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Trademark Appeal Case

著名な芸名の現存性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−6769(T2014−6769/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類「加工果実」、第31類「果実,野菜,種子類,木,苗木,盆栽」及び第32類「果実飲料(アルコール分を含まないもの),ミネラルウォーター,炭酸水,シロップ,その他の清涼飲料」を指定商品として、平成25年2月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『Pink Lady』の文字を有してなるところ、これは、根本美鶴代と増田恵子(本名:桑木啓子(旧姓:増田))からなる女性歌手グループ名として著名な名称『ピンク・レディー』の英語表記よりなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲のとおり、ピンク色のハート形様の図形の内部に、白抜きでやや装飾を施した筆記体により「Pink」及び「Lady」の欧文字を二段に書してなる構成からなるものである。

(2)女性歌手グループ「ピンク・レディー」について

「ピンク・レディー」は、「ミー」こと「根本美鶴代」及び「ケイ」こと「増田恵子」の二人で構成される女性歌手グループの名称であって、その活動に際しては「ピンク・レディー」の名称が使用されていたが、一部の楽曲のレコードジャケット等では、「PinkLady」の欧文字表記が使用されていたことが認められる。

そして、この女性歌手グループは、1976年(昭和51年)にデビュー後、複数の作品(楽曲)をヒットさせ、テレビ出演、音楽ライブ等の音楽活動を行って人気を博していたが、1981年(昭和56年)3月31日に後楽園球場で開催されたコンサートを最後にグループは解散している。また、この解散の事実は、多くのマスメディア等で取り上げられ、広く知られた事実となっているものである。

解散後は、期間限定の再結成が数回行われており、2010年(平成22年)に永続的な活動再開を表明し、それから2012年(平成24年)1月までの間に、数回のテレビ出演等を行っていたことが確認できるものの、2012年(平成24年)2月以降は、該女性歌手グループとして具体的な活動が確認できず、現在においても、音楽活動等が行われている具体的な事実は確認できない。

(3)商標法第4条第1項第8号該当性について

商標法第4条第1項第8号については、「8号が,他人の肖像又は他人の氏名,名称,著名な略称等を含む商標は,その他人の承諾を得ているものを除き,登録商標を受けることができないと規定した趣旨は,人(法人等の団体を含む。以下同じ。)の肖像,氏名,名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される。」(最高裁平成16年(行ヒ)343)ものであるから、本号が適用されるには、保護すべき人格的利益が存在していることが前提であり、判断基準時である査定時及び審決時において、その他人が現存していることが不可欠である。

そこで、「ピンク・レディー」についてみるに、女性歌手グループとしての「ピンク・レディー」は、上記(2)のとおり、1981年(昭和56年)3月31日のコンサートをもってグループが解散したことは周知の事実であり、解散後は「ピンク・レディー」として継続的、実質的に芸能活動を行っているとはいえないものである。また、現在においても、具体的な芸能活動を行っている事実は確認できないし、活動していると一般に広く知られているともいえない。

してみると、「ピンク・レディー」は、本願商標の判断基準時である審決時において、現存している女性歌手グループとはいえないし、現存しないものと認識されているというのが相当であるから、「他人の著名な芸名」に該当しないといわなければならない。

したがって、本願商標は、他人の著名な芸名を含む商標にあたるということはできないから、商標法第4条第1項第8号に該当するものということはできない。

(4)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するものとした原査定は、取り消しを免れない。

その他、本願についての拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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