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Trademark Appeal Case

SWEETS VISA称呼・要部類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900326(T2014−900326/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5697765号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5697765号商標(以下「本件商標」という。)は,赤色で表した「SWEETS VISA」の文字を横書きしてなり,平成26年1月30日に登録出願,第16類「印刷物,雑誌,書籍」を指定商品として,同年8月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下のとおりである。

(1)登録第3200011号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲(1)のとおりの構成よりなり,商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し,平成4年9月29日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし,特例商標として,同8年9月30日に設定登録され,その後,同18年9月26日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第3253066号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ビザ」の文字を横書きしてなり,商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し,平成4年9月29日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし,特例商標として,同9年1月31日に設定登録され,その後,同19年1月23日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(3)登録第3253068号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲(2)のとおりの構成よりなり,平成4年9月30日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同9年1月31日に設定登録され,その後,同19年1月23日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(4)登録第3253069号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲(3)のとおりの構成よりなり,商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し,平成4年9月30日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とし,特例商標として,同9年1月31日に設定登録され,その後,同19年1月23日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(5)登録第4774456号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲(4)のとおりの構成よりなり,平成15年8月1日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同16年5月28日に設定登録され,その後,同26年3月4日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(6)登録第4993862号商標(以下「引用商標6」という。)は,別掲(5)のとおりの構成よりなり,平成17年3月9日に登録出願,第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同18年10月6日に設定登録されたものである。

(7)登録第1418809号商標(以下「引用商標7」という。)は,「VISA」の文字を横書きしてなり,昭和50年10月28日に登録出願,第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同55年5月30日に設定登録され,その後,平成2年8月29日,同12年1月11日及び同22年5月11日に商標権存続期間の更新登録がされ,さらに,同年6月30日に,指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(8)登録第1618651号商標(以下「引用商標8」という。)は,別掲(6)のとおりの構成よりなり,昭和55年7月25日に登録出願,第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同58年9月29日に設定登録され,その後,平成5年12月22日及び同15年10月7日に商標権存続期間の更新登録がされ,さらに,同16年9月29日に,指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり,当該書換登録がされた指定商品について,同25年8月13日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(9)登録第1496747号商標(以下「引用商標9」という。)は,「ビザ」の文字を横書きしてなり,昭和52年4月27日に登録出願,第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同57年1月29日に設定登録され,その後,平成4年4月28日及び同14年1月29日に商標権存続期間の更新登録がされ,さらに,同年6月19日に,指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり,当該書換登録がされた指定商品について,同23年10月11日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

(10)登録第2044491号商標(以下「引用商標10」という。)は,別掲(7)のとおりの構成よりなり,昭和60年9月27日に登録出願,第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同63年4月26日に設定登録され,その後,平成9年12月2日及び同20年2月19日に商標権存続期間の更新登録がされ,さらに,同年7月30日に,指定商品を第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(引用商標1ないし10をあわせていうときは,以下,単に「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由

(1)引用商標の著名性について

申立人は,クレジットカード会社として1958年,米国のバンク・オブ・アメリカがBANK AMERICARDを設立したことに端を発し,その後,1976年に査証になぞらえて,国際的な意味を持たせた現在の名称に変更し,世界及び日本において活発な企業活動を行っている。

引用商標1ないし6に係るクレジットカード等は,世界レベルで加盟店が非常に幅広く,日本でも主要クレジット会社としてのブランドイメージが確立されている。申立人は,日本法人を設立し,長年にわたり,日本のカード発行会社,加盟店,消費者等に多彩なサービスを提供している(甲12〜甲17)。

したがって,引用商標は,本件商標の登録出願時には既に,申立人の業務に係る「クレジットカード利用者に変わってする支払代金の精算,旅行者用小切手の発行及び買取り,資金の貸付け,小切手の検証,旅行傷害保険契約の締結の媒介」等の金融に関する役務,「印刷物,写真」等の商品を表示するものとして,我が国において著名であった。

(2)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は,スイーツ(SWEETS)を提供する店の情報誌(書籍)に使用されていることから(甲18),その構成中の「SWEETS」の部分は,その指定商品との関係では識別性を有さず,その要部は,「VISA」の部分である。

したがって,本件商標は,「ビザ」,「ヴィザ」の称呼が生じるから,引用商標と「ビザ」,「ヴィザ」の称呼を共通にするものである。また,外観においても,本件商標は,引用商標1,3ないし8,10と類似するものである。さらに,観念において,本件商標は,申立人に係る役務・商品を示す商標として著名となっている「VISA」又は「ビザ」を示すものであるから,申立人に係る役務・商品を示す商標を観念することができ,引用商標と観念上も類似するものである。

以上のとおり,本件商標と引用商標は,外観・称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標である。

(3)商標法第4条第1項第11号該当性について

前記(2)のとおり,本件商標は,引用商標7ないし10に類似し,その商品と同一又は類似の商品に使用するものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第10号該当性について

引用商標7ないし10は,申立人の提供する様々な情報を提供する「雑誌」について継続的に使用されている著名商標であり,これらの内容は,生活関連情報,グルメ情報,スイーツ情報,旅行情報,健康情報など多岐にわたり,幅広い年齢層の需要者を対象としている(甲12〜甲14)。

したがって,本件商標は,申立人の商品を表示するものとして著名な商標と同一又は類似し,その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第15号該当性について

クレジットカード決済に係る役務は,電子商取引が非常に発達した今日において,支払の多くをクレジットカード等の電子決済手続によって行う場合が多く,その際,国際的に非常に高い評価を得ているクレジットカードの国際ブランドとなっている引用商標を冠したクレジットカードを使用することが多いに考えられる。また,電子決済手続において,引用商標がパソコン等の電子決済手続画面において表示されることが多いことから,引用商標は,電子商取引において対象となるあらゆる商品・役務との間で,関連性を有することになる。

してみれば,著名な引用商標1ないし6と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,取引者・需要者をして,その商品が申立人又は申立人と何らかの関連がある者の業務に係るかのごとく認識され,出所混同を生ぜしめるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

(6)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,前記1のとおり,赤色で表した「SWEETS VISA」の文字を横書きにしてなるものであるところ,当該文字は,「SWEETS」と「VISA」の各文字の間に1文字程度の間隔があるとしても,同一の色彩・書体・大きさをもって,外観上まとまりよく表されているばかりでなく,これより生ずると認められる「スゥイーツビザ」の称呼も冗長というほどのものではなく,よどみなく称呼し得るものである。

そうすると,本件商標は,その外観及び称呼上の一体性からみて,これを「SWEETS」の文字部分と「VISA」の文字部分とに分離し,「VISA」の文字部分のみを分離,抽出して把握,認識すべきものではなく,構成全体をもって,一体不可分の商標を表したと理解されるとみるのが相当である。

してみると,本件商標は,その構成文字に相応して,「スゥイーツビザ」の一連の称呼のみを生ずるものであって,構成全体をもって特定の意味合いを想起させない造語よりなるものと認めることができる。

この点に関し,申立人は,本件商標は,スイーツ(SWEETS)を提供する店の情報誌(書籍)に使用されているから,その構成中の「SWEETS」の文字部分は,識別性を有さず,その要部は,「VISA」の文字部分である旨主張する。

しかし,上記認定のとおり,本件商標は,構成全体をもって,一体不可分の商標を表したと認識されるものである。さらに,商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであって,単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではないと解すべきである(最高裁昭和47年(行ツ)第33号・昭和49年4月25日第一小法廷判決参照)ところ,本件商標の商標権者が,現在,本件商標をスイーツ(SWEETS)を提供する店の情報誌(書籍)に使用している(甲18)としても,指定商品の一部について本件商標が現在使用されている具体的な使用態様などの個別的,一時的な事情は,対比される両商標が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かの判断要素として重視することは必ずしも相当ではないことから,上記に関する申立人の主張は採用することができない。

したがって,本件商標より「VISA」の文字部分を分離,抽出し,これを前提として,本件商標と引用商標7ないし10とが称呼,外観及び観念を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は,前提において誤りがあるというべきであり,採用することができない。その他,本件商標と引用商標7ないし10とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。

以上によれば,本件商標と引用商標7ないし10とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人の「VISA」の文字よりなる商標(特に,別掲(1)に代表される態様の「VISA」の文字からなる商標。以下「申立人商標」という。)が,申立人の業務に係る役務「クレジットカード利用者に変わってする支払代金の精算,旅行者用小切手の発行及び買取り」等について使用され,本件商標の登録出願日(平成26年1月30日)には既に,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたことは,顕著な事実といえる。

しかし,本件において提出された証拠を総合しても,本件商標の登録出願日の時点において,申立人商標が,申立人の業務に係る商品「印刷物」を表示するものとして,その取引者,需要者の間に広く認識されていたことは認めるに足りない。

加えて,前記(1)認定のとおり,本件商標は,引用商標7ないし10とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから,申立人商標とも非類似の商標と認められる。さらに,本件商標は,申立人の業務に係る上記役務とは,取引の対象,形態,流通経路等を異にする第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。

そうすると,本件商標は,これをその指定商品について使用した場合,その構成中に「VISA」の文字が含まれることをもって,取引者,需要者が直ちに,申立人の業務に係る商品に使用される商標であると誤認するおそれがあるとは認めることができない。

してみると,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,その取引者,需要者をして,該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものということはできない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する商標と認めることはできない。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項に基づき,維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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