Trademark Appeal Case
成分名と効能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−19707(T2014−19707/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、上段に「ロキソプロフェン」の文字を、下段に「クイック」の文字を書してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年12月28日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審において、同26年6月19日付け手続補正書により、第5類「ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『ロキソプロフェン』及び『クイック』の文字を普通に用いられる書体で二段に表してなるところ、薬剤を取り扱う分野において、構成中の『ロキソプロフェン』の文字部分は鎮痛・抗炎症・解熱剤として用いられる『ロキソプロフェンナトリウム水和物』を意味するものであり、『クイック』の文字部分は『迅速な。速い。即座に。』を意味する英語『QUICK』の表音表示と認められるものであるから、本願商標全体からは『迅速なロキソプロフェンナトリウム水和物』程の意味合いを容易に理解させる。そうすると、本願商標をその指定商品中、上記文字に照応する商品(例えば『即効性のあるロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤』)に使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質、効能等を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『迅速なロキソプロフェンナトリウム水和物』に照応しない指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ロキソプロフェン」の文字を上段に、「クイック」の文字を下段に、普通に用いられる方法で書してなるものである。
そして、「ロキソプロフェン」の文字は、別掲1のとおり、世界保健機構(WHO:World Health Organization)が定める医薬品の国際一般的名称 (INN:International Nonproprietary Names)に登録されている、「loxoprofen」の表音と理解させるものである。
そうすると、本願商標の構成中、上段の「ロキソプロフェン」の文字部分は、本願商標の指定商品との関係において、医薬品の名称を表したものと認識させるというのが相当である。
次に、「クイック」の文字は、「迅速な、すばやい」を意味する英語「quick」の表音として一般に知られているところ、別掲2のとおり、指定商品を取り扱う分野において、「quick」及び「クイック」の各文字が「即効」「速く効く」等の意味合いを認識させるものとして、使用されている事実が認められる。
また、本願商標の指定商品である「ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤」について、別掲3のとおり、「速効性」「速く効く」等の効能がある旨の記載がされている事実も認められるものである。
そうすると、本願商標の構成中、下段の「クイック」の文字部分は、本願商標の指定商品との関係において、「速効性がある」程の意味合いを理解、認識させるものである。
以上のことから、本願商標は、これをその指定商品に使用する場合には、これに接する取引者、需要者は、「ロキソプロフェンを配合した、速効性がある薬剤」であることを表したものと認識するにとどまるとみるのが相当であって、商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、成分名に「クイック」の文字を結合してなる独特な態様であり、補正後の指定商品との関係で、品質・効能表示として用いられている事例を見いだせない旨を主張しているが、本願商標は、「ロキソプロフェン」の文字及び「クイック」の文字を二段に表したものであり、上記のとおり、指定商品の分野においては、「quick」及び「クイック」の文字が「即効」「速く効く」等の意味合いを認識させるものとして使用され、かつ、本願商標の指定商品である「ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した薬剤」に「速効性」「速く効く」等の効能があるという事情をも考慮すれば、取引者、需要者においては、単に商品の品質、効能を表したものと認識するとしかいえないものである。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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