Trademark Appeal Case
ルール表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−21179(T2014−21179/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類「串揚げ料理の提供」を指定役務として、平成25年9月27日に登録出願された商願2013−75469に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同26年4月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、黄土色で縁取りされた茶色地の縦長の長方形の中に、黄土色の毛筆体で『ソースの二度漬けは』及び『禁止やで!』の文字を2行に縦書きしてなるものであるところ、縁取りした長方形の中に文字を書し、それに色彩を施したものは、店内掲示用のステッカーやポスターなどに一般に使用される手法の一つであり、また、『ソースの二度漬けは禁止やで!』の文字についても、本願の指定役務との関係から、需要者に『串揚げを食すときのルールやマナー』を表したものと認識させるにとどまることから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、黄土色で縁取りされた赤茶色地の縦長の長方形(以下「図形部分」という。)の中に、黄土色の毛筆体で「ソースの二度漬けは」及び「禁止やで!」の文字(以下「文字部分」という。)を2行に縦書きした構成からなるものである。
まず、該構成中の文字部分について検討するに、本願の指定役務は、「串揚げ料理の提供」であるところ、別掲2のとおり、当該役務において提供される「串揚げ」は、関西地方においては「串かつ」又は「串カツ」と称されるとともに、大阪が発祥の地といわれ、当該地の名物料理として知られている。そして、本願商標中の「ソース」の文字は、その指定役務において提供される「串揚げ」、「串かつ」又は「串カツ」(これらをまとめて、以下「串揚げ」という。)の味付けとして客が漬(付)けるために提供される調味料であることは万人の知るところであり、また、それが幅広のステンレス容器に入れられて客同士で共用されるのが大阪流であることが知られているところである。このことは、別掲3(1)及び(2)のとおり、新聞記事及びインターネット情報からもうかがえるものである。
また、該構成中の「やで」の文字は、別掲4の新聞記事及びインターネット情報によれば、「〜よ」又は「〜だよ」を意味する助詞「よ」の関西の方言であって、感嘆や強調を表す符号である感嘆符「!」と共に用いられることもあり、その表現が全国的に紹介されている実情が認められるほか、お笑い芸人等の芸能人がテレビ及びラジオ放送において関西弁を使用し、それが日常的に全国放送されている実情があることからすると、「やで!」の文字は、「〜よ」又は「〜だよ」を意味する助詞「よ」の関西の方言に感嘆や強調を表したものとして広く知られているというのが相当である。
そうすると、本願商標中の文字部分は、「串揚げ料理を食す際に、最初に串揚げをソースに漬け、その後、食べかけの残りの部分をソースに二度目に漬ける行為は禁止だよ!」というルール又はマナーを表示する注意文として認識、理解させるものであるといえる。
次に、本願商標の図形部分について検討するに、掲示物は、一般に、その背景、枠又は文字の色に看者の注意を惹きやすい赤系の色が用いられることが周知の事実であることを踏まえると、本願商標の図形部分は、その文字部分の内容と相俟って、これに接する需要者をして、看者の注意を惹くための表示としか認識できないものといわざるを得ない。
さらに、「ソースの二度漬けは禁止やで!」、「ソースの二度漬け禁止」(「二」の漢数字は「2」の算用数字で表される場合、また、「漬」の漢字は「付」又は「づ」の文字で表される場合がある。以下同じ。)等の表示が、別掲3(1)及び(2)の新聞記事及びインターネット情報のとおり、上記のルール又はマナーを表示する注意文として、「串揚げ料理」を提供する店内において掲示されている事実がある。
以上のことからすれば、本願商標は、これに接する需要者に「串揚げ料理を食す際に、最初に串揚げをソースに漬け、その後、食べかけの残りの部分をソースに二度目に漬ける行為は禁止だよ!」というルール又はマナーを客に向けて示したものであることを認識、理解させるというのが相当であり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「『ソースの二度付(漬)け禁止・・・』の語句は、出願人が経営する串揚げ料理店『串かつだるま』において初めて使用され、『串かつだるま』と一体の関係で継続的に使用され、同店の一種の営業標識となっており、出所表示、品質保証、宣伝広告の各機能を発揮している。『ソースの二度漬け禁止』を串かつを食する際の注意書きとして用いる串かつ店はあるが、『ソースの二度漬けは禁止やで!』を一種の営業標識として使用する串かつ店は『串かつだるま』をおいて他に存在しない。」旨主張する。
しかしながら、『ソースの二度漬けは禁止やで!』の語句は、別掲3(1)に掲げたとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、その一連の言葉が一定程度使用されている事実があり、また、別掲3(2)のとおり、ソースの二度漬けを禁止する趣旨を表す類似の言葉も多数使用されている事実がある。
また、語尾の「やで!」の語も、「〜よ」又は「〜だよ」を意味する助詞「よ」の関西の方言であることが広く知られていることは、前記(1)のとおりであり、これらの実情を勘案すれば、本願商標全体からは、串揚げを食すときのソースの二度漬けを禁止するルールやマナーを客に向けて示したものと認識、理解させると判断せざるを得ず、自他役務の識別標識としての機能を有するものとはいえない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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