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Trademark Appeal Case

称呼・外観の類似性と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900346(T2014−900346/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5704669号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5704669号商標(以下「本件商標」という。)は,「DrivePro」の文字を標準文字で表してなり,平成25年12月19日に登録出願,第9類「音声・画像・データの記録・送信・処理及び再生のための装置,カーナビゲーション装置,自動車用ビデオレコーダー,オーディオ及びビデオ機器の動作を制御するためのコンピュータソフトウェア,ファクシミリ装置をプログラミングするためのコンピュータソフトウェア,デジタルオーディオプレイヤー及びレコーダー,ビデオレコーダー及びプレイヤー,デジタルビデオレコーダー,デジタルボイスレコーダー,電気蓄音機のレコードターンテーブルカートリッジ,全地球測位装置(GPS),衛星ナビゲーションシステム用受信機,衛星ナビゲーションシステム又はGPSナビゲーションシステムと併用するコンピュータソフトウェア,音声録音及び再生装置,映像録画及び再生装置,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「コンピュータプログラミング及びコンピュータシステムの分析,コンピュータプログラミング及びコンピュータソフトウェアの設計・作成及び保守,コンピュータプログラミング及びコンピュータソフトウェアの設計・作成及び保守に関する助言及び情報の提供,コンピュータプログラムのインストール,コンピュータプログラムの変換及びコンピュータデータの変換(媒体からの変換でないもの),電子情報のデータの変換,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」を指定商品及び指定役務として,平成26年7月22日登録査定,同年9月26日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する商標(以下「引用商標」という。)は,申立人の業務に係る商品「自動車搭載用ドライブレコーダー機器及び当該機器の技術内容に関する電子計算機用プログラム」及び申立人の業務に係る役務「電子計算機用プログラムの提供」に使用している「Drive PRO」の文字からなる標章である。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第7号,同第10号,同第15号及び同第19号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。

1 引用商標の周知著名性

(1)申立人は,商品「自動車搭載用ドライブレコーダー機器及び当該機器の技術内容に関する電子計算機用プログラム」(以下「使用商品」という。)及び役務「電子計算機用プログラムの提供」について,引用商標を使用して現在に至っているものであり,引用商標の使用開始は,平成23年4月1日である。

(2)引用商標は,これが付されて販売される使用商品の性質,すなわち使用商品の自動車への搭載が自動車運転の安全保全にも関係してくるというような状況等に鑑み,自動車の運転者,ハンドルを握る者はプロでありプロとしての強い自覚をもって運転すべきであるというような強い意味合いを込めて,既存の出願商標,登録商標等々には全く存在しない新規,斬新性を希求して,申立人の創意工夫をもって苦心して案出された造語である。

(3)申立人は,使用商品を販売する者であって,引用商標は,本件商標の出願前から,使用商品に係る業界ではかなり知られたブランドになっており,申立人に係る「Drive PRO」といえば,使用商品の分野においては周知著名な商標である。

したがって,引用商標は,使用商品に係る商品市場において広く知られるに至っているものであり,本件商標の出願時はもちろんのこと,その登録時においても,使用商品を示すものとして我が国において広く知られ,周知著名に至っているものである(甲3ないし甲8)。

2 本件商標と引用商標との類似性

引用商標は,「Drive PRO」の英文字からなるもので,本件商標は,「DrivePro」の英文字からなるものであり,引用商標と称呼が同一で,表示形態もほぼ同一であるから,本件商標と引用商標とは,主要文字部分,中核部分を同一にする商標であり,本件商標と引用商標が類似することは明らかであり,申立人の市場調査によれば,本件商標は,申立人の商品,役務と全く同じ商品,役務に使用されるものである。

したがって,本件商標と引用商標とは,類似する。

3 商標法第4条第1項第7号

前記1のとおり,使用商品の出所表示である引用商標は,周知著名に至っているものである。

このような引用商標と本件商標とは,顕著,かつ,高度に類似するものであるので,そのような本件商標が使用された場合,引用商標と市場混同を惹起することは必須である。

このような本件商標を,申立人とは何らの関係も有しない本件商標権者が使用することは,本来自らの営業努力によって得るべき業務上の信用を,申立人の広く知られている商標の周知著名性にただ乗り(フリーライド)することにより得ようとすることにほかならず,申立人の周知著名な引用商標に化体した価値を希釈化させるおそれがある。

加えて,引用商標は,申立人の創意工夫をもって苦心して案出された造語であり,これをそっくりそのまま取り込んでなる本件商標が登録されるようなことは,決して許されるものではない。

このような行為は,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するので,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

4 商標法第4条第1項第10号

周知著名な引用商標と本件商標とは,顕著,かつ,高度に類似するものであるので,そのような本件商標が使用された場合,引用商標と市場混同を惹起することは必須である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

5 商標法第4条第1項第15号

申立人に係る周知著名な引用商標と本件商標とは,顕著,かつ,高度に類似するものであるから,そのような本件商標が使用商品に使用された場合,当該商品市場で引用商標と市場混同を惹起することは必須であり,取引者・需要者をして,その商品が,申立人の提供に係るものであるかの如く,或いは申立人と何らかの経済的・組織的関連がある者に係る商品であるかの如く認識され,需要者が商品の出所について混同するおそれがあるのは必致であるので,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

6 商標法第4条第1項第19号

申立人とは何らの関係も有しない本件商標権者が,前記したように,使用商品の出所表示として周知著名な引用商標と,顕著,かつ,高度に類似する本件商標を採択して,本件商標権者に係る前記商品について使用することは,現在社会の取引の実際上,本来自らの営業努力によって得るべき業務上の信用を申立人の広く知られている商標の著名性にただ乗り(フリーライド)することにより得ようとすることにほかならず,引用商標に化体した価値を希釈化させるおそれがあり,さらに,本件商標の出願時前から,インターネット上においてかなり知られていた引用商標と,顕著,かつ,高度に類似する本件商標を採択したこと自体,不正の目的をもって本件商標を使用するものといえる。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知著名性について

申立人が提出した証拠(甲3ないし甲8)及びその主張によれば,申立人は,使用商品を販売する者であって,引用商標を付した「自動車搭載用ドライブレコーダー機器」は,本件商標の登録出願日前及び登録査定後においても,申立人のウェブサイトに掲載されている(甲4及び甲5)。

そして,報映テクノサービス株式会社のウェブサイトにおいて,「法人向け ドライブレコーダーを用いた安全運転管理システム」の記載の下,「自動車搭載用ドライブレコーダー機器」が紹介され,申立人と該社との間には,2011年3月ないし2013年3月に商品の取引があることが認められる(甲7及び甲8)。

しかしながら,「自動車搭載用ドライブレコーダー機器」の取引は,報映テクノサービス株式会社,1社にすぎないものであって,他に,引用商標を使用した使用商品の譲渡の数量,営業の規模(店舗数,営業地域,売上高等),広告宣伝の方法,回数,内容等を示す証拠は提出されていない。

そして,申立人は,役務「電子計算機用プログラムの提供(第42類)」についても引用商標を使用して現在に至っている旨を主張しているが,これを証する書面等は提出されていない(ダウンロード可能な電子計算機用プログラムは,当該役務には該当しないものである。)。

そうとすれば,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものということができない。

2 商標法第4条第1項第10号,同第15号及び同第19号該当性について

引用商標は,前記1のとおり,申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして,本件商標の登録出願時及び査定時において,需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものであるから,本件商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても,これに接する需要者が申立人又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品及び役務であるかと誤認し,その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものである。

また,申立人の提出に係る全証拠を勘案しても,本件商標権者が引用商標の顧客吸引力を利用する,又は,顧客吸引力を希釈化させる等,不正の目的をもって本件商標を出願し,登録を受けて使用していると認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。

そうとすれば,本件商標は,不正の目的をもって使用するものということもできない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第15号及び同項第19号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第7号該当性について

(1)商標法第4条第1項第7号でいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,(a)その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合,(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,(c)他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである(知的財産高等裁判所,平成17年(行ケ)第10349号)。

(2)これを本件についてみると,本件商標は,「DrivePro」の文字を標準文字で表してなるものであるから,前記(a)に該当しないことは明らかであり,(c),(d)及び(e)に該当するものとすべき事情も見あたらない。

申立人は,「使用商品の出所表示である引用商標は,周知著名に至っているものであり,引用商標と,顕著,かつ,高度に類似する本件商標を,申立人とは何らの関係も有しない本件商標権者が使用することは,申立人の広く知られている商標の周知著名性にただ乗り(フリーライド)することにより得ようとすることにほかならず,申立人の周知著名な引用商標に化体した価値を希釈化させるおそれがあるから,本件商標は,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する。」旨を主張している。

しかしながら,引用商標は,前記1に記載のとおり,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものということができず,申立人が提出した全証拠を勘案しても,本件商標をその指定商品及び指定役務について使用することが,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するものとすべき具体的事情等を見いだすことができない。

その他,本件商標が公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。

4 まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同第10号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきでものである。

よって,結論のとおり決定する。

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