Trademark Appeal Case
商標と商品の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−650006(T2013−650006/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第25類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2011年4月20日にエジプトにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)5月10日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、平成24年4月26日付け手続補正書により、別掲2のとおり補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、次の(1)ないし(8)の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第1910784号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「MAGI」の欧文字と「マギー」の片仮名とを二段に横書きしてなり、昭和53年10月5日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年11月27日に設定登録、その後、平成19年2月7日に指定商品を第25類「被服」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第2035721号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和56年3月18日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年3月30日に設定登録、その後、平成20年7月30日に指定商品を第25類「被服」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(3)登録第2035725号商標(以下「引用商標3」という。)
引用商標3は、別掲4のとおりの構成からなり、昭和56年3月18日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年3月30日に設定登録、その後、平成20年8月13日に指定商品を第25類「被服」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(4)登録第2035726号商標(以下「引用商標4」という。)
引用商標4は、別掲5のとおりの構成からなり、昭和56年3月18日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年3月30日に設定登録、その後、平成20年8月13日に指定商品を第25類「被服」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(5)登録第2089821号商標(以下「引用商標5」という。)
引用商標5は、別掲6のとおりの構成からなり、昭和56年10月8日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年10月26日に設定登録、その後、平成21年2月25日に指定商品を第25類「被服」並びに第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(6)登録第3133265号商標(以下「引用商標6」という。)
引用商標6は、「マギー」の片仮名を横書きしてなり、平成5年3月17日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同8年3月29日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(7)登録第4843027号商標(以下「引用商標7」という。)
引用商標7は、別掲5のとおりの構成からなり、平成15年3月17日に登録出願、第25類「履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同17年3月4日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(8)登録第5255377号商標(以下「引用商標8」という。)
引用商標8は、「MAGGY」の欧文字を横書きしてなり、平成21年1月26日に登録出願、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年8月7日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に「MAGGIE」の欧文字を書し、下段にアラビア語と思われる文字を書してなるものであり、その構成上、上段部分と下段部分とが視覚上分離して観察されるものである。
そして、本願商標は、全体を常に不可分一体のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせないものであるから、上段部分と下段部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中「MAGGIE」の文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
してみれば、本願商標は、その構成中「MAGGIE」の文字部分から「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、「MAGI」の欧文字と「マギー」の片仮名とを二段に横書きしてなり、その構成文字に相応して、「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2は、別掲3のとおり、紋章のような図形の内部に「MAGGY」及び「GINZA TOKYO」の欧文字を書してなるものであるが、該文字部分は、紋章のような図形と混然、融合しているものではなく、いかなる文字が表されているか不明確なものともなっていないから、「MAGGY」及び「GINZA TOKYO」の文字が表されていることが明確に把握できるものである。
そして、引用商標2は、全体を常に不可分一体のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだせないものであるから、図形部分と文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものである。
また、引用商標2の構成中「GINZA TOKYO」の文字部分は、「銀座 東京」と認識され、商品の産地、販売地を表したものと認識されるものであるから、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものということができる。
そうとすれば、引用商標2は、その構成中「MAGGY」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというのが相当である。
したがって、引用商標2は、その構成中「MAGGY」の文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
してみれば、引用商標2は、その構成中「MAGGY」の文字部分から「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)引用商標3、4及び7は、別掲4及び5のとおり、それぞれ「銀座」の文字と「マギー」の文字とからなり、両文字は文字の大きさ及び書体を異にするため、視覚上分離して観察されるものである。
そして、引用商標3、4及び7の構成中「銀座」の文字部分は、商品の産地、販売地を表したものと認識されるものであるから、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものということができる。
そうとすれば、引用商標3、4及び7は、その構成中「マギー」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというのが相当である。
したがって、引用商標3、4及び7は、その構成中「マギー」の文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
してみれば、引用商標3、4及び7は、その構成中「マギー」の文字部分から「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(エ)引用商標5は、別掲6のとおり、ややデザイン化された「maggy」の欧文字と「マギー」の片仮名とを二段に横書きしてなり、その構成文字に相応して、「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(オ)引用商標6は、「マギー」の片仮名を横書きしてなり、「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(カ)引用商標8は、「MAGGY」の欧文字を横書きしてなり、「マギー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標1及び8との類否について
本願商標の構成中「MAGGIE」の文字部分と引用商標1及び8とを比較すると、外観においては、両者の欧文字部分は、4文字ないし6文字中、語頭を含めた「MAG」又は「MAGG」の3文字又は4文字を共通にするものであるから、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、両者は「マギー」の称呼を共通にするものであり、また、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において区別することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標1及び8との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、「マギー」の称呼を共通にし、外観において近似した印象を与え、観念において明確に区別することができない両者は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標と引用商標2との類否について
本願商標の構成中「MAGGIE」の文字部分と引用商標2の構成中「MAGGY」の文字部分とを比較すると、外観においては、全体としては相違するものの、両者の欧文字部分については、5文字ないし6文字中、語頭を含めた「MAGG」の4文字を共通にするものであるから、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、両者は「マギー」の称呼を共通にするものであり、また、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において区別することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標2との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、「マギー」の称呼を共通にし、両者の全体の外観においては相違するものの、「MAGGIE」の文字部分と「MAGGY」の文字部分の外観において近似した印象を与え、観念において明確に区別することができない両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
オ 本願商標と引用商標3ないし7との類否について
本願商標の構成中「MAGGIE」の文字部分と引用商標3、4及び7の構成中「マギー」の文字部分並びに引用商標5及び6とを比較すると、外観においては、両者は相違するものであるが、称呼においては、両者は「マギー」の称呼を共通にするものであり、また、両者はいずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において区別することはできない。
ところで、商標の構成文字を片仮名及びローマ字の相互に変更することが一般に行われていることからすれば、特定の観念を有しない文字商標においては、観念において商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引にあたることが少なくないというのが相当であるから、そのような商標の類否判断においては称呼が重要な役割を果たすといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標3ないし7との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、前記取引の実情を考慮すれば、外観において相違するとしても、観念において明確に区別できず、取引上重要な役割を果たす称呼において「マギー」の称呼を共通にする両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
カ 本願の指定商品と引用商標の指定商品又は指定役務との類否について
「『wind jackets』及びユニホーム用の『stockings』」を除いた本願の指定商品は、引用商標1ないし6の指定商品中「被服」の範ちゅうに含まれる商品であり、また、本願の指定商品中「wind jackets」及びユニホーム用の「stockings」は、引用商標7の指定商品中「運動用特殊衣服」の範ちゅうに含まれる商品である。
さらに、「『wind jackets』及びユニホーム用の『stockings』」を除いた本願の指定商品と引用商標8の指定役務中「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とを比較すると、該商品の販売と該役務の提供は同一の事業者によって行われるものであり、該商品の販売場所と該役務の提供場所は一致し、両者の需要者の範囲も一致するものであるから、両者は類似のものと判断するのが相当である。
キ さらに、本願商標と引用商標とが出所の混同を生じないというべき取引の実情は見いだせない。
ク したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標から「マギーという女性の名前」といった観念が生じる旨主張している。
しかしながら、たとえ「MAGGIE」の語が「マギーという女性の名前」を表す英単語であるとしても、該語が我が国において一般に親しまれた英単語であるとは認められないから、本願商標からは、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
イ 請求人は、本願商標は、比較的若者向けのカジュアルファッションブランドとして展開を進める予定であり、引用商標は、銀座を代表する高級婦人服メーカーであり、両者の対象とする需要者層は明らかに異なっており、明らかに区別することができる旨主張している。
ところで、請求人の主張によれば、本願商標は、我が国においてはまだ使用されていないものと認められる。
そうとすれば、本願商標と引用商標とが共に使用され、これらに接する取引者、需要者がそれぞれの商標として明確に区別し認識しているといった取引の実情は認められないから、前記(1)のとおり判断するのが相当である。
(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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