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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2013−301047(T2013−301047/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4692761号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4692791号商標(以下「本件商標」という。)は,「BOOST」の欧文字を書してなり,平成14年6月19日に登録出願,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第38類「電気通信(放送を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定商品及び指定役務として,平成15年7月18日に設定登録され,その後,同25年7月23日に,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

なお,本件の審判請求の登録は,平成25年12月13日である。

第2 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求め,審判請求書及び弁駁書において,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は,その指定商品及び指定役務について継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証及び乙第2号証

ア 乙第1号証及び乙第2号証より,確かに,携帯電話による通信に関するウェブサイトにおいて欧文字「boostmobile」(以下「使用商標」という場合がある。)が使用されている事実がうかがえる。

使用商標は,乙第5号証からも明らかなように,オーストラリア及びアメリカ合衆国の2つの独立した経営母体によって使用されるプリペイドワイヤレスサービスのブランド名であるところ,ブランド名として商標が使用される場合は全体の称呼をもって取り引きされる場合がほとんどである。

そうすると,使用商標は,一連一体に看取され,把握されるのが相当であるため,本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。

また,欧文字「boost」と「mobile」は,両語間にスペースを設けることなくまとまりよく配されており,その全体が外観上一体性を有しているため,構成文字全体として一体不可分のものと把握されてしかるべきである。

そうであるならば,「boost」部分が独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たすことはない。

さらに,「mobile」と他の語との結合商標が第38類において多数登録されているところ,指定役務を「移動体電話による通信」に限定することなく登録されている例が大半である。

そうであるならば,「mobile」から,必ずしも「移動体電話」の意味が一義的に想起されるわけではなく,十分に自他役務の識別力を有していると考えるのが相当である。

よって,被請求人の使用商標と本件商標は同一の商標ではなく,社会通念上同一の商標ともいえないため,乙第1号証及び乙第2号証によっては,本件商標が使用されていることは立証されていない。

イ 乙第1号証及び乙第2号証にかかるウェブサイトは,確かに日本からもアクセス可能であり,日本の検索エンジンによっても検索可能であるが,これはインターネットの性質上当然のことである。

日本語を母国語とする日本人の特殊性を勘案するならば,日本国内における使用と認められるためには日本語で表示されていることを要するのが相当であり,日本の検索エンジンによる検索可能性によって判断されるべきではない。

そうすると,乙第1号証及び乙第2号証は全て英語で表示されているため,日本国内における使用とは認められない。

また,乙第1号証に「International Services」なる表示があり,世界の複数の国々へ通信を提供していることが認められるとも考えられるが,上記のとおり,英語で表示されている以上は日本の需要者を対象にしたものとは認められず,日本国内における使用とは認められない。

よって,乙第1号証及び乙第2号証によっては,本件商標が日本国内で使用されていることは立証されていない。

ウ 使用商標が,携帯電話を利用した通信に関するウェブサイトに使用されている点については争わない。

しかしながら,すでに述べたように,使用商標は,本件商標「boost」と同一の商標ではなく社会通念上同一の商標ともいえないため,乙第1号証及び乙第2号証によっては,本件商標が役務「電気通信(放送を除く。)」に使用されていることは立証されていない。

(2)乙第3号証

乙第3号証は,審決例であるところ,本件審判とは事案を異にするため,証左として当該審決例を挙げることは不誠実である。

(3)乙第4号証

証拠として提出された第4号証及びこれにかかる陳述については争わない。

(4)乙第5号証

乙第5号証より,確かに,被請求人は2001年に設立されたブランドであり,2013年10月21日にiPhone5s及びiPhone5c向けのサービスを開始した事実がうかがえる。

しかしながら,すでに述べたように,使用商標は,本件商標と同一の商標ではなく社会通念上同一の商標ともいえないため,乙第5号証によっては,本件商標が審判請求の登録前3年以内に使用されていること及び日本国内で使用されていることは立証されていない。

(5)むすび

以上のとおり,被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第5号証によっては,本件商標の指定商品及び指定役務についての使用は,立証されていない。

第3 被請求人の主張

被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,と答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

1 本件商標は,被請求人(商標権者)により,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件審判の請求に係る商品及び役務中,第38類「電気通信(放送を除く。)」に使用されている。

(1)「本件商標」が使用されていることについて

乙第1号証及び乙第2号証には,欧文字「boostmobile」が記載されている。

乙第1号証及び乙第2号証は,携帯電話による通信に係るウェブサイトである。このため,「携帯電話(機)」の意味を有する「mobile」は,「電気通信(放送を除く。)」との関係においては自他役務の識別標識としての機能を果たさず,同部分を除いた部分「boost」が自他役務の識別標識として機能するものである。

そして,「boost」と本件商標とは,社会通念上同一と認められるものである(乙3)。

(2)本件商標が「電気通信(放送を除く。)」について使用されていることについて

乙第1号証中に「Save on International calls with Boost Mobile(ブースト携帯で国際通話を節約する)」との記載がある。

同事実から,乙第1号証が携帯電話を利用した通信に関するウェブサイトであることは明らかである。

(3)本件商標が「日本国内」で使用されていることについて

乙第1号証及び乙第2号証は,日本からもアクセス可能であり,日本の検索エンジンによっても検索可能であるので,本件商標の日本国内での使用といって差し支えない。

また,乙第1号証の(International Services 国際的サービス)の記載のとおり,被請求人は,世界的に通信を提供しており,その提供先には日本も含まれている。

(4)「被請求人(商標権者)」が本件商標を使用することについて

乙第1号証及び乙第2号証のURLの一部は,「http://WWW.boostmobile.com/」であるが,「Boost Mobile」のホームページ「http://WWW.boostmobile.com/」の下部には,著作権はブースト ワールドワイド,インコーポレイテッドが有する旨の記載がある(乙4)。

この事実から,乙第1号証及び乙第2号証は,被請求人が提供するものであることがわかる。

(5)「審判請求の登録前3年以内」の使用であること

本件審判の請求の登録日は,平成25年(2013年)12月11日である。

「boostmobile」は,前払い無線サービスのブランドとして使用されているが,同役務を提供する被請求人は,2001年に設立されている。

以後,被請求人は,「boostmobile」を提供しており,最近では2013年10月21日にiPhone5s,iPhone5c向けのサービスを提供している(乙5)。

したがって,本件商標の使用は,審判請求の登録前3年以内であることは明らかである。

2 まとめ

以上述べたことから,本件商標が,指定役務「電気通信(放送を除く。)」について,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により,使用されていたことは明らかである。

第4 当審の判断

1 不使用取消審判について

商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては,その第2項において,「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」旨規定されている。

2 被請求人の主張及び提出に係る証拠について

(1)乙第1号証は,ウェブサイト(http://www.boostmobile.com/shop/plans/・・・)の画面を印刷したものであるところ,その中程に,図形と「Boostmobile」の欧文字が記載され,「International Services」及び「Save on International calls with BoostMobile」の記載がある。

(2)乙第2号証は,ウェブサイト(http://www.boostmobile.com/reboost/)の画面を印刷したものであるところ,その中程に,図形と「Boostmobile」の欧文字が記載されている。

(3)乙第4号証は,被請求人のウェブサイト(http://www.boostmobile.com/)を印刷したものであるところ,ウィンドウタイトルには,「Prepaid Cell Phones & No Contract Cell Phones|Boost Mobile」の表示があり,該ページの中程には,「SWITCH & SAVE」及び「Get up to a credit when you switch to Boost Mobile.」等の記載がある。そして,最下段には,著作権表示として,被請求人(本件商標権者)の名称と認められる「Boost Worldwide,inc.」の記載がある。

3 本件商標の使用について,以下の事実が認められる。

(1)上記2(1)ないし(3)の証拠は,被請求人のウェブサイト(http://www.boostmobile.com/)に掲載された,「boostmobile」と表示された携帯電話に関する情報であることが窺えるものの,これらの情報は,すべて英語で表示されているものであり,乙第1号証の部分訳文を参照しても,「世界的サービス/ブースト携帯で国際通話を節約する」とのみ記載されているだけで,いかなる商品又は役務に関する情報であるかを確認することができず,また,そのウェブサイトが掲載された日付を示す記載は見あたらない。

そして,該ウェブサイトは,米国所在の被請求人により設けられたものであって,その内容も全て英語で表示されているものであるから,日本の需要者を対象としたものということができない。

また,被請求人は,「日本からもアクセス可能であり,日本の検索エンジンによっても検索可能であるので,本件商標の日本国内での使用といって差し支えない」旨の主張をしているが,該ウェブサイトが日本からもアクセス可能であるとしても,インターネットのウェブサイトである以上当然のことであり,それをもって日本国内における使用に該当するものということはできない。

(2)乙第5号証は,「Wikipedia」に掲載された「Boost Mobile」に関する情報にすぎず,かかる証拠をもって,本件商標の使用を証するものということはできない。

4 使用商標「boostMobile」が本件商標と社会通念上同一であるかについて

本件商標は,「BOOST」の欧文字を書してなるのに対し,上記2(1)ないし(3)の証拠に表示された使用商標は,「boostmobile」の欧文字からなるものであるから,使用商標は,本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものということができない。

そして,本件商標からは,「ブースト」の称呼が生ずるのに対し,使用商標からは,「ブーストモバイル」の称呼が生じるものであるから,同一の称呼を生ずるものとはいえない。

また,本件商標は,「増加する,上げる」等の意味を有する英語であることから,「増加する,上げる」程の観念を生ずるのに対し,使用商標からは,特定の観念は生じないものであるから,同一の観念を生ずるものとはいえない。

したがって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標ということができない。

5 まとめ

以上のとおり,被請求人が提出した証拠からは,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,その指定商品及び指定役務のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができない。

また,被請求人は,本件指定商品及び指定役務について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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