Trademark Appeal Case
効能表示商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−6311(T2014−6311/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「プーアール茶のチカラ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「プーアール茶,プーアール茶を加味したブレンド茶」を指定商品として、平成24年6月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『プーアール茶のチカラ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『プーアール茶』は、中国茶の一種を表すものとして広く知られているものであり、また、構成中の『のチカラ』は、『○○の力(働き・能力・効能)』の意味合いをもって、主原料が持つ有効成分の働きによって健康に良い効果があるものについて使用されていることからすれば、全体として『健康に良い成分を有するプーアール茶,健康に良い成分を有するプーアール茶を加味したブレンド茶』程を認識させるにとどまるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成26年11月26日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、平成27年1月14日付け意見書において、要旨以下のように述べている。
(1)別掲1(2)の証拠調べ通知に示された使用例のうち、本願商標と同様の「プーアール茶のチカラ」の使用例は1件しかなく、また、漢字の「力」を用いた「プーアール茶の力」の使用例も3件しかない。このように極めて少ない数の使用例は、本願商標が取引社会において一般的に使用されているということを示す根拠にはなり得ない。
(2)別掲1(2)の証拠調べ通知に示された「〇〇茶のチカラ(力)」の使用例は、4件しかなく、このような使用態様が、茶を取り扱う業界において一般的な使用態様であるとはいえない。
したがって、証拠調べ通知に挙げられた事実があるとしても、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「プーアール茶のチカラ」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「プーアール茶」は、中国茶の一種として知られ、また、別掲1(1)に示した事実に照らせば、脂肪の分解効果、整腸効果又は身体を温める効能を有する茶として書籍等において紹介されているものである。そして、本願商標の構成中の「チカラ」の文字は、「ききめ。効能。」の意味を有する「力」の文字を片仮名表記したものと容易に認識されるものであるから、本願商標は、全体として「プーアール茶の効能」程の意味合いを容易に理解、認識させるものといえる。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲1(2)のとおり、プーアール茶の効能を利用した商品について、「プーアール茶のチカラ(力)」の文字が使用されており、また、本願の指定商品に関連する業界においては、原材料(茶)の効能を利用した商品について、「〇〇茶の力(チカラ)」の文字が使用されているものである。
さらに、別掲2のとおり、食品を取り扱う業界においては、原材料の効能を利用した商品について、「〇〇のチカラ」の文字が広く一般に使用されている事実がある。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「プーアール茶の効能を利用した商品」であると理解、認識されるというのが相当であり、商品の品質、効能を表示したものとして認識されるものといえるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、前記3の証拠調べ通知に示された使用例は数が少なく、本願商標が取引社会において一般的に使用されているということを示す根拠にはなり得ない旨、また、「〇〇茶のチカラ(力)」の文字が、茶を取り扱う業界において一般的な使用態様であるとはいえない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の商品の品質に該当するというには、我が国の取引者、需要者が商品の品質を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであるところ、本願商標について、別掲1(2)の使用事実及び別掲2のとおりの広く日常的に消費される食品について「〇〇のチカラ」の使用が認められる事実を踏まえれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、プーアール茶の効能を利用した商品であること、すなわち、商品の品質、効能を表示するものと認識されるものであるといえる。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標が自他商品の識別標識として機能するものと認められる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、体に良い効能を有するとされる「プーアール茶」の文字と「のチカラ」の文字とを結合して表したものであり、その構成全体からは、商品の効能を表示するものと認識されるといえること、上記(1)のとおりである。そして、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであり、請求人の挙げる登録例は、商標の構成文字又は指定商品において本願とは事案を異にするものであるから、本願商標についての判断が、該登録例をもって左右されるものではない。
ウ したがって、請求人のア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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