Trademark Appeal Case
地名の普通名称性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900173(T2014−900173/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5656870号商標(以下「本件商標」という。)は,「南京町」の文字を標準文字で表してなり,平成25年12月20日に登録出願,同26年2月14日に登録査定され,第30類「茶,菓子,パン,中華まんじゅう,肉まんじゅう,ハンバーガー,みそ,ウスターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,弁当,即席菓子のもと」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として,同年3月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第3条第1項第4号及び同法第4条第1項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2証を提出した。
(1)南京町という名称は,少なくとも明治のはじめより長きにわたり認知されており,本件商標の商標権者は,昭和52年に設立され,また,製造者及び販売に携わる当事者でもないため,商標法第3条第1項第4号の除外規定により,標準文字としての「南京町」の商標を認可することは適切でない。
(2)本件商標権者と申立人による係争(甲1)について,当該係争の最終口頭弁論日(平成25年12月16日),判決日(同26年3月6日)の手続の経緯の日付けと比較しても,当該係争を有利に進めるための商標登録の申請を行ったと取ることができ,商標法第4条第1項第19号「第三者(被告)に対し損害を加える目的その他の不正の目的を指す」に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号該当性について
本件商標は,「南京町」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして,商標法第3条第1項第4号にいう「ありふれた氏または名称」とは,原則として,同種のものが多数存在するものをいうところ,申立人は,平成24年(ワ)第1855号損害賠償請求事件の判決及び同損害賠償事件の裁判資料(甲1及び甲2)を提出するのみで,「南京町」が「ありふれた名称」といえるほど多数存在する事実を証する書面は提出していない。
また,当審における職権調査によれば(下線は,合議体による),該文字は,フリー百科事典「ウィキペディア」において,「南京町(神戸)」の見出し下に,「南京町(なんきんまち)は,
神戸市中央区の元町通と栄町通にまたがる狭いエリアの通称で,正式な地名ではない。南京町商店街振興組合の登録商標
でもあり,中国風の意匠を特徴とするチャイナタウンである。」の記載があり(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E4%BA%AC%E7%94%BA_%28%E7%A5%9E%E6%88%B8%29),他に「南京町」の文字を,「ありふれた氏または名称」とすべき事実を発見することができない。
したがって,「南京町」の文字は,ありふれた氏または名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず,本件商標は,商標法第3条第1項第4号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人が提出した証拠からは,「南京町」の文字が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものということができない。
そして,本件商標権者と申立人との間の係争事件の手続の経緯と,提出に係る証拠(損害賠償事件の裁判資料:甲2)を勘案しても,本件商標権者が不正の目的をもって本件商標を出願し,登録を受けて使用しているということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第4号及び同法第4条第1項第19号に違反して登録されたものでないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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