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Trademark Appeal Case

色彩表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−9457(T2014−9457/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は,「Lovely Pink」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなり,第16類及び第18類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし,平成25年7月11日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同26年1月16日付けの手続補正書をもって,第16類「書道道具入れ,硯,墨,墨汁,毛筆,筆置き,文鎮,下敷き,文房具類,書道用半紙,その他の紙類」及び第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は,「本願商標は,『Lovely Pink』の欧文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ,その構成文字に相応して,『美しい桃色(ピンク色)』又は『かわいらし桃色(ピンク色)』程度の意味合いを容易に認識することができる。さらに,『lovely pink』又は『ラブリーピンク』の文字が,本願の指定商品中の『ポーチ,シャープペンシル』について,色彩を表示するものとして使用されている事例も見受けることができる。そうすると,本願商標を,その指定商品中の例えば『ポーチ等のかばん類,袋物,シャープペンシル等の文房具類』について使用するときは,これに接する取引者,需要者が,その商品の品質(色彩)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。したがって,本願商標は,その指定商品中『ピンク色(ラブリーピンク色)の商品』について使用するときは,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

平成27年3月3日付け証拠調べ通知書により,別掲のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるとして,期間を指定して,これに対する意見を求めた。

第4 証拠調べ通知に対する請求人の意見

請求人は,上記3の証拠調べ通知に対して,平成27年4月14日付けの意見書において,以下のように述べている。

「Lovely Pink」(かわいらしい桃色)がどのような色合いなのか,明るい桃色なのか,きらびやかな桃色なのか,くすんだ桃色なのか,濃い桃色なのか,薄い桃色なのかが全く不明であり,これに接する需要者又は取引者によって千差万別であり,個人の感覚によって大きく左右されるものである。そのため,本願商標の構成する「Lovely Pink」の文字が具体的にどのような桃色を指称するのかが不明確であるから,本願商標は,本願指定商品の品質等の内容を直接的,かつ,具体的に表示するものではなく,自他商品の識別標識として十分に機能するものである。

また,インターネット上で使用されている事実があることのみをもって,本願商標を拒絶するとの判断は到底是認できない。インターネット上のウェブサイトは,その情報の掲載・改変・消去が恣意的に,かつ,容易に行われるものであり,その情報の信頼性は辞典・辞書類等と比べても著しく劣り,極めて不安定なものである。それゆえ,単にウェブサイト上に本願商標に関する情報が掲載されていたからといって,それのみをもって本願商標が自他商品の識別標識としての機能を発揮しうるか否かを判断することは法的安定性を著しく欠くものである。

したがって,本願商標は,本願指定商品との関係においても自他商品の識別機能を十分に発揮し得るものである。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号について

本願商標は,前記第1のとおり,「Lovely Pink」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ,別掲の証拠調べ通知のとおり,「Lovely Pink」及びその片仮名表記である「ラブリーピンク」の語が,本願の指定商品中,「文房具,かばん,袋物」のみならず,前記以外の商品を取り扱う業界においても,ピンク系の色彩の商品について,商品の色彩を表す語として普通に使用され,市場に流通している事実が見られる。

そうすると,本願商標を,その指定商品に使用する場合は,これに接した取引者,需要者は,当該商品の品質(色彩)を表示するものとして認識するにとどまるとみるのが相当あるから,本願商標は,自他商品の識別機能を有しないというべきである。

また,本願商標を,ピンク系の色彩の商品以外の色彩の商品に使用するときは,商品の品質(色彩)の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

2 別掲の証拠調べ通知に対する請求人の主張について

(1)請求人は,「Lovely Pink」の文字からなる商標が,具体的な色彩を指称するものでないから,本願商標は,識別力を有し商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない旨主張する。

しかしながら,商標法第3条第1項3第号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,このような商標は,商品の産地,販売地その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁〔判例時報927号233頁〕参照)。そして,「Lovely Pink」の文字は,本願指定商品中,「文房具,かばん,袋物」を含む様々な商品の分野において,商品の色彩がピンク系であること表示するものとして,普通に使用されていることは,前記1のとおりであるから,請求人の主張は採用することができない。

(2)請求人は,インターネットのウェブサイトに記載された事実は,その情報の掲載・改変等が容易に行われるものであるから,それのみをもって本願商標が自他商品の識別標識としての機能を発揮しうるか否かを判断することは法的安定性を欠くものである旨主張する。

しかしながら,当合議体が証拠調べ通知において示したウェブサイトの掲載情報は,当該通知を行う直前に,特許庁においてインターネットに接続して入手した情報に基づくものである。当該情報は,企業を含む複数の者により掲載されたものであり,その内容は,それらの者の取り扱いに係る商品の紹介や宣伝等の実際の取引の実情を含むものである。商標が識別力を有するか否かの判断は,査定時又は審決時において,これらの取引の実情を勘案し,その指定商品の取引者,需要者の認識を基準として,商標とその指定商品との関係において個別具体的に判断すべきであるから,請求人の主張は採用することができない。

3 むすび

以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,これを理由に本願を拒絶した原査定は,取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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