Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−6421(T2015−6421/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成26年2月14日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同年7月22日付け及び当審における同27年4月6日付けの手続補正書により、第35類「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(パチンコ遊戯機設置用の棚,敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),畳類,人工芝,壁紙の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供を除く。)」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4554011号商標(以下「引用商標」という。)は、「宝島」の文字を標準文字で表してなり、平成13年2月13日に登録出願、第20類「家具」を指定商品として、同14年3月22日に設定登録されたものであり、その後、同23年11月8日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「びっくり」の文字を青色の縁取りをした赤色で書し、その下に、「倉庫」の文字を青色で書し、その右方に、角の丸い青色の矩形の中に、他の文字に比べて大きな文字で、ややデザイン化した「宝島」(「宝」の「、」の部分は、赤色の星図形)の文字を黄色で表してなり、前述の「びっくり」と「倉庫」の文字部分との間には、緑色のヤシの木様の図形を配した構成からなるものである。
そして、本願商標は、その構成中の右部分の、「宝島」の文字が、上記のとおり、看者の注意を強く惹くように、青色地に黄色の太字をもって、大きく顕著に表されていることから、自他役務の識別標識として、看者に強く支配的な印象を与えるものというのが自然であり、外観上、常に一体不可分のものとしてのみ認識されるものとはいえないというのが相当である。
また、その構成中「びっくり」の文字は「不意のできごとに驚くさま。」等の意味を有し、「倉庫」の文字は、「貨物を貯蔵・保管するための建造物」等の意味(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を有し、「宝島」の文字は、「宝のある島」程の意味合いを想起させる語といえるものであるところ、その構成文字全体をもって特定の意味合いを想起させるなど、特定の観念が生じるとはいい難いことから、観念上、常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとみるべき特段の事情も見あたらない。
そうとすると、本願商標は、その構成中「宝島」の部分のみを持って取引に資される場合があり、その文字に相応して、「タカラジマ」の称呼を生じ、「宝のある島」程の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、「宝島」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「タカラジマ」の称呼を生じ、「宝のある島」程の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否を検討するに、本願商標と引用商標とは、その構成全体の外観において差異はあるものの、本願商標は、その構成中に、独立して自他役務の識別標識として機能を果たす「宝島」の文字を有するものであるから、両商標は、「宝島」の文字において、外観上、互いに近似しているものである。
また、本願商標と引用商標とは、いずれもその構成中の「宝島」の文字部分に相応する「タカラジマ」の称呼を生じるものであるから、称呼を同一にするものである。
さらに、本願商標と引用商標は、「宝島」の文字部分から「宝のある島」の観念を生じるものであるから、観念を同一にするものである。
以上のことを総合勘案すれば、両商標は、外観において近似し、称呼及び観念を同一にする類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張
ア 請求人は、本願商標は、観念上の関連性の存在と外観上の一体感によって、全体として「びっくり倉庫宝島」と認識されるものであり、「宝島」の部分のみを分離抽出すべきものではない旨主張する。
しかしながら、請求人の提出した証拠において、本願商標の構成中の「宝島」部分が独立して使用されていることが窺えるものであり(甲1、甲43ないし甲45、甲47及び甲48)、例えば、甲第1号証では、本願商標と同じ構成であるが、本願商標の構成中「びっくり倉庫」の部分を、「びっくり館」の文字との組合せで使用されているものや、同号証中、配送センターの紹介において、本願商標の構成中「宝島」部分のみで使用されている。また、甲第43号証ないし第45号証には、チラシ上部に大きく顕著に表された見出しにおいて、本願商標の「宝島」部分のみで、使用されている。
そうとすると、請求人においても、本願商標を、構成全体でのみ使用しているものとはいえないから、取引者、需要者においても、本願商標を一体のものとして、見るべき特段の事情がないというべきであり、本願商標の構成中「宝島」の部分を分離抽出し、取引に資されることは、前記(1)のとおりである。
イ 請求人は、本願の指定役務の取り扱いに係る商品と、引用商標の指定商品は、「家具」であり、家具の取引形態としては、「需要者が特に注意深く選定する」商品であるから、相応の注意力を払っているのが実情であり、本願商標及び引用商標の類否判断においては、称呼以上に外観上の相違が重要であり、外観が異なる本願商標と引用商標とは相紛れるおそれはない旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、外観においても近似する商標であり、該外観の差異が、称呼及び観念の同一性を凌駕するものとはいえない。
ウ 請求人は、本願商標を使用した結果、相当程度、周知となり、引用商標とは出所の混同を生じない旨主張する。
しかしながら、登録商標の効力の範囲は日本全国に及ぶものであるところ、請求人の提出した証拠からは、請求人は、少なくとも約15年に亘って、テレビやラジオ等を使い、広告宣伝し、徳島県内において、5店舗で「家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の役務を行っていることが窺えるものの、全国的に周知されているとまでは認められない。
まして、本願商標は、その構成中「宝島」の文字部分が、取引者、需要者に対し、出所識別標識として強く印象づけられること、該部分と引用商標との類否判断が許されるものであること、そして、本願商標と引用商標とは類似する商標であること、前記(1)及び(3)のとおりであり、本願商標と引用商標とが、出所の混同を生じないものとはいい難い。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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