Trademark Appeal Case
図形商標の称呼判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900315(T2014−900315/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5694417号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、平成26年3月12日に登録出願され、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成26年7月7日に登録査定、同年8月15日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4445299号の2商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(B)のとおりの構成からなり、平成11年3月5日に登録出願、平成13年1月12日に設定登録された登録第4445299号商標の商標権の分割に係るものであって、第2類、第3類、第4類、第7類、第9類、第12類、第14類、第16類、第18類、第25類、第27類、第28類、第34類、第36類、第37類、第39類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年5月21日に商標権の分割移転がされ、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議申立ての理由の要点
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、その構成中、下段の「Verywell」の文字部分が指定商品との関係において商品の品質を表すものとして需要者・取引者に看取・認識されるから、上段の「VW」の文字部分が自他商品識別標識として機能する要部といえるものである。
他方、引用商標は、円の中に白抜きで表された「VW」が顕著であり、需要者・取引者の注意を惹く要部といえるものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、その要部「VW」を共通にする類似の商標であり、両者の指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性
引用商標及びアルファベットの「VW」は、本件商標の登録出願時には申立人又は申立人商品を表すものとして周知・著名になっていたものであるから、「VW」を要部とする本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する需要者・取引者は該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
第4 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲(A)のとおりの構成からなるところ、その下段に書された「Verywell」の文字は「いいよ、けっこうだ、承知した」の意味を有する英語の熟語として知られているとしても、商品の品質等が良いことを示す語として普通に使用されている事実は見いだし難く、取引者・需要者によって商品の品質等を表示するものとして認識し理解されるものとはいえず、それ自体自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。また、その上段に表された文字は、やや図案化されているものの、上記「Verywell」の文字とあいまって、「Vw」を表したものとして認識し理解されるものというべきである。そして、本件商標は、その構成に照らし、上記「Verywell」と「Vw」の各部分が常に不可分一体のものとしてのみ認識し把握されるべき格別の理由は見いだし難いから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。
そうすると、本件商標は、「Verywell」の文字部分より「ベリーウェル」の称呼を生ずるほか、「Vw」の文字部分より「ブイダブリュー」の称呼をも生ずるものとみるのが自然であり、前者からは「いいよ、けっこうだ、承知した」の観念が生ずるが、後者からは特定の観念が生ずるものではない。
他方、引用商標は、別掲(B)のとおり、全体がまとまりよく一体的に構成されており、白抜きで表された円輪郭内に「VW」の文字を配したものとは直ちに認識し得ず、むしろ全体をもって一種の幾何図形を表したものとして認識し把握されるというべきである。そうすると、引用商標は、「VW」の文字部分のみが独立して看者の注意を強く惹くというようなものではなく、「ブイダブリュー」の称呼を生ずるものとはいえず、他に特定の称呼は生じないものといわざるを得ない。もっとも、後述の引用商標の周知性を考慮すれば、申立人のハウスマークを観念せしめる場合があることは否定し得ない。
そこで、本件商標と引用商標とを対比するに、両者は、それぞれの構成に照らし外観上判然と区別し得る差異を有するものといえる。また、引用商標から特定の称呼を生じない以上、称呼上本件商標と引用商標とを比較することはできない。さらに、本件商標から想起し得る「いいよ、けっこうだ、承知した」の観念と引用商標から想起される申立人のハウスマークとしての観念は全く別異のものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品に包含されるものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に、「Volkswagen」及び「フォルクスワーゲン」の文字とともに、申立人のハウスマークとして、かつ、申立人の業務に係る商品「自動車」を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものというべきであり、また、自動車関連の業界においては、申立人会社又は申立人の業務に係る商品「自動車」を表示するために、「VW」の文字がしばしば用いられていることが認められる。
しかしながら、「VW」の文字は、一般に商品の形式、型番等を表すための記号、符号として類型的に使用されるローマ字の2字であって、もともと自他識別力の乏しいものというべきであり、自動車とそれ程深い関連性を有するものとはいえない本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「VW」の文字が申立人会社又は申立人の業務に係る商品「自動車」を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
加えて、本件商標と引用商標とは、前示のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものである。
かかる事情の下に、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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