Trademark Appeal Case
称呼の共通性と外観の相違
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−531(T2015−531/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「KNOX」の欧文字を標準文字で表してなり,第16類「手帳」を指定商品とし,平成26年5月7日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第4840748号商標(以下「引用商標」という。)は,「ノックス」の片仮名を標準文字で表してなり,平成16年7月26日に登録出願,第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製包装用容器,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く),紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として,同17年2月25日に設定登録されたものである。その後,商標権の一部取消審判により,指定商品中,「紙類,印刷物」については,登録は取り消す旨の審決がなされ,その確定登録が同24年8月17日になされ,現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,「KNOX」の欧文字を標準文字で表してなるところ,当該欧文字は英語辞書に,西欧人の姓を表すものとして「1(William) Frank(lin),(1874−1944):米国の新聞経営者. 2 Henry,(1750−1806):米国独立戦争時の将軍;初代陸軍長官.」等(小学館 ランダムハウス英和辞典 第2版)の記載がみられるものの,いずれの者も我が国において親しまれているとは認められないから,当該欧文字が西欧人の姓を表すものと一般に認識されているとはいい難いものである。そうすると,本願商標は,特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるというのが相当である。
そして,特定の語義を有しない造語にあっては,我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であり,英語には,例えば,「knife」を「ナイフ」,「knight」を「ナイト」のように,発音上「K」の文字を読まない「黙字」(silent letters)という発音方法があることから,本願商標は,その例に倣って「KNOX」の欧文字からは,「ノックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,前記2のとおり,「ノックス」の片仮名を標準文字で表してなるところ,当該文字は,「(nitrogen oxides)窒素酸化物のこと。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有する語であるものの,引用商標の指定商品は,前記2のとおり,事務用の機械,事務用品,紙類及び文房具等であるから,例えば自動車や内燃機関等のように窒素酸化物を排出するような機械等の「窒素酸化物」に関連する商品ということはできず,引用商標の指定商品との関係においては,当該片仮名が「窒素酸化物」の意味を看取させるものとはいい難いものである。そうすると,引用商標は,特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものというのが相当である。
したがって,引用商標は,「ノックス」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標とは,前記(1)及び(2)のとおり,「ノックス」の称呼を共通にするものである。
イ そして,前記(1)及び(2)のとおり,本願商標及び引用商標は特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものというのが相当であるから,両者は観念においては比較できないものである。
ウ さらに,本願商標と引用商標の外観を比較すると,本願商標と引用商標は,共に標準文字によって表されているものであるから,特徴的な外観の相違はないというべきである。
エ 以上よりすれば,本願商標と引用商標とは,「ノックス」の称呼を共通にするものであって,当該称呼の共通性を否定するに足りる特徴的な外観,観念上の相違はないというべきであるから,両者は,互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
オ 本願商標の指定商品「手帳」は,通常,文房具店で販売されるものであって,同じく,通常,文房具店で販売される引用商標の指定商品中の「文房具類」とは,生産部門,販売部門及び用途等を共通にするものであるから,本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は,同一又は類似するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は,出願人の商品「手帳」は,書きやすさ,使いやすさとともにデザインが重視され,手帳のデザインの一部をなす商標の外観が重視される旨主張する。
確かに,請求人が提出する取引の実情として提出された雑誌には,「表紙のデザインは自分の好きな色や素材で,使うのが楽しくなるようなデザインを選ぶのが基本です」(甲第14号証)の記載,「Q 手帳を選ぶ際のポイントを教えてください。」の質問の回答として「6位 カバーの装丁」(甲第15号証)の記載,「手帳100冊 書き比べ総選挙!」の見出しのもと「100冊以上という冊数もありますが、やはり試し書きをしたり、実際に触ったりできるのが、この大会の醍醐味だと思います。」(甲第16号証)の記載及び「1年間持つので、表紙のデザインに納得できるかも大事ですね。」(甲第17号証)の記載が認められる。
しかしながら,これらはいずれも手帳の選択に際しての表装及び外装等のデザインに関する記載であって,これらをもって,商品「手帳」の取引に際して,商標の外観が重視されるということはできない。
そして,本願の指定商品が常に商標を視覚で認識する取引形態であるとしても,一概に,称呼,観念よりも外観を重視すべきものとまではいえないから,請求人の主張は,採用できない。
(5)まとめ
以上のとおりであるから,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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