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Trademark Appeal Case

複合商標の一体性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900295(T2014−900295/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5693016号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5693016号商標(以下「本件商標」という。)は、「ぽっちゃり」の文字を標準文字で表してなり、平成26年3月24日に登録出願、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと,食用粉類」を指定商品として、同年7月14日に登録査定、同年8月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第10号について

申立人は、別掲のとおり、「ぽっちゃり」及び「アザラシくん」の文字を併記した「ぽっちゃりアザラシくん」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)を、「菓子」(以下「使用商品」という。)について使用し、2008年から全国各地に販売している。

そして、申立人は、その商標の使用において、「ぽっちゃり」の文字を「アザラシくん」の文字より目立つように大きく、かつ、筆頭に表示しているから、これに接する取引者、需要者は「ぽっちゃり」の文字部分からも申立人使用商標を認識することは明らかであり(甲1)、また、少なくとも、2011年から2012年頃には全国各地の数カ所において周知である(甲2)。なお、この業界において、商標権者が使用商標を知らないということは考えられない。

(2)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。

3 当審の判断

(1)使用商標の周知性について

申立人の主張及び提出した証拠によれば、次のとおりである。

申立人の業務に係る使用商品(菓子)の包装紙(甲1)には、別掲のとおり、「ぽっちゃり」の文字及び「アザラシくん」の文字が縦書き及び横書きにより表示されているもの(使用商標)であって、申立人の提出に係る「商品別売上明細票」によれば、申立人は、2008年1月から2014年6月の間、大阪、水戸、鶴岡、いわき、北海道の「得意先」に、使用商品を納入したことが認められるものであり(甲2)、2008年頃から、使用商品について、使用商標を継続的に使用していたといえる。

しかしながら、上記「商品別売上明細票」によれば、使用商品の出荷先は、特定の都市及び北海道に限られているものであり、その中でも出荷の多い北海道についてみると、使用商品(「知床」「えりも」「おたる水族館」の文字が付記された使用商品を含む。)が、2010年から2012年において、年間約8400箱出荷されているが、これがすべて販売されたとしても、不特定多数の一般の消費者を需要者とする「菓子」について、その販売数を多いものと評価することはできない。

その他、使用商標が本件申立てに係る商品について我が国の需要者の間に広く認識されている商標と認め得る証拠の提出はない。

そうすると、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、使用商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性について

本件商標は、「ぽっちゃり」の文字を標準文字で表してなるから、その構成文字に相応して「ポッチャリ」の称呼を生じるものであり、「小さく丸く太って愛らしく見えるさま(ぽっちゃり)」の観念を生じるものであることは明らかである。

他方、使用商標は、上記(1)のとおり、「ぽっちゃり」の文字と「アザラシくん」の文字を縦書き及び横書きしてなるものであるところ、その構成は、いずれの文字も丸文字風の同じ書体により表されていて、全体としてまとまりよく一体的に看取されるものであり、これより生ずる「ポッチャリアザラシクン」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであって、全体として「ぽっちゃりしたアザラシくん」程の意味合いを理解させるものであるから、使用商標は、殊更に、その構成が「ぽっちゃり」の文字部分と「アザラシくん」の文字部分とに分離して観察されるものではなく、構成文字全体が一体不可分のものとして認識されるとみるのが相当である。

そうすると、使用商標は、その構成文字全体に相応して、「ポッチャリアザラシクン」の称呼のみを生じ、「ぽっちゃりしたアザラシくん」の観念を生ずるものというべきである。

なお、申立人は、使用商標について「ぽっちゃり」の文字をより大きく、筆頭に表示しているから、該文字が看者の注意をひく構成になっている旨主張するが、使用商標は、「ぽ」の文字がやや大きく表示されているが、全体の構成文字は同じ書体によりバランスよく配置された構成からなり、外観上、まとまりよく表されているものであるから、上記のとおり、その構成全体が一体のものとして認識されるものであり、その他、これに接する取引者、需要者が、「アザラシくん」の文字部分を捨象し「ぽっちゃり」の文字部分のみをもって取引に資すると見なければならない特段の事情も見いだせないものであるから、申立人の上記主張は採用することはできない。

してみると、本件商標と使用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものであり、両商標から生ずる称呼は、「アザラシクン」の音の有無という顕著な差異により、容易に区別することができるものであって、観念においても、「ぽっちゃり」と「ぽっちゃりしたアザラシくん」とにおける明らかな相違を有するから、相紛れるおそれはない。

したがって、本件商標と使用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、また、使用商標は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、我が国において、周知であったものとは認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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