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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900352(T2014−900352/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5703852号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5703852号商標(以下「本件商標」という。)は,「Sehra collection」の欧文字と「セラコレクション」の片仮名とを上下二段に書してなり,平成26年3月6日に登録出願,同年9月3日登録査定,第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,同年9月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する登録商標(以下「引用商標」という。)は,以下の4件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2025815号

商標の構成:SEPHORA

登録出願日:昭和60年6月21日

設定登録日:昭和63年2月22日

指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を含む第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(2)国際登録第1115480号

商標の構成:SEPHORA

国際商標登録出願日:2012年(平成24年)4月11日

優先権主張:France 2012年3月30日

設定登録日:2013年(平成25年)8月9日

指定商品及び指定役務:第3類「Perfumery; perfumes; toilet water; eaux-de-Cologne; cosmetic preparations for skin care; nail care preparations; cosmetic preparations for slimming purposes; lotions for cosmetic purposes; cosmetic skin lotions; fluid-texture creams; tissues impregnated with cosmetic lotions; hand lotions; beauty masks; hand creams, skin whitening creams; lip care products; hair care creams; detangling solutions being hair care preparations; hair lotions; depilatory preparations, depilatory waxes; shaving preparations; shaving soap; shaving foams; after-shave products; sun-tanning preparations; sun-tan enhancers; self-tanning preparations; toiletries; dentifrice; cosmetic soap; soap for toilet purposes; shampoos; shower gels; bath gels; bath oils; bath salts; bath foams; bath pearls; talcum powder, for toilet use, cleansing milk for toilet purposes; baby oils; baby powders; make-up preparations; make-up removing preparations; lipsticks; mascara for eyelashes; hair mascara; nail polish; nail polish remover; rouge; make-up powder; eyeshadow; eye pencils; eyebrow pencils; blusher application pencils; hair bleaching preparations; beard dyes; hair dyes; hair styling creams and gels; hair spray; brilliantine; adhesives and decorative transfers for cosmetic purposes; wash-out body and nail tattoos.」及び第35類「Retail sale services of toiletries, perfumes, cosmetic products, make-up preparations, cosmetic products for face and body care, cosmetic products for hair care and embellishment.」を含む第3類,第35類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務

(3)登録第4472484号

商標の構成:SEPHORA(標準文字)

登録出願日:平成11年6月16日

設定登録日:平成13年5月11日

指定商品 :第8類「手動利器(「刀剣」を除く。),電気かみそり及び電気バリカン」,並びに,第26類「ボタン類,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),頭飾品」を含む第26類,第35類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

(4)登録第4598564号

商標の構成:SEPHORA(標準文字)

登録出願日:平成12年12月18日

設定登録日:平成14年8月23日

指定商品 :第21類「皿,その他の食器類(貴金属製のものを除く。),瓶,香料くん焼器,香炉」を含む第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標は,「Sehra collection」の欧文字及び「セラコレクション」の片仮名に相応して,「セラコレクション」の称呼を生ずるものである。

本件商標の構成中,前半に位置する「Sehra」の文字は,特定の意味合いを有しない造語であるのに対し,後半の「collection」の文字は,「収集,収集物」等の意味を有する英語としてよく知られているばかりでなく,「一群の商品」を指称する用語として広く使用されている。

例えば,化粧品の分野においては,「優美なバレリーナの繊細なチュチュやトゥシューズなどをモチーフにしたメイクアップコレクション」,「エレガントで,洗練されたフェイスに仕上げるコレクション」(甲6)のように,特定の商標が付された複数の商品の集合又は特定の商標と同じ出所の商品を表示するものとして使用されている。

かかる実情からすると,「collection」の文字は,それ自体,自他役務の識別機能を発揮することは極めて乏しいから,本件商標をその指定役務について使用した場合,これに接する取引者,需要者は,後半の「collection」の文字に比べ,前半に位置する「Sehra」の文字に強く印象づけられ,本件商標の要部は,「Sehra」の文字にあると認識するというのが相当である。

また,本件商標を「セラコレクション」と一連に称呼した場合,比較的冗長といえるから,取引者・需要者が,自他役務識別機能の弱い「コレクション」の部分を省略して,「セラ」と称呼することも少なくないと推測される。

したがって,本件商標は,その構成文字の全体に相応した「セラコレクション」の一連の称呼を生ずるほか,単に「セラ」の称呼をも生ずるものである。

イ 他方,引用商標を構成する「SEPHORA」の文字は,特定の意味合いを有しない造語であり,引用商標は,その構成文字に相応して,「セフォラ」の称呼を生ずる。

ウ そこで,本件商標から生ずる「セラ」の称呼と,引用商標から生ずる「セフォラ」の称呼とを比較すると,両称呼は,2音ないし3音構成であり,語頭の「セ」と語尾の「ラ」を共通とする。

唯一の差異である,引用商標の「フォ」の音は,無声摩擦音の子音「f」と母音「o」からなり,語の中間に位置するため,必ずしも明瞭に聴取されるとはいえない。

したがって,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,全体の語調,語感が極めて近似したものとなり,互いに相紛れるおそれがある。

外観についてみると,本件商標の要部である「Sehra」は,5文字の欧文字のすべてを引用商標と同じくし,中間の「P」及び「O」の文字の有無に差異を有するにすぎないから,両者が別異のものとして明確に区別されるとはいえない。

以上のとおり,本件商標と引用商標とは,観念において比較することはできないが,称呼において相紛らわしく,かつ,外観において構成文字の大半を共通とするものであるから,観念,称呼及び外観について総合的に考察すれば,相紛らわしい類似の商標である。

エ 本件商標の指定役務は,引用商標の指定商品又は指定役務と,同一又は類似する役務を含むものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

ア 引用商標の使用状況

申立人は,「世界の一流ブランドがわかる事典」に収載され,1970年に「幻想的な美しさ」をコンセプトとしてフランスで創立し,1997年に,モエヘネシー・ルイヴィトングループ(LVMH)が買収した(甲9)。世界30カ国に1750店舗を運営,約40億ドルの売り上げと推定され,世界最大のビューティショップとして成長している。

2013年現在,LVMHグループの中で最も成長率が高く,ファッション&レザー,ワイン類等のカテゴリーが,0.4%〜6%増にとどまっている中,セフォラは16%増と最も成長率が高く,グループをリードしている(甲10)。

申立人は,1999年に日本に進出したが,2001年に撤退した。

しかしながら,アメリカでコスメショップといえば,「SEPHORA」というほど,世界中の女性に浸透したブランドであり,我が国においても,高い評価を得ており,今でも多くの需要者が輸入によって購入している(甲11及び甲12)。

また,申立人は,自ら「SEPHORA COLLECTION」というウェブサイトを立ち上げ,引用商標を使用して,日本の需要者を対象に化粧品,香水等の販売をしている(甲13)。

本件商標は,上記「SEPHORA COLLECTION」と比較しても,役務の出所の混同を生ずるほど,紛らわしいものである。

このように引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時を含め,遅くとも我が国に進出した1999年以降,継続して,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,我が国又は外国の需要者間に広く認識されているということができる。

イ 商標法第4条第1項第10号該当性

本件商標と引用商標とは,前記(1)のとおり,観念,称呼及び外観について総合的に考察すれば,相紛らわしい類似の商標であり,引用商標の使用に係るせっけん類,化粧品,香料等及びその小売役務は,本件商標の指定役務中の「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似のものである。

前記アのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標は,申立人の業務に係る商品(せっけん類,化粧品,香料等)及びその小売役務を表示する商標として,我が国の需要者間に広く認識されていたものであって,本件商標と引用商標は,互いに類似し,かつ,互いの商品又は役務も類似するものである。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知性について

申立人が提出した証拠及びその主張によれば,申立人は,1970年にフランスで創立し,1997年に「モエヘネシー・ルイ ヴィトングループ」に買収された,婦人用メイクアップ用品,基礎化粧品等の美容製品を扱う会社であって(甲9),「COSME GIRLS」のウェブサイト(甲11)に,引用商標を表示した化粧品が掲載され,日本の需要者も購入していること(甲12)が窺える。

しかしながら,申立人は,1999年から日本において展開していた店舗を2001年に全て撤退している。

そして,申立人の提出に係る全証拠をみても,引用商標に係る営業の規模,広告宣伝の方法,回数,内容等を,具体的に把握することはできない。

そうすると,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標は,「Sehra collection」の欧文字と「セラコレクション」の片仮名とを上下二段に書してなるところ,その構成中,下段の「セラコレクション」の片仮名は,上段の「Sehra collection」の欧文字の読みを表すものと無理なく理解させるものであるから,本件商標からは,「セラコレクション」の称呼を生ずるものである。

そして,本件商標の構成中,前半の「Sehra」及び「セラ」の文字部分は,特定の語義を有しない造語といえるものであるから,後半の「collection」及び「コレクション」の文字部分が,「収集,収集物,コレクション」等の意味を有する英語及びその読みであるとしても,これらの語を結合した「Sehra collection」及び「セラコレクション」の文字からは,特定の観念を生じないものである。

また,本件商標の構成中の「collection」の文字部分は,上記のとおり,「収集,収集物」等の意味を有する英語であって,その指定役務との関係においては,特定のテーマや用途等の下に各種商品を品揃えして提供することを表すものと理解,認識されるものであり,該「collection(コレクション)」の文字部分は,出所識別標識としての機能を有しないか弱いものということができるから,本件商標は,その構成中の「Sehra」及び「セラ」の文字部分から,単に「セラ」の称呼をも生じ,特定の観念を生じないものと認められる。

イ 引用商標は,「SEPHORA」の欧文字を表してなるところ,これからは「セフォラ」の称呼を生じ,該文字は,特定の語義を有しない造語といえるものであるから,引用商標からは特定の観念を生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について検討するに,本件商標は,「Sehra collection」の欧文字と「セラコレクション」の片仮名とを上下二段に書してなるものであるのに対し,引用商標は,「SEPHORA」の欧文字を表してなるものであるから,両商標は,外観上,相紛れるおそれはなく,本件商標の「Sehra」の欧文字部分と引用商標とを比較しても,つづりが異なる上,大文字と小文字の差異を有するものであるから,十分に区別できるものである。

そして,称呼においては,本件商標から生ずる「セラコレクション」の称呼と引用商標から生ずる「セフォラ」の称呼とは,その構成音及び構成音数に明らかな差異を有するものであるから,判然と聴別できるものであり,本件商標から生ずる「セラ」の称呼と引用商標から生ずる「セフォラ」の称呼とは,中間における「フォ」の音の有無の差異を有するものであるから,両者の2音と3音という短い称呼におけるその差異が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず,互いに聞き誤るおそれはないものと認められる。

また,観念においては,両商標は,特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。

してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第10号該当性について

引用商標は,前記(1)のとおり,申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず,また,本件商標と引用商標とは,前記(2)に記載のとおり,非類似の商標である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(4)まとめ

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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