Trademark Appeal Case
「次世代」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−22134(T2013−22134/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「次世代」の文字を標準文字で表してなり、第1類「コラーゲン,栄養補助食品及び化粧品の製造用の加水分解した2型のコラーゲン,鶏から抽出したコラーゲンを含有した化学剤,鶏を原料として得られるコラーゲン・ゼラチン・ペプチドから選ばれた少なくとも1種を主成分とする食品添加剤(化学品に属するものに限る。),薬用植物からの抽出物又は有効成分を原材料としてなる化学品(精油に属するものを除く。),飲食品添加用化学酵素,栄養補助食品製造用化学添加剤,化学品」及び第5類「薬剤,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」を指定商品とし、平成24年11月15日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『次世代』の文字を書してなるところ、該文字は『比喩的に、製品の機能などが格段に変化するとき、現在の次にくる段階。』(広辞苑第6版)等の意味を有し、本願商標の指定商品を扱う業界において使用されている事が新聞記事(別掲1)から認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合には、該商品が上記のごとき商品であると理解させる場合も決して少なくないものといえ、取引者・需要者が何人かの業務にかかる商品であることを認識することができないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権による証拠調べをした結果、別掲2のとおりの事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成26年12月25日付けで証拠調べ通知書を送付した。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、上記3の証拠調べ通知に対して、平成27年3月9日受付の意見書において、以下のように述べている。
「次世代」の語が「その商品が先進のものである」程の意味合いを示す修飾語として広く使用されている分野では、識別力なく登録できないことになるが、「次世代」の語が使用される分野は、本願の指定商品に限られるものではない。そして、本願商標と同一である「次世代」の語のみから構成される商標について、登録例(6件)が認められ、本願についてのみ識別力が突然失われるような事態が生じているとは、到底考えられない。
そもそも商標の選択にあたり、辞書に記載されているイメージの良い修飾語が選択されることは頻繁かつ当然に生じる。また、「次世代」の持つ「その商品が先進のものである」という程度の意味からは、品質や効能が特定されるものでない。
さらに、「次世代」より直接的な表現である「先進」という語も様々な分野で新聞やインターネットで使用されているが、商標登録されている例がある。
すなわち、「次世代」の語が新聞やネットに使用されているとしても、品質や効能など具体的に記述的な意味を持つものでもなく、本願指定商品について商標又は一般名称、慣用表示として使用された事実もない。
したがって、本願商標は、自他商品の識別機能及び出所表示機能を果たすことができるものである。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「次世代」の文字を標準文字で表してなるところ、「次世代」の語は、「比喩的に、製品の機能などが格段に変化するとき、現在の次にくる段階。」の意味を有し(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)、商品の分野を問わずそのような意味合いで広く使用されているものである。
そして、別掲1及び2に示す内容に照らせば、本願の指定商品である化学品及び薬剤等を取り扱う業界においても、「次世代」の語は、例えば、「次世代の主力事業候補」(別掲1(2))、「スペシャリティ化学品などに関連する次世代の技術革新」(別掲1(3))、「次世代化学品の開発に注力」(別掲1(4))、「次世代化学品の製造・販売」(別掲1(6))、「次世代化学品メーカー」(別掲1(7))、「次世代の薬物伝送システム(DDS)技術」(別掲1(8))、「次世代医薬品の開発」(別掲1(9))、「次世代の有望素材」(別掲1(10))、「糖尿病治療の次世代薬」(別掲1(13))、「次世代ペプチド輸液」(別掲2(1))、「次世代抗アレルギー対応素材」(別掲2(3))及び「次世代アミノ酸」(別掲2(4))のように、上記意味合いで広く使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、その書体も何ら特異な態様でなく、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に現在との比較において「製品の機能などが格段に変化するとき、現在の次にくる段階」の意味合いを認識するにとどまるというのが相当であるから、自他商品の識別標識としての機能を果たすものでなく、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができない商標であるといわざるを得ない。
また、別掲1及び2のとおり、「次世代」の語は、本願の指定商品に係る取引一般において、取引の内容を説明するために必要かつ適切な表示として機能するものであるから、誰もが自由に使用できるようにしておく必要があり、特定人の独占的使用を認めると、円滑な取引を阻害するなど公益上の問題が生じるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標と同一である『次世代』の語のみから構成される商標について、多数の登録例が認められるから、本願商標も登録されるべきである。」旨主張し、過去の登録例を挙げている。
しかしながら、商標が自他商品識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであって、上記(1)とおり、本願の指定商品である化学品及び薬剤等を取り扱う業界において、「次世代」の語は、「製品の機能などが格段に変化するとき、現在の次にくる段階」の意味合いを表す語として広く使用されている実情からすれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商標であることを認識することができない商標であると判断せざるを得ない。
さらに、請求人は、「『次世代』の語が新聞やネットに使用されているとはいっても、品質や効能など具体的に記述的な意味を持つものでもなく、本願指定商品について商標又は一般名称、慣用表示として使用された事実もない。」旨主張する。
しかしながら、原査定は、本願商標がその指定商品の一般名称、品質や効能などを普通に用いられる方法で表示する商標であるとか、その指定商品について慣用されている商標であるとかとは認定、判断したものではないから、請求人の上記主張は失当である。
以上のとおり、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。