して登録されていること、からすれば、本願商標も同様に、一体的なものであるとして、引用商標とは十分に区別できるものと認定されるべきである。」旨主張している。
しかし、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録の例があるからといって、本願商標が登録されるものであるということにはならない。
本願商標は、上記1のとおり、その構成全体をもって特定の観念を有する一連一体の既成の語として、一般に知られているものではなく、また、その構成中、「絆」の漢字部分は、「断つにしのびない恩愛。」等の意味を有する語であるものの、本願の指定商品中の「身飾品,貴金属製靴飾り」との関係においては、商品の出所識別標識として機能し得るものであるのに対し、「ジュエリー」の片仮名部分は、本願の指定商品中の上記指定商品との関係においては、商品の品質等を表示したものと認識されるにすぎないものであるから、該「絆」の漢字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部であるといえる。
してみれば、本願商標は、その指定商品中の「身飾品,貴金属製靴飾り」との関係においては、その構成中の「絆」の漢字部分をもって他人の登録商標と対比することが許されるというべきであり、そのような対比をした場合、本願商標と引用商標とが類似する商標であることは、上記3において認定、判断したとおりである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
6 むすび
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似するものであり、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。