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Trademark Appeal Case

品質・製造方法表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−22861(T2014−22861/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「手作り犬ごはん」の文字を横書きしてなり、第31類「ドッグフード」を指定商品として、平成25年2月22日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定商品については、原審において同年7月24日付け手続補正書により、第31類「手作りの犬の飼料」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『手作り犬ごはん』の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、補正後の指定商品『手作りの犬の飼料』との関係においては、本願商標の構成中『手作り』は、商品の製造方法を表すものであり、『犬ごはん』は、『犬の飼料』(ドッグフード)を表すものとして、他事業者も一般的に使用しているものであるから、本願商標を本願の指定商品に使用するときには、商品の製造方法、商品の品質を普通に用いられる方法で直接的に表すものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、出願人は、本願商標を指定商品に使用した結果、本願商標は自他商品識別標識としての機能及び出所表示機能を発揮しているから登録されるべきである旨主張し、証拠を提出しているが、いずれの証拠によっても、本願商標が出願人による使用の結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識することができるものとはいえない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、上記第1のとおり、「手作り犬ごはん」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、その構成中「手作り」の文字は、「自分の手で作ること。手製。」の意味を、「犬」の文字は、「食肉目イヌ科の哺乳類」の意味を、また、「ごはん」の文字は、「めし・食事の丁寧な言い方。」の意味を有する語(いずれも大辞林第三版[三省堂])であるから、本願商標は、全体として「手製の犬の食べ物」程の意味合いを容易に想起させるものである。

ところで、「犬の食べ物」は、商品「ドックフード」などの「犬の飼料」として一般に市販されているものであるが、それらの「犬の飼料」を取り扱う業界(以下「当該業界」という。)においては、原料を乾燥、加圧した固形の飼料や缶詰された飼料など機械で大規模に生産されたものではない、手作り(手製)の犬の飼料が一般に製造、販売されている事実が、別掲2のとおりの記載から認められる。

また、当該業界において、「犬ごはん」の文字が、「犬の飼料」の意味を表すものとして使用されている実情が、別掲1及び3のとおりの記載から認められ、「手作り犬ごはん」の文字が「手作り(手製)の犬の飼料」程の意味合いを表すものとして使用されている事実も、別掲4のとおりの記載から認められる。

そうとすると、「手作り犬ごはん」の文字からなる本願商標を補正後の指定商品「手作りの犬の飼料」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が「手作りの商品」であることを認識するにすぎないというのが相当である。

してみれば、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 商標法第3条第2項について

請求人は、本願商標は、現在に至るまでの販売実績及び使用実績により、自他商品の識別機能を十分に発揮している旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第31号証を提出しているので、本願商標が商標法第3条第2項に該当するに至ったものであるかについて、以下判断する。

(1)商標法第3条第2項の趣旨について

出願商標が、商標法第3条第2項の要件を具備し、登録が認められるか否かは、実際に使用している商標及び商品、使用開始時期、使用期間、使用地域、当該商品の生産又は販売量、並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、出願商標が使用された結果、判断時である査定時又は審決時において、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるか否かによって決すべきものである(知財高裁平成18年(行ケ)第10054号参照)。

(2)本願商標の商標法第3条第2項該当性について

上記(1)の観点を踏まえて、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて、請求人の提出した証拠及び主張を検討すると、以下の事実が認められる。

ア 使用開始時期、使用期間

請求人は、本願商標の使用開始時期について、平成19年12月1日である旨主張し、甲第5号証(参考資料2)を提出しているが、該書証から事業場名称として「手作り犬ごはん」の文字が記載されている事実は認められるものの、該書証が作成された同21年12月24日以前に本願商標が本願指定商品に付して使用されていたとする事実を証するものとは認められない。一方、甲第5号証(参考資料3)によると、「どっぐす通信(2008年(平成20年)9月30日第8号)」にドックフードの専門店の店名として本願商標が使用されていることが認めれることからすれば、本願商標の使用期間は、本件審決時まで6年半ほどである。

イ 使用地域、販売数量等並びに広告宣伝の方法及び回数等

(ア)使用地域について

請求人は、ドッグフードの専門店を運営し、その店名として「手作り犬ごはん」の文字を使用していることが認められる(甲第5号証など)。また、甲第5号証(参考資料5ないし29)及び甲第8号証(参考資料36ないし45)によると、発送元の氏名及び品名として「手作り犬ごはん」の文字が記載された発送伝票を用いて、全国各地に販売していることが認められる(なお、発送に係る商品の内容は明かではない。)。

(イ)本願商標を付した商品の売上の状況について

請求人は、販売数量について、2008年度は173個、2009年度は249個、2010年度は3356個、2011年度は9200個、2012度は20917個、2013年度は27557個及び2014年度(1月から10月末まで)は31439個である旨述べ、その証拠方法として甲第11号証及び甲第12号証などを提出しているが、甲第11号証は、「2014年9月売上総数」として商品名及び数字が、また、甲第12号証は、「主な出荷先」として注文者住所等が記載されているのみであり、本願商標を付した「犬の飼料」が販売されている事実は見いだせない。そうとすると、該書証は、本願商標の使用に係る商品の売上の状況を示すものとはいえない。その他、本願商標の使用に係る商品の販売数量及び市場占有率などを証する証拠の提出はされていない。

(ウ)広告宣伝の方法及び回数等について

甲第5号証(参考資料30ないし32)及び甲第13号ないし甲第16号証などによると、新聞、テレビなどにおける広告として、のべ10件ほど「手作り犬ごはん」の文字が記載された記事が認められる。(なお、甲第17号証ないし甲第21号証については、「手作り犬ごはん」の文字は確認できず、甲第23号証ないし甲第26号証については、領収書に係るバナー広告の記事の内容は明らかでない。)。

ウ 小活

上記(ア)ないし(ウ)の事実から、請求人は、商品「ドッグフード(犬の飼料)」について、平成20年9月頃から該商品を取り扱う店名などにおいて「手作り犬ごはん」の名称を用いており、該名称を付して、全国各地に販売していることが認められる。

しかしながら、商品「ドッグフード(犬の飼料)」は、日本全国において多数製造、販売されているところ、本願商標を付した商品の販売数量や市場占有率なども明らかでない。

そうすると、その他、請求人に係るすべての証拠の内容を総合してみても、請求人が本願商標を使用した結果、本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識されるに至っていると認めることはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項に該当するものとはいえない。

3 結語

以上のとおり、本願商標は、商標法3条1項3号に該当するものであり、また、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものでもないから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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