1 本願商標
本願商標は、「楽らくキット」の文字を標準文字で表してなり、第29類「食肉を主材料とする惣菜,野菜を主材料とする惣菜,魚介類を主材料とする惣菜,卵を主材料とする惣菜,豆腐を主材料とする惣菜,こんにゃくを主材料とする惣菜,海草類を主材料とする惣菜,食肉を主材料とする調理用食材セット,野菜を主材料とする調理用食材セット,魚介類を主材料とする調理用食材セット,卵を主材料とする調理用食材セット,豆腐を主材料とする調理用食材セット,こんにゃくを主材料とする調理用食材セット,海草類を主材料とする調理用食材セット」を指定商品として、平成26年3月5日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『楽らくキット』の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表してなるところ、その構成中、『楽らく』は『たやすいさま』の意味を表す『楽々』を表したものとして認識され、『キット』は、材料一式を表す語として親しまれた語であり、本願の指定商品の分野では、料理の食材一式を表すものとして用いられている。そうすると、本願の指定商品『食肉を主材料とする調理用食材セット,野菜を主材料とする調理用食材セット,魚介類を主材料とする調理用食材セット,卵を主材料とする調理用食材セット,豆腐を主材料とする調理用食材セット,こんにゃくを主材料とする調理用食材セット,海草類を主材料とする調理用食材セット』との関係において、『楽らく』と『キット』を組み合わせてなる本願商標は、『簡便に調理できる食材一式』の意味合いを、需要者に一般に認識させるものというのが相当である。してみれば、本願商標は、単に商品の品質、効能を表示するものを、普通に用いられる方法で表したものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「楽らくキット」の文字を標準文字で表してなるところ、それを構成する「楽らく」の文字は「たやすいさま」の意味を有する「楽楽(らくらく)」を表したものと認識されるものであり、「キット」の文字は「組立て模型などの部品一式」(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有するものである。
そして、当審において職権をもって調査したところ、本願の指定商品中、「食肉を主材料とする調理用食材セット」などの調理用食材セットとの関係において、「料理キット」「食材キット」のように「キット」の文字が使用されている事実は認められるものの、調理用食材セットを取り扱う業界において、「楽らく」及びそれに類する「楽々」「らくらく」等の文字と結合した「楽らくキット、楽々キット」等の文字が、調理用食材セットの品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実は発見することができなかった。
加えて、当該商品の取引者、需要者が「楽らくキット」の文字を調理用食材セットの品質等を表示するものと認識するとすべき事実も発見することができなかった。
以上のことから、本願商標は、その構成全体から、原審説示のごとき意味合いを暗示させる場合があるとしても、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであって、「食肉を主材料とする調理用食材セット,野菜を主材料とする調理用食材セット,魚介類を主材料とする調理用食材セット,卵を主材料とする調理用食材セット,豆腐を主材料とする調理用食材セット,こんにゃくを主材料とする調理用食材セット,海草類を主材料とする調理用食材セット」の品質等を直接的かつ具体的に表示するものとして、取引者、需要者に理解されるものということは困難である。
そうすると、本願商標は、これを上記指定商品に使用しても、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとはいえないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。