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Trademark Appeal Case

不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2014−300389(T2014−300389/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

登録第4854997号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成16年10月12日に登録出願、第9類「自動販売機,理化学機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子出版物」並びに第37類及び第42類に属する商標登録原簿の記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同17年4月8日に設定登録され、その後、同27年4月7日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成26年6月12日にされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「光学機械器具,測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品」(以下「本件審判の請求に係る商品」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判請求書、弁駁書、口頭審理陳述要領書及び上申書において、要旨以下のように述べている。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件審判の請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、該商品についての登録を取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

(1)「移動型データ解析ボックス」について

ア 被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第3号証、乙第5号証ないし乙第9号証、乙第11号証及び乙第14号証をみても、実際に、スズキ株式会社と本件商標権者との間で、いつ、誰が、どこで、何を用いて本件商標を使用した「移動型データ解析ボックス」を説明し、貸与し、販売したのかについて客観的な証拠が示されておらず、被請求人による一方的な主張及び改ざん可能な書類の提示にとどまるから、これらによって、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という場合がある。)の本件商標の使用は立証されていない。

イ 被請求人は、上記「移動型データ解析ボックス」について、2014年(平成26年)5月14日に、三菱電機株式会社及び本件商標権者の各担当者から乙第6号証に係る提案書を用いた紹介を受けたとするスズキ株式会社の担当者による「確認書」(乙53)を提出しているところ、乙第6号証に係る提案書は、その作成日及び作成印の日付が「2014年4月4日」となっているにもかかわらず、同号証の4頁及び5頁に対応する乙第9号証によれば、その文書作成日が「2014/04/10」となっていることから、該提案書の作成日及び作成日の日付は偽造されたものといわざるを得ない。このように、被請求人の提出に係る証拠に偽造が見受けられることからすれば、乙第53号証に係る確認書も全く信用することができない。

また、上記確認書によれば、「移動型データ解析ボックス」が貸与されたのは、本件審判の請求後の2014年(平成26年)の11月6日から12月13日までの間及び2015年(平成27年)の1月28日から2月12日までの間ということになるが、この貸与時期からすれば、仮に「移動型データ解析ボックス」に本件商標が付されていたとしても、それは本件審判の請求後に行われた可能性が高いと推認される。

ウ 上記「移動型データ解析ボックス」は、乙第9号証の内容によれば、パソコンとセンサーとの間をつなぐ「データ中継用電気通信機械」と解されるから、本件審判の請求に係る商品とは相違する。

(2)「バルブゲートコントローラ」について

被請求人の主張及び同人の提出に係る乙第15号証によれば、本件商標を使用した「バルブゲートコントローラ」をモールドサービス株式会社に販売したとするが、モールドサービス株式会社の実体が明らかでなく、また、その販売の事実に係る客観的な証拠は提示されず、本件商標権者側で改ざん可能な資料、銘板の提示にとどまるから、該「バルブゲートコントローラ」についての本件商標の使用は立証されていない。

また、上記「バルブゲートコントローラ」は、乙第12号証の内容によれば、成型機の金型に組み込まれるバルブゲートのコントローラであり、成型機の部品若しくは附属品又はバルブゲートの部品若しくは附属品と解されるから、本件審判の請求に係る商品とは相違する。

(3)「LED電球(コーンブライト)」について

「LED電球(コーンブライト)」は、LEDを用いた電球であるから、本件審判の請求に係る商品とは相違する。

また、カタログ「LED Selection」(乙23)について、本件商標の加入やプロパティの日付などは簡単に改ざんできるから、客観的な証拠とはいえない。

なお、上記「LED電球(コーンブライト)」に係るほかの証拠(乙22、乙24、乙25)においても、要証期間内の本件商標の使用は示されていない。

(4)「LED赤電球(JNC−5−R)」について

「LED赤電球(JNC−5−R)」は、LEDを用いた電球であるから、本件審判の請求に係る商品とは相違する。

また、上記「LED赤電球(JNC−5−R)」に係る乙第26号証には日付がなく、乙第27号証には本件商標の使用が示されていないから、これらをもって、要証期間内の本件商標の使用は立証されていない。

(5)「顧客向け提案書」について

有限会社日栄工業向け提案書(乙28)に記載された本件商標や日付及び同提案書に係る電子データのプロパティ(乙29)の日付は、加入又は変更といった改ざんを簡単に行うことのできるものであるから、客観的な証拠とはいえず、これらをもって、要証期間内の本件商標の使用は立証されていない。

また、上記提案書に係るレンズの受注、売上げの証拠(乙30、乙31)には、要証期間内の本件商標の使用が示されていない。

さらに、上記提案書に係るレンズは、デジタルカメラ用レンズ又はデジタルカメラ交換用レンズと解されるから、本件審判の請求に係る商品とは相違する。

(6)「でらネット通信」について

「でらネット通信 第86号」と称するメールマガジン(乙33)並びにその内容に係るPDFによる商品広告(乙34ないし乙36)及びそのプロパティの日付は、加入又は変更といった改ざんを簡単に行うことのできるものであるから、客観的な証拠とはいえず、これらをもって、要証期間内の本件商標の使用は立証されていない。

なお、上記のように改ざんが容易であることを示すため、乙第34号証中にある本件商標部分を「NCA」の文字に変更したものを参考資料として提出する。

(7)本件商標権者の「会社案内」について

ア 「会社案内」等の電子資料及びそのプロパティの日付は、本件商標の加入や日付、内容等の変更といった改ざんを簡単に行うことのできるものであるから、客観的な証拠とはいえず、これらをもって、要証期間内の本件商標の使用は立証されていない。

イ 被請求人は、自己の「会社案内」の頒布について、要証期間内における頒布の事実を示す写真が既に逸失していたとしつつ、参考資料として、平成26年10月12日に愛知県名古屋市で開催された「なごや新卒就活応援フェア2014」におけるブースの写真(乙44)を提出して、要証期間内においても同様に、各種イベント等で「会社案内」を頒布している旨述べている。

しかし、上記写真の逸失というのは極めて不自然な理由であり、要証期間内においては本件商標とは別の商標を使用していたのではないかとの疑いが生じるものであり、また、乙第44号証の写真は、本件審判の請求後に撮影されたものであるから、その請求後に急きょ本件商標の使用を再開したのではないかとの疑いが生じるものである。

(8)「省エネ商品2013 Summer Selection」について、

被請求人は、乙第49号証ないし乙第51号証に係る各写真をもって、本件商標権者の商品パンフレット「省エネ商品2013 Summer Selection」(乙45)が平成25年6月21日に「日本ガイシフォーラム」で開催された「エヌシーオートメーション(株) 省エネ展示会」において頒布された旨述べているが、該写真のいずれを見ても、本件商標が付されているのかどうか全く判別できず、不明である。

(9)本件商標権者の商標登録原簿上の住所と乙各号証における本社住所との相違について

被請求人は、本件商標権者である愛知県名古屋市中区新栄2−1−40のエヌシーオートメーション株式会社と乙各号証における名古屋市東区葵2−12−1のエヌシーオートメーション株式会社とは同一法人である旨述べているようであるが、代表取締役と会社名が同一であっても、それぞれ別法人の場合があり、この点について、被請求人は客観的な証拠をもって証明していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を答弁書、口頭審理陳述要領書及び上申書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第54号証を提出した。

1 答弁の理由

(1)「移動型データ解析ボックス」について

ア 乙第1号証に示す「移動型データ解析ボックス」は、本件商標権者の商品のデモ機として製作されたもの(乙5)であって、三菱電機株式会社製のデータ収集アナライザ「MELQIC」(IU1−1M20−D)を日東工業株式会社製のキャビネット(SCL20−43)(乙2)に格納し、タッチパネル(三菱電機株式会社製)及び各種接続端子を取り付けたものである。

また、乙第3号証及び乙第6号証は、上記データ解析ボックスを販売する目的で作成された顧客向け説明資料である。

イ 乙第1号証に係るデータ解析ボックスは、その完成後、本件商標権者の商品のデモ機としてスズキ株式会社に貸与されているものであり(乙53、乙54)、顧客から発注があった際には、該デモ機を販売する又はそれと同様の仕様からなる商品を製作、販売することは当然であるから、該デモ機は、商品サンプルと同等の状態にあるといえるものである。

ウ 上記データ解析ボックスの製作時期及びそれに関連する乙第1号証ないし乙第3号証及び乙第5号証の作成時期を示すため、同各号証の電子データに係るプロパティの画像を乙第7号証ないし乙第9号証及び乙第11号証として提出する。該データ解析ボックスには、その完成時に本件商標が付されたところ、乙第7号証によれば、遅くとも平成26年4月7日にはその状態にあったことが分かる。

なお、上記プロパティの画像にはその作成又は撮影の日時が記録されているところ、被請求人は、その日時等を改ざんする手段を保持しない。

エ 上記アないしウによれば、データ解析ボックスについての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第2号にいう行為に該当する。

(2)「バルブゲートコントローラ」について

ア 乙第4号証に示す「バルブゲートコントローラ」とは、バルブ出口(バルブゲート)にピンを挿入し、空圧や油圧で駆動させることにより、バルブから射出する流体の流動バランスを最適に制御するシステム(バルブゲートシステム)の駆動及び温度等の制御をつかさどるコントローラ部分であるところ(乙12)、乙第4号証に係る商品(バルブゲートコントローラ)は、タッチパネルと接続されたシーケンサからの電気信号が外部バルブ及び内部バルブの作動を制御するという機能を有するもの(乙16)であることから、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する「自動調節機械器具」に該当するものである。

また、乙第4号証に係るバルブゲートコントローラは、本件商標権者が、2012年(平成24年)10月に、立松モールド工業株式会社の子会社であるモールドサービス株式会社に販売、納入したものである(乙15、乙16)。

イ 乙第4号証に係るバルブゲートコントローラの銘板には、「Maker」の文字と「Ncautomation」の文字との間に本件商標が表示されている(乙13)。

また、上記銘板の原板は、林工芸により、2002年(平成14年)に作成され(乙17、乙18)、それ以後、同様の銘板を作成するときは、本件商標部分及び立松モールド工業株式会社の登録商標部分(「TMW」の英字3文字部分)以外の文字部分のみ変更を指示しているところ、乙第4号証に係るバルブゲートコントローラの銘板は、2012年(平成24年)10月に、林工芸から本件商標権者に納品された後、モールドサービス株式会社に販売、納入された2点の銘板のうちの1点である(乙15、乙19、乙20)。

なお、上記バルブゲートコントローラは、現在、立松モールド工業株式会社の所有機器となっており、製造者(Maker)及び竣工日(Completion Date)を表示した銘板を機器に取り付けておくことは同社の規定において定められていることから、該機器に取り付けられている銘板により、その竣工日が2012年(平成24年)10月9日であること、その納入以降に何人も該銘板の取り外し又は付け替えが不可能であることが分かる。

ウ 上記ア及びイによれば、バルブゲートコントローラについての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第1号にいう行為に該当する。

(3)「LED電球(コーンブライト)」について

ア 乙第22号証に係る「LED電球(コーンブライト)」は、ライテック株式会社が製造し、本件商標権者が販売する商品であり、その包装(外箱)には、製造元の表示として「LIGHTTEC」の記載があるほか、販売元の表示として本件商標が記載されている。

イ 乙第22号証に係る「LED電球(コーンブライト)」は、2009年(平成21年)2月18日以降、現在に至るまで、本件商標権者のホームページ上にある商品広告「LED Selection」(http://www.ncauto.co.jp/FAmaniac)に掲載されており(乙23)、該広告の表紙及び裏表紙には本件商標が表示されている。

また、上記LED電球(コーンブライト)は、2011年(平成23年)10月の17日及び25日に、株式会社青山製作所製造本部可児工場へ販売された(乙24、乙25)。

ウ 上記ア及びイによれば、LED電球(コーンブライト)についての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第1号にいう行為に該当する。

(4)「LED赤電球(JNC−5−R)」について

ア 乙第26号証に係る「LED赤電球(JNC−5−R)」は、株式会社ジェイエスエルが製造し、本件商標権者が販売する商品であり、その包装(外箱)には、株式会社ジェイエスエルの商標(英字斜体による「jsl」)とともに、本件商標が表示されている。

上記LED赤電球(JNC−5−R)は、2014年(平成26年)5月13日に、株式会社ナオキ工業へ販売された(乙27)。

イ 上記アによれば、LED赤電球(JNC−5−R)についての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第1号にいう行為に該当する。

(5)「顧客向け提案書」について

ア 乙第28号証は、本件商標権者が、2013年(平成25年)11月6日に、有限会社日栄工業向けに作成した「顧客向け提案書」(検査用機器テスト結果報告)であり、そのすべてのスライド資料に本件商標が表示されている。

なお、上記提案書に係る電子データの最終更新日時は、「2013/11/06 18:50」である(乙29)。

イ 乙第28号証に係る「顧客向け提案書」によって有限会社日栄工業に提案された「レンズ 3Z4SLE SV−0813V」及び「レンズ 3Z4SLE SV−1614V」は、2013年(平成25年)12月に、同社から本件商標権者が受注し、その売上げが2014年(平成26年)3月28日にされている(乙30、乙31)。

ウ レンズ(第9類「光学機械器具」)及びカメラ等、第9類に属する商品の販売を目的とする上記「顧客向け提案書」についての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第8号にいう行為に該当する。

(6)「でらネット通信」について

ア 乙第33号証は、2013年(平成25年)9月2日付けで本件商標権者のインターネット販売システム「でらネット」の登録顧客向けに発行されたメールマガジン「でらネット通信 第86号」であり、その本文中に記載されている「パナソニックLED照明器具IDシリーズ」(http://www.ncauto.co.jp/DRANET/cp/panaiD.pdf)、「岩崎電気LEDアイランプシリーズ」(http://www.ncauto.co.jp/DRANET/cp/ledioc.pdf)及び「オムロンタッチパネルNBシリーズ」(http://www.ncauto.co.jp/DRANET/cp/nb.pdf)に関する販売キャンペーンの各商品広告(乙34ないし乙36)には本件商標が表示されている。

なお、上記各商品広告は、2013年(平成25年)8月29日に作成されたものである。

イ LED照明(第9類「電子応用機械器具」)及びタッチパネル(第9類「電子応用機械器具」)といった第9類に属する商品の販売を目的とする上記「商品広告」についての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第8号にいう行為に該当する。

(7)本件商標権者の「会社案内」について

ア 乙第42号証は、本件商標権者が第9類に属する商品の販売を目的としてホームページに掲載している「会社案内」(http://www.ncauto.co.jp/contents/nca_guide/pdf)であり、温度調節器(第9類「測定機械器具」)、LED照明(第9類「電子応用機械器具」)、監視カメラ(第9類「写真機械器具」)等が掲載されている。

上記「会社案内」は、2014年(平成26年)2月3日の作成後、継続してホームページに掲載しているほか、要証期間内を含め、中綴じ製本した状態で各種のイベントや会社説明会において頒布している(乙44)。

イ 乙第42号証に係る「商品案内」の4頁に掲載されている取扱商品一例のうちの「温度調節器」は、温度センサの電気信号を受けて設定温度と比較し、ヒーター・クーラー等の操作回路へ調節信号を出力するための機器であり、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する「自動調節機械器具(温度自動調節機械器具)」に該当するものである。

なお、上記「温度調節器」は、オムロン株式会社製の「E5EN」(http://www.fa.omron.co.jp/products/family/1432/lineup.html)であり、該商品は、平成26年5月23日に販売した(乙43)。

ウ 上記「会社案内」についての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第8号にいう行為に該当する。

(8)「省エネ商品2013 Summer Selection」について

ア 乙第45号証は、本件商標権者が平成25年6月ないし7月に名古屋市、豊田市、一宮市及び可児市で開催した「エヌシーオートメーション(株) 省エネ展示会」の会場において頒布したパンフレット「省エネ商品2013 Summer Selection」であり、その表紙及び裏表紙には本件商標が表示され、また、その裏表紙には作成日付を示す「0130524」の記載がある。

乙第45号証に係るパンフレットの5頁に掲載されている取扱商品一例のうちの「可変式温度調節器」は、その取扱説明書(乙46)に記載された内容によれば、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する「自動調節機械器具(温度自動調節機械器具)」に該当するものである。

なお、上記「可変式温度調節器」は、日東工業株式会社製の「PTV−M61A」であり(乙46)、該商品は、平成25年12月6日に販売した(乙52)。

イ 乙第45号証に係るパンフレット「省エネ商品2013 Summer Selection」の頒布を証するものとして、乙第47号証ないし乙第51号証を提出する。これらによれば、平成25年6月21日に「日本ガイシフォーラム」(名古屋市)で開催された「エヌシーオートメーション(株) 省エネ展示会」の会場において、該パンフレットが頒布されていたことは明らかである。

ウ 乙第45号証に係るパンフレットについての本件商標の使用は、商標法第2条第3項第8号にいう行為に該当する。

(9)本件商標権者の商標登録原簿上における住所と乙各号証における本社住所との相違について

ア 本件商標権者は、平成13年10月1日に「西垣電機株式会社」と「中日電機株式会社」とが合併して設立された会社法人であり、その登記にあたっては、本店住所として、「西垣電機株式会社」の本店住所であった「名古屋市中区新栄二丁目1番40」を変更することなく記載している(乙37)。そして、上記合併の際に本社機能を別オフィスに移転することとしたため、その合併後、会社案内その他の広報・広告類には、本社住所として、「名古屋市東区葵2−12−1 ナカノビル3F」が表記されることとなった。

上記一連の経緯を証するものとして、甲第38号証ないし甲第41号証を提出する。

イ 上記アにおいて述べたとおり、本件商標権者の本店住所は「名古屋市中区新栄二丁目1番40」であるため、本件商標の登録出願時、本件商標権者は、自己の住所として、本店住所を用いたものである。

2 まとめ

以上のとおり、本件商標は、本件商標権者が販売する本件審判の請求に係る商品について、要証期間内に継続的に使用されている。

第4 当審の判断

1 被請求人の主張及び同人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。

(1)本件商標権者である「エヌシーオートメーション株式会社」は、「電気制御機器,照明器具・分電盤等の工業用電気器具,家庭用電気器具の販売,修理、電気工事の請負」等を目的として、平成13年10月1日に、西垣電機株式会社及び中日電機株式会社の2社合併により設立された会社法人であり、本店住所を「名古屋市中区新栄二丁目1番40号」とするものである(乙37)。

上記合併に際し、本社機能を別オフィスに移転することとしたため、その合併に先立つ平成13年9月10日に、西垣電機株式会社は、中央三井信託銀行株式会社との間で、「名古屋市東区葵二丁目12番1号」に所在する「ナカノビル」の3階事務室A・B部分について、貸室賃貸借契約を締結した(乙38)。

なお、上記契約に基づく賃貸借期間は、契約書第3条において、「平成13年9月21日(貸室の引渡日)から平成15年9月30日までとする。ただし、本契約期間満了の6ヵ月前までに甲(中央三井信託銀行株式会社)および乙(西垣電機株式会社)のいずれからも文書による別段の意思表示がない場合は、契約期間を2年間更新するものとし、以降も同様とする。」旨規定されている。

(2)本件商標権者は、自己の取扱いに係る商品の販売を目的として、ホームページ上に「会社案内」(乙42)を掲載している(http://www.ncauto.co.jp/contents/nca_guide/pdf)ところ、該「会社案内」には、本件商標と同一の商標が表示されているほか、その9頁には、会社概要として、昭和21年創業の「西垣電機株式会社」と同26年創業の「中日電機株式会社」の合併により、2001年(平成13年)10月1日に本件商標権者(エヌシーオートメーション株式会社)が設立された旨及び本社所在地が「名古屋市東区葵2−12−1 ナカノビル3階」である旨の記載がある。

また、上記「会社案内」の4頁には、本件商標権者の取扱いに係る様々な商品がその画像とともに掲載されているところ、そのうちの「温度調節器」と表示されているものは、温度センサの電気信号を受けて設定温度と比較し、ヒーター・クーラー等の操作回路へ調節信号を出力する機器であって、具体的には、オムロン株式会社製の「E5EN」(http://www.fa.omron.co.jp/products/family/1432/lineup.html)である。

なお、上記「会社案内」は、本件商標権者のホームページ上において、「2014年2月3日現在」のものとして掲載されている。

(3)本件商標権者は、2014年(平成26年)5月23日に、オムロン株式会社から仕入れた「温度調節器」(形式:E5EN−Q3HBT−N AC100−240)を得意先である「エヌエスディ株式会社」へ販売した(乙43)。

2 上記1において認定した事実によれば、「名古屋市東区葵2−12−1 ナカノビル3階」に本社を置く本件商標権者は、自己の取扱いに係る「温度調節器」その他の商品の広告等として、遅くとも2014年(平成26年)2月3日以降、本件商標を付した「会社案内」をホームページ上に掲載していたといえる。

また、上記「会社案内」に掲載された「温度調節器」は、その機能、用途に照らせば、本件審判の請求に係る商品中の「測定機械器具」の範ちゅうに属する「温度自動調節機械器具」に相当するものと認められる。

してみれば、本件商標権者は、要証期間内に、本件審判の請求に係る商品中の「温度自動調節機械器具」に関する広告に本件商標を付したものを自己のホームページを通じて提供していたということができ、その提供の行為は、商標法第2条第3項第8号にいう使用に該当するものと認められる。

なお、請求人は、「名古屋市中区新栄2−1−40」のエヌシーオートメーション株式会社と「名古屋市東区葵2−12−1」のエヌシーオートメーション株式会社とが同一法人であることが客観的に証明されていない旨主張するが、上記のとおり、被請求人の提出に係る証拠によれば、両社は同一法人と認められるものであり、また、請求人は、乙各号証に係る作成日等はいかようにも改ざん可能であるなどと主張するが、上記1において認定した事実に対する反証の提出はないから、これらの請求人の主張は採用し得ない。

3 むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中の「温度自動調節機械器具」について、本件商標の使用をした事実を証明したものと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品「光学機械器具,測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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