sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「コータック」と「反応性ポリマー用架橋剤,粘着剤,液晶,液晶ポリマー樹脂,液晶構造を有する重合体…」の造語の称呼類似性(第4条第1項第11号|審判不服2014−20377(T2014−20377/J1))

審判番号
不服2014−20377(T2014−20377/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「コータック」引用商標「反応性ポリマー用架橋剤,粘着剤,液晶,液晶ポリマー樹脂,液晶構造を有する重合体…」
争点(論点)
造語の称呼類似性
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2014−20377(T2014−20377/J1)・不服)は、本件商標「コータック」と引用商標「反応性ポリマー用架橋剤,粘着剤,液晶,液晶ポリマー樹脂,液晶構造を有する重合体…」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「造語の称呼類似性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「コータック」の文字を標準文字で表してなり、第1類「メッキ用光沢剤」を指定商品として、平成26年1月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5519688号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成24年3月9日に登録出願、第1類「反応性ポリマー用架橋剤,粘着剤,液晶,液晶ポリマー樹脂,液晶構造を有する重合体(原料プラスチックに属するものに限る。),液晶媒体の製造において使用される化学品,液晶ディスプレイ用カラーフィルター製造用の化学品,有機化合物からなる液晶用等の導電薄膜形成剤」、第9類「発光ダイオード(LED),光電池,太陽電池,太陽電池を利用した蓄電池,太陽電池による発電装置,発電用太陽電池モジュール,フィルム型太陽電池,太陽電池性能試験検査装置,研究用及び実験用光源装置,太陽電池を利用した充電器,太陽電池を利用した携帯電話機用充電器,太陽電池を利用した蓄電池用充電器,太陽電池を利用した携帯電話機,太陽電池を利用したラジオ受信機,導電性テープ,導電性ペースト」、第11類「蛍光灯,コンパクト型蛍光灯,LEDを用いた照明装置,LEDを用いたスポットライト,LEDを用いた懐中電灯,LEDを用いた常夜灯,LEDを用いた電球類及び照明用器具,LEDランプ,LED光源を用いた照明器具,LEDを用いた電飾用照明器具,LEDを用いた天井用照明器具,LEDを用いた集魚灯,LEDを用いた投射灯,農業用の電球類及び照明用器具,有機ELを用いた照明装置」、第17類「金属箔を蒸着したプラスチックフィルム又はシート,金属板を被覆したプラスチックフィルム又はシート,金属粉を分散させたプラスチックフィルム又はシート,蛍光材料を塗布したプラスチックフィルム又はシート,光線を反射させるための微細なプリズム状の突起を有するプラスチックフィルム又はシート,光反射基材を有するプラスチックフィルム又はシート,接着剤を塗布したプラスチックフィルム又はシート,微孔性のプラスチックフィルム又はシート,導電性フィルム又はシート,液晶ポリマーフィルム又はシート,液晶材料を挟持したプラスチック積層フィルム又はシート,反射防止フィルム又はシート,フィルム状又はシート状のプラスチック基礎製品,電磁波カット用プラスチックフィルム又はシート,液晶ディスプレイ用偏光フィルム又はシート,液晶ディスプレイ用位相差フィルム又はシート,液晶ディスプレイ用反射防止フィルム又はシート」、第37類「照明用器具の修理又は保守,光学機械器具の修理」及び第42類「照明用器具のデザインの考案及び助言,照明用器具の設計,太陽電池モジュールの性能に関する調査及び評価,電気に関する試験又は研究に関する助言,機械器具に関する試験又は研究,太陽電池試験検査装置・電池試験検査装置・その他の計測装置の貸与,研究用及び実験用光源装置の貸与」を指定商品及び指定役務として、同年9月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、前記1のとおり、「コータック」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「コータック」の称呼を生じ、また、該文字は辞書等に記載されていない一種の造語と認識されるものであるから、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、前記2のとおり、上段に、Aの文字部分を図案化させた「COTAC」の欧文字を青色でグラデーションを施して表してなり、その右下に「BEYOND TECHNOLOGY」の欧文字を小さく表してなるものである。

そして、引用商標は、その構成中の「COTAC」の文字部分が、右下に表され、英語で「技術を超えて」といった意味合いを理解させる「BEYOND TECHNOLOGY」の文字部分とは、視覚上分離している上、文字の大きさ、色彩も異なり、また、意味上においても必ずしも一体的に理解されるものとはいい難いものであるから、「COTAC」の文字部分をもって取引に資される場合も決して少なくないと判断するのが相当である。

そして、「COTAC」の欧文字は、辞書等に成語として記載されていないものであり、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものであるから、我が国において親しまれた英語の「lotion」を「ローション」、「motion」を「モーション」、「note」を「ノート」と発音する例及びローマ字読みに倣って、引用商標の構成中「COTAC」の文字部分からは、英語読み風の「コータック」又はローマ字読み風の「コタック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そうとすると、引用商標は、その構成文字全体から「コータックビヨンドテクノロジー」又は「コタックビヨンドテクノロジー」の称呼が生じるほか、「COTAC」の文字部分から「コータック」又は「コタック」の称呼が生じるものであって、特定の観念は生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否

ア 本願商標と引用商標について比較すると、称呼においては、本願商標と引用商標は共に「コータック」の称呼を共通にするものである。また、本願商標から生じる「コータック」の称呼と引用商標から生じる「コタック」の称呼については、「コ」及び「タック」の音すべてを共通にし、語頭音「コ」における長音の有無において差異があるものの、本願商標は、語頭の「コ」の音及び中間の「タ」の音が比較的強く発音され、その間の長音は短く、比較的弱く聴取されるものであるから、その差異は明確に聴取されるとはいい難いものであり、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。

そして、観念においては、本願商標と引用商標は、共に特定の観念を生じないものであるから、観念を比較することはできないものである。

また、外観においては、本願商標と引用商標は、全体の外観において相違するものである。

ところで、商標の構成文字を同一の称呼を生じる範囲内で、片仮名及びローマ字を相互に変更したり、デザイン化したりすることが一般に行われている取引の実情があることからすれば、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、そのような商標の類否判断においては、称呼が重要な役割を果たすといわなければならない。

そうとすれば、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、取引の実情を考慮すれば、両者の外観が相違するとしても、観念において区別できず、取引上重要な役割を果たす称呼において相紛らわしい両者は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

イ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品について比較すると、本願商標の指定商品「メッキ用光沢剤」は、請求人の主張によれば、原材料は「水、界面活性剤、有機物」とあるところ、その原材料はいずれも化学物質といえるものであるから、めっき表面の光沢化のために用いられる工業用の化学品の一つといえるものである。

また、引用商標の指定商品中「反応性ポリマー用架橋剤,液晶,液晶媒体の製造において使用される化学品,液晶ディスプレイ用カラーフィルター製造用の化学品,有機化合物からなる液晶用等の導電薄膜形成剤」には、工業用、科学用の化学品が含まれ、また、原材料に本願商標の指定商品の原材料の「有機物」と同じ意味を表す「有機化合物」が含まれているものもある。

そうとすると、本願商標と引用商標の指定商品には、工業用の化学品、及び、原材料(化学物質)が同じものが含まれており、いずれも、共に化学メーカーが取り扱うものといえるから、生産部門、販売部門、原材料、用途等を共通にする類似の商品というのが相当である。

ウ したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)請求人の主張

請求人は、引用商標から生じる称呼は「コタック」のみであり、本願商標とは語頭において長音の差異音を有するから、本願商標と引用商標とは称呼において明瞭に聴別し得る旨主張している。

しかしながら、前記(2)のとおり、引用商標は「コータック」の称呼をも生じるものであって、本願商標と引用商標は「コータック」の称呼を共通にするものである。

また、請求人は、参考として過去の審決例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは、当該商標の構成態様と、指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の審決例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、指定商品が類似のものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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