sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消の使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2014−300932(T2014−300932/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5451415号商標の指定商品中、第3類「せっけん類,化粧品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5451415号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成23年4月26日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同年11月18日に設定登録されたものである。

そして、本件審判請求の登録は、同26年12月10日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標について、その指定商品中の第3類「せっけん類,化粧品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、その指定商品中の第3類『せっけん類,化粧品』について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がない。」旨主張し、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

なお、請求人は、下記第3の被請求人の答弁に対しては、弁駁していない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第25号証を提出した。

1 本件商標の使用の事実について

本件商標は、以下のとおり、通常使用権者により、指定商品中の「せっけん類,化粧品」について、本件審判請求の予告登録日以前の3年以内に使用されている。

(1)商標の使用者

被請求人は、2014年11月1日からの1年間、株式会社ときわ商会(以下、「ときわ商会」という。)との間において、本件商標の商品「シャンプー、ヘアトリートメント」における使用ついて、商標使用許諾契約書をもって通常使用権許諾の契約を締結している(乙第1号証)。

(2)容器本体写真について

乙第2号証及び乙第3号証は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー及びヘアトリートメントの写真であるところ、そのシャンプー及びヘアトリートメント(以下「本件商品」という。)は、2014年12月15日には、既に発売されている。

(3)化粧品製造販売届書について

乙第4号証及び乙第5号証は、平成26年11月21日に株式会社理創化研(以下「理創化研」という。)が兵庫県知事宛てに提出した本件商品を製造販売するための化粧品製造販売届書の写しであるところ、販売名欄には各々「アミノマスター モイストリッチシャンプー」「アミノマスター モイストリッチヘアトリートメント」と記載されている。

また、販売されている商品「シャンプー」及び「ヘアトリートメント」は、請求に係る指定商品「せっけん類,化粧品」に含まれるものである。

なお、該届書を提出した理創化研と通常使用権者との関係は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー及びヘアトリートメントの容器本体裏面のラベルの写し(乙第6号証及び乙第7号証)に「発売元:株式会社ときわ商会、製造販売元:株式会社理創化研」と記載されているとおり、本件商品の発売元と製造販売元という関係である。

(4)広告動画での使用について

乙第8号証は、インターネット検索における「シャンプー&トリートメント 高森」の語の検索結果写しであり、検索結果において「【高森氏インタビュー】19種類のアミノ酸配合『アミノマスターシャンプー&トリートメント編』」と題するYouTubeの動画付のウェブサイトが最上位に検索される(乙第9号証)。該ウェブサイトにおいては、インタビューを受ける高森氏の傍らに乙第2号証及び乙第3号証と同一の商品が撮影されている。上記画面下段には「2014/11/16に公開」と記載されており、上記動画が遅くとも2014年11月16日には一般公開された事実が証明されるものである。

当ウェブサイトは、発売元であるときわ商会がアップロードした広告である。該広告動画内容は、高森氏が、主に商品の使用感について述べているものであるが、動画内では「モイストリッッチ ヘアトリートメント」の音声、及び同氏が「モイストリッチ トリートメント」と述べている事実が聴取できる。

(5)容器ラベルについて

乙第11号証は、本件商標と社会通念上同一の商標が付されたシャンプー及びヘアトリートメントの容器本体に貼付されるラベルの写しである。

次に、乙第12号証は2014年11月10日に、乙第13号証は同年11月12日に、ときわ商会から三恵印刷工業株式会社(以下「三恵印刷工業」という。)宛に上記ラベルデータを入稿した際の依頼メールの写しである。

そして、乙第14号証は、2014年11月20日に三恵印刷工業よりときわ商会に同ラベルが納品された際の納品書の写しであり、商品名欄に「アミノマスター モイストリッチシャンプー」及び「アミノマスターモイストリッチヘアトリートメント」の文字が記載されている。

(6)容器発注について

乙第15号証は2014年10月31日に、乙第16号証は同年11月7日に、乙第17号証は同年11月26日に、ときわ商会からOEM取引先である株式会社ワイマック宛に商品容器の作成を発注した際の発注書写しである。

(7)店頭写真について

乙第18号証及び乙第19号証は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー及びヘアトリートメントが販売されている店頭写真の写しであるところ、その写真は、健康・美容専門店の店頭写真であり、2014年12月16日に撮影されたものである。

(8)納品書について

乙第20号証は、株式会社ワイマック ジュエルコスメティックスからときわ商会宛に本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー、ヘアトリートメントが納品された際の納品書(請求明細)写しであるところ、伝票の「コード・商品名欄」には「pt2−101/<OEM>アミノマスター モイストリッチシャンプー(500ml)」及び「pt2−102/<OEM>アミノマスター モイストリッチトリートメント(500g)」と記載され、日付は平成26年12月10日であり、該伝票にも本件商標と社会通念上同一の商標が記されている。

(9)リーフレットについて

乙第21号証は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー、ヘアトリートメントを紹介したリーフレットの写しである。そして、乙第22号証は、株式会社プリントパックよりときわ商会宛に該リーフレットが納品された際の領収書(納品書)の写しである。

(10)アテンションシールについて

乙第23号証は、2014年12月9日に三恵印刷工業よりときわ商会宛に、本件商品に貼付するアテンションシールが納品された際の納品書写しである。

(11)具体的な使用計画について

本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー、ヘアトリートメントについては、本来、2014年11月末頃には小売店への納品を計画していたが、商品製造につき製造所等の調整が難航し、さらにラベルデザインの決定迄の期間が予定より時間を要したため、2014年12月の市場投入となった。

(12)小括

上記のとおりであるから、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標を、通常使用権者が本件商標の請求に係る指定商品について、本件審判請求の登録前3年以内において使用していたことは明白である。

2 請求人適格について

本件審判請求については、その請求人適格について疑問を呈さざるを得ない。

請求人は、特許事務所を経営する弁理士であるところ(乙第25号証)、本件審判の請求に係る商品「せっけん類,化粧品」について業として製造や販売を行うことが観念できず、また、被請求人が調べ得る限りにおいて副業で行っていることは確認できなかった。

商標法第50条第1項に基づく取消審判の請求人適格については、法文上、何人にも認められてはいるものの、その条文の趣旨を考慮すると本件審判請求は権利濫用に該当するものである。本来的に、その商標の使用を欲する者が商標の不使用に基づく取消審判を請求することが想定されるものであり、請求人のように化粧品の製造、販売を行う予定のない者が審判請求を行い、本件商標を取り消す目的が不明である。

さらに、請求人は本件審判請求の他、被請求人に対して11件の取消審判を請求しているが、これらの審判請求に係る全ての商標と同一又は類似する商標について、請求人が使用を欲しているとは到底考え難く、被請求人を害する目的で本件審判請求を行っていると推測されても致し方ないものであり、本件審判請求はまさに権利濫用に当たり許されるべきものではない。

また、別の観点からは、本件審判に関しては請求人の個人名で請求されているとはいえ、上記のような審判制度の濫用に関しては、弁理士法第29条の点からも疑問を呈さざるを得ない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー及びヘアトリートメントについては、通常使用権者により本件審判請求がなされる以前の2014年10月より具体的な使用計画が進められ、2014年12月15日より販売開始されていることは明白である。

さらに、本件審判請求は、請求人による権利濫用に当たるものであり、認められるものではない。

よって、本件商標は商標法第50条第1項に該当するものではない。

第4 当審の判断

1 請求人適格(請求人による権利濫用)について

被請求人は、請求人について、本件審判の請求に係る商品「せっけん類,化粧品」について業として製造や販売を行うことが確認できなかったこと、請求人が被請求人に対して本件審判の請求のほか、11件の取消審判の請求を行っており、これら全ての商標と同一又は類似の商標の使用を欲しているとは考え難いことをあげて、本件審判の請求は、請求人適格に疑問があり、請求人による権利濫用に当たると主張しているので、以下、その主張について検討する。

(1)商標法第50条第1項について

商標法第50条第1項は、「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標・・・の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」と規定している。

上記規定は、平成8年法律第68号によって改正されたものであるところ、その改正の趣旨は、改正前の商標法において、登録商標の不使用による取消審判の請求人適格について明示の規定がなかったことから、その反対解釈として、利害関係人に限って同審判を請求することができると解される余地が存在していたのを、「何人」にも認めることとし,その旨を法文上明示したものと解される。

したがって、登録商標の不使用による取消審判の請求が、専ら被請求人を害することを目的としていると認められる場合などの特段の事情がない限り、当該請求が権利の濫用となることはないと解するのが相当である(平成20年6月26日判決言渡 平成20年(行ケ)第10025号 知的財産高等裁判所 参照)。

(2)本件審判請求について

商標法第50条第1項は、上記(1)のとおり、平成8年法律第68号の改正によって、利害関係人に限られることなく、何人も請求できるように改正された以上、商標法第50条第1項の不使用による取消審判請求をするためには、例えば、請求人が必ず指定商品に係る業務を行っている必要があるとはいえないのであるから、被請求人の主張のとおり、仮に、請求人が本件審判の請求に係る商品「せっけん類,化粧品」について業として製造や販売を行うことが確認できなかったとしても、それをもって、直ちに、請求人による権利濫用に当たるということはできない。

同じく、商標法第50条第1項が利害関係人に限られることなく、何人も請求できるように改正された以上、商標法第50条第1項の不使用による取消審判請求をするためには、登録商標と同一又は類似の商標を必ず使用しようとしている必要があるともいえないものであるから、請求人が本件審判の請求のほか、11件の取消審判の請求を行っており、これら全ての商標と同一又は類似の商標の使用を欲しているとは考え難いとの被請求人の主張をもって、直ちに、請求人による権利濫用に当たるということもできない。

加えて、請求人が取消審判を請求している登録商標は、いずれも、せっけん類や、化粧品に関連する「RICH」又は「リッチ」の文字を含む商標であるから、取消審判請求の数が多いからといって、直ちに当該登録商標の取消しを求める理由が被請求人を害することであると断じることもできない。

そのほか、被請求人は、請求人が被請求人を害する目的を有していることを具体的に明らかにするところもない。

そうすると、本件審判請求は、請求人の権利濫用に当たるということはできない。

2 本件商標の使用について

(1)商標法第50条第2項について

商標法第50条第1項の不使用商標の取消審判については、同法第50条第2項の規定により、登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたときを除き、審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品にかかる商標登録の取消しを免れないとされている。

そして、本件審判の請求は、上記第1のとおり、平成26年12月10日に登録されているから、その要証期間は、平成23年12月10日ないし同26年12月9日である。

(2)被請求人の答弁の全趣旨及び提出に係る乙号証に徴すれば、以下を認めることができる。

ア 商標の使用者

乙第1号証は、本件商標の商標使用許諾契約書であるところ、同号証によれば、2014年11月1日付けで、甲を被請求人、乙をときわ商会とし、その第1条(使用許諾及び権利不行使)の第1項には「甲は、乙に対し、以下の範囲内において本件商標の通常使用権を許諾する。」とあり、その範囲を「(1)対象商品:シャンプー,ヘアトリートメント」、「(2)対象地域:日本国全域」及び「(3)許諾期間:本契約締結の日から1年間」としている。

イ 製造販売元と化粧品製造販売届書

乙第6号証及び乙第7号証は、容器の裏面のラベルの写真の写しであるところ、同号証によれば、発売元としてときわ商会、製造販売元として理創化研が記載されている。そして、乙第4号証及び乙第5号証によれば、理創化研が平成26年11月21日に兵庫県知事に対して化粧品製造販売届書を提出している。

ウ 商品の販売

(ア)乙第2号証及び乙第3号証は、容器の正面のラベルの写真の写しであるところ、同号証によれば、容器の正面のラベルには「SHAMPOO」又は「TREATMENT」の文字とともに、「Moist Rich」の文字が表示されており、また、容器の裏面のラベルの写真の写しである乙第6号証及び乙第7号証によれば、「モイストリッチシャンプー」又は「モイストリッチヘアトリートメント」の文字が表示されている。

(イ)乙第20号証は、「(株)ワイマック ジュエル・コスメティックス」から「株式会社ときわ商会」に宛てた納品書(請求明細)の写しであるところ、「26年12月10日」の日付とともに、「コード・商品名」の欄に、「〈OEM〉アミノマスター モイストリッチシャンプー(500ml)」及び「〈OEM〉アミノマスター モイストリッチトリートメント(500ml)」の記載があり、「上記の通り納品致しますので、ご査収下さい。」の文言が記載されている。

(ウ)乙第18号証及び乙第19号証は、店頭写真の写しであるところ、値札に「アミノマスター モイストリッチシャンプー」と思しき文字の表示がうかがわれるとしても、全体として写真が明確でなく、同号証をもっては、陳列されている商品に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されていることまでは確認することはできない。そして、被請求人は、その写真の撮影時期について、答弁書4頁の26行目及び27行目において、「2014年12月16日に撮影されたものである。」と述べている。

(エ)被請求人は、商品の販売開始時期について、答弁書の2頁の14行目ないし16行目において、「本件シャンプー及びヘアトリートメント(以下・・・)については2014年12月15日には、既に発売されている。」と、また、8頁の4行目ないし8行目において、「本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が付されたシャンプー及びヘアトリートメントについては、通常使用権者により・・・2014年12月15日より発売開始されていることは明白である。」と述べている。

エ 商品のリーフレット等

(ア)乙第21号証は、シャンプー及びヘアトリートメントを紹介したリーフレットの写しであり、その1枚目の左側の2つの商品の写真には、ラベルに「SHAMPOO」又は「TREATMENT」の文字とともに、「Moist Rich」の文字が表示され、その写真の下段には、「アミノマスター モイストリッチシャンプー」及び「アミノマスター モイストリッチヘアトリートメント」の文字が表示されていることが認められる。そして、乙第22号証は、乙第21号証のリーフレットがときわ商会に納品された際のときわ商会宛の領収書(納品書)の写しであるところ、「2014年12月14日」の日付とともに、「ご依頼いただきました件、次の通り納品いたします。」の文言が記載されている。

(イ)乙第23号証は、アテンションシール(消費者の視線を集めるために商品に貼り付けるシールと認められる。)がときわ商会に納品された際の納品書の写しであるところ、「日付」の欄に「2014/12/09」の日付とともに、「上記の通り納品致します。」の文言が記載されている。なお、該アテンションシールが乙第2号証に表示されているものならば、該アテンションシールに本件商標と社会通念上同一と認められる商標は表示されていない。

オ 広告動画

乙第9号証は、「【高森氏インタビュー】19種類のアミノ酸配合『アミノマスターシャンプー&トリートメント編』」と題するウェブサイトの写し

であるところ、「2014/11/16に公開」の文字があり、男性の傍らに容器が置かれている写真が掲載されているが、その容器に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されていることまでは確認することはできない。その他、同号証に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を見いだすこともできない。

(3)上記(2)で認定した事実によれば、以下のことが認められる。

ア 商標権者は、ときわ商会に対し、本件商標のシャンプー及びヘアトリ

ートメントについて、2014年11月1日から1年間の間、通常使用権を許諾している。

イ ときわ商会は、シャンプー及びヘアトリートメントについて、容器のラベルに「Moist Rich」の文字並びに「モイストリッチシャンプー」又は「モイストリッチヘアトリートメント」の文字を表示し、商品の販売をしようとしていたところ、該文字は本件商標と社会通念上同一と認め得るものではあるが、OEM取引先である「(株)ワイマック ジュエル・コスメティックス」から該商品の最初の納品があったのは平成26年12月10日であり、また、当該シャンプー及びヘアトリートメントのリーフレットの納品があったのは平成26年12月14日であった。

そして、被請求人は、答弁書において、自ら、商品の販売が開始されたのは2014年12月15日であると述べ、乙第18号証及び乙第19号証の商品が展示されている店頭写真も、2014年12月16日の撮影であると述べているところ、その販売開始日や、納品日、写真の撮影日は、いずれも要証期間に当たらないものである。

ウ ときわ商会がアップロードした広告であるとする乙第9号証についても、「2014/11/16に公開」の文字が表示されているが、該期日は、兵庫県知事に化粧品製造販売届書さえ提出していない時期である。しかも、そもそも、同号証には、「アミノマスターシャンプー&トリートメント」の文字は表示されているが、本件商標を見いだすことはできない。また、男性の傍らに容器が置かれている写真が掲載されているが、小さく、鮮明でないため、看者がその容器に付されている商標までを確認できるとは考え難いといわざるを得ない。さらに、被請求人は、動画内で「モイストリッチ ヘアトリートメント」や「モイストリッチ トリートメント」と述べている事実が聴取できる旨主張するが、本件商標は、文字によって構成されるものであるから、音声によってその称呼を述べても、文字からなる商標の使用には該当しない。

エ その他、本件商標が、要証期間内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その請求に係る指定商品「せっけん類,化粧品」のいずれかについて使用されていたとしなければならない証拠の提出はない。

(4)したがって、被請求人提出の乙号証をもって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を、その請求に係る指定商品について使用しているということはできない。

なお、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があったとは主張していない。

3 むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を、その請求に係る指定商品について使用していることを証明したものとはいえず、かつ、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があったということもできない。

また、請求人による本件審判の請求は、権利濫用ということもできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。