結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−301176(T2011−301176/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
登録第4344344号商標(以下「本件商標」という。)は、「BULLET」の文字を横書きしてなり、平成8年5月29日に登録出願、第12類「二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品(タイヤ及びチューブを除く。)」を指定商品として、平成11年12月17日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成24年1月19日である。
請求人は、商標法第50条第1項により、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書、弁駁書及び口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品(指定役務)「第12類 二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品(タイヤ及びチューブを除く。)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は、本件商標を付した上記指定商品は、「インド国の裁判所によって証された会社法の契約書に記された本件商標権者の「Transferee Company(承継会社)」である「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)によって、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)に継続的に製造され、我が国に輸出されている(乙4の1)」と主張する。
しかし、本件商標の商標登録原簿においては、本件商標権者は、「インド国、マドラス 600019、シルボッティユ、ピー・オー・ボックス5284」に所在する「アイヒャー リミテッド」と示されており、被請求人の主張する「アイヒャー モーターズ リミテッド」ではない。
よって、本件商標の使用は、当該商標権者ないしこの商標権者から本件商標の使用について使用許諾を受けた使用権者によってなされたものでなければならず、当該商標権者らによる使用の立証が必要である。
(2)この点、被請求人は、「アイヒャー モーターズ リミテッド(EicherMotors Limited)」が、本件商標権者の「Transferee Company(承継会社)」であると主張する。
しかし、乙第4号証の1の契約書には、Transferor Companyとしては、「Eicher Ltd.having its Regd. Office at Eicher house, 12, Commercial Complex. Crenter Kunilash−II,NewDelhi・・・」と示されているが、他方、上記のとおり、本件商標の商標登録原簿上、本件商標権者は、名称「アイヒャー リミテッド」、住所「インド国、マドラス 600019、シルボッティユ、ピー・オー・ボックス5284」と示されており、上記Transferor Companyと、本件商標権者の住所は全く異なっており、同一法人とは理解できない。
(3)さらに、被請求人は、「Transferee Company(承継会社)」と、「Transferee」の原文の英語を「承継」と訳しているが、この単語「transfer」は、通常、「譲渡」と理解されており、「承継」というより、むしろ、「譲渡」と訳すべきである(甲1)。
とするならば、この契約は、事業譲渡と理解でき、そうであるならば、「アイヒャー モーターズ リミテッド」が本件商標権の正当な権利者と認められるためには、同社へ、本件商標権の移転登録申請が提出され、当該登録がされていなければならない。いうまでもなく、商標権の譲渡は、登録が効力発生要件である(商標法第35条)。
(4)上記契約書は、「Eicher Ltd.」と、「Eicher Motors Ltd.」の間だけでなく、「Malbros Investments Ltd.」も当事者として加わっているように理解できるが、これらの関係は、何ら説明されていない。
(5)また、被請求人は、「その荷受元は、日本の法人『ウィングフット株式会社』(東京都墨田区石原:以下「ウィングフット」という。)である。同社は、古くから、我が国で商標『BULLET』を付したオートバイ及びその部品を販売し、広告宣伝等行う、いわゆる『輸入代理店』であって、また、我が国の商標使用権者である。」と主張する。
しかし、乙第5号証の1に示されたEXPORTERは、Eicher Motors Limitedと示されているが、その住所と、上記乙4号証の1に示されたEicher Motors Limitedの住所と異なっており、これらが同一の主体かどうかも不明である。
さらに、乙第6号証として提出された、DISTRIBUTOR AGREEMENTに示されたEicher Motors Limitedの住所も、上記乙4号証の1に示されたものと異なっている。
以上要するに、上記各証拠は、本件商標の商標登録原簿上の商標権者が自ら、又は、その使用権者が、本件商標をその指定商品について、我が国おいて使用したということを全く立証していない。
(1)被請求人の口頭審理陳述要領書の「(1)乙第4号証の1の『インド国の会社法に基づく契約書の写し』からは、いかなる契約書であるか、その内容が確認できません。」、及び「(2)乙第4号証の1の契約書において、『Eicher Ltd.』から、『Eicher Motors Ltd.』への移転が、譲渡による特定承継であるか、それとも一般承継であるか不明です。」との指摘に関して、以下のとおり反論する。
ア 「Eicher Limited」から、「Eicher Motors Limited」への移転が、仮に、インド法の事業譲渡ではなく、会社分割によるものとしても、乙第4号証の1(第3頁)に示されるように、あくまで、分割対象は、「Automobile undertaking (自動車事業)」である。
これに対して、本件商標は、その指定商品に「自動車並びにその部品及び附属品」(12A05)は、含んでいない。
よって、よしんば、両会社間に、自動車事業について会社分割が行われたとしても、本件商標がそれに基づき移転されたと解釈する合理的理由は全くない。むしろ、譲渡されるべきものではない、というべきである。
イ 乙第4号証の6の「インド会社法調査」によれば、「会社分割の手統は、合併の手続と同様である」(同114頁)、また、「合併許可命令書面が会社登記局に提出された段階で、合併に関する組織再編計画のとおり合併がなされたものとみなされる」(同150頁)と説明するが、この会社分割が上記命令書面にしたがって登記されたか否か不明である。すなわち、この会社分割が確定したものであるかどうかも不明である。
なお、被請求人は、乙第4号証の21を提出して、『承継会社「アイヒヤー モーターズ リミテッド」は、被請求人のグループ会社であって、「自動車製造・販売」等を主要目的とした企業である』とも述べるが、同書面には、日本語訳文もなく、証拠としては認められるものではない。
(2)以上述べたとおり、被請求人によって提出された追加証拠によっても、本件商標権者ないしその使用権者による本件商標の使用事実は、全く証明されていないから、本件登録は取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、答弁書、口頭審理陳述要領書(口頭審理における陳述を含む。)、上申書及び回答書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証〜乙第22号証(枝番号を含む。ただし、以下、枝番号のすべてを引用する場合は、その枝番号の記載を省略する。)を提出した。
(1)本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、通常使用権者により請求に係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品(タイヤ及びチューブを除く。)」について継続的に使用されている。
(2)本件商標「BULLET」について
本件商標の商標権者である「アイヒャーリミテッド」(Eicher Limited)は、本件商標以外に登録商標「ROYAL ENFIELD」(登録第4099438号)の商標権者である(乙2)。
そもそも商標「BULLET」は、1930年代において、英国のバイクメーカー「ロイヤルエンフィールド」社のモーターサイクルのルーツである4サイクル車の車体ブランドとして誕生した。その後いくつかの改良を重ね、1955年に新型「BULLET」の本格的な生産が始まるが、時代の趨勢とともに1962年に会社は譲渡され、英国内の商標「BULEET」の使用は中止することになる。さらには、1970年に英国の「ロイヤルエンフィールド」社は倒産することになるが、1995年にEicherGroupの資本算入により新たなインドを本拠とした「ROYAL ENFIELD」ブランドが誕生し、同ブランドの一部のオートバイ車種として、いまなお商標「BULLET」を付したオートバイは我が国で販売され続けている(乙3)。
(3)商標登録の不使用取消の要件について
商標法第50条第2項の条文に沿って、本件商標が不使用取消の対象でないものであることを説明する。
先ず、本件商標を付した上記指定商品「二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品(タイヤ及びチューブを除く。)」は、インド国の裁判所によって証された会社法の契約書に記された本件商標権者の「Transferee Company(承継会社)」である「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)」によって、本件要証期間内に継続的に製造され、我が国に輸出されている(乙4の1)。
そして、その荷受元は、日本の法人「ウィングフット」である。同社は、古くから、我が国で商標「BULLET」を付したオートバイ及びその部品を販売し、広告宣伝等を行う、いわゆる「輸入代理店」であって、また、我が国での商標使用権者である。
この事実は、使用証拠として提出するインボイス(貨物の送り状)、及び直近の「ディストリビューター アグリーメント(販売代理店契約)」によって証明されている(乙5の1ないし乙6)。
例えば、乙第5号証の1である「インボイスナンバー93002290」の日付は、2011年11月4日(右上)である。
そして、輸出者(EXPORTER)欄には、「アイヒャー モーターズ リミテッド(ElCHER MOTORS LIMITED)」(部門:ロイヤルエンフィールド(UNIT:ROYAL ENFIELD))の記載が、さらに荷受人(CONSIGNEE)欄には「ウィングフット」(M/S WING FOOT」の記載がそれぞれ確認できる。
加えて、出荷対象商品名(DESCRIPTION OF GOODS)の記載欄には「ロイヤルエンフィールドのオートバイ(ROYAL ENFIELD MOTORCYCLES)」の記載から「二輪自動車」(以下「本件商品」という。)であることが確認できる。
さらにそのすぐ下には、商標名として記載された「BULLET」、「350CC CLASSIC BLACK」等が容易に確認できる。
同様に、乙第5号証の2及び3の「インボイスナンバー93002300」「インボイスナンバー93001465」からも、該事実はそれぞれ確認できる。
さらに、今般、乙第6号証として提出する「ディストリビューター アグリーメント(販売代理店契約)」が、同書面の冒頭の記載から、上記「アイヒャー モーターズ リミテッド」と、日本の法人「ウィングフット」との間で締結されたことが確認でき、さらに後者が前者の輸入代理店であることが、同書面から確認できる。
そして、同書面の項目1の「定義(DEFINITIONS)」欄において、本契約が2010年12月2日付で販売代理店契約が締結されたことが、また、「製品(Products)」は「アイヒャー モーターズ リミテッド」が製造又は販売したオートバイや部品等であること、さらに「知的財産権(RE’s IPRs (Intellectual Property Rights))」には商標「BULLET」が含まれていることが、それぞれ確認できる。
また、同書面の項目11では、「アイヒャー モーターズ リミテッド」が使用を許諾する「知的財産権(Intellectual Property Rights)」の詳細が規定されている。
具体的には、項目11.1で、商標「BULLET」を付した「製品(Products)」について「ウィングフット」が宣伝広告、販売促進、販売を行うことができると定められていることから、「ウィングフット」が我が国における本件商標の通常使用権者であることが明らかに確認できる。
次に、本件商標が本件商品について、本件要証期間内に日本国内において、どのように使用されているかを説明する。
先ず、「アイヒャー モーターズ リミテッド」は、被請求人のブランド「ROYAL ENFIELD」の商品カタログや冊子を作成し、我が国を含む諸外国で継続的に配布している(乙7)。
そして、該カタログ・冊子中で商標「BULLET」を付した本件商品が具体的に紹介されている。
加えて、我が国では、「ウィングフット」によって、本件商標を付した本件商品を自ら、または、日本全国のオートバイディーラーによって紹介され、販売している。
(4)通常使用権者である「ウィングフット」の本件商標の使用について
同社は、ウェブサイト「ロイヤルエンフィールド専門店ウィングフット」を所有し、同サイトにおいて、本件商標が付された本件商品の販売等を行っている(乙8の1)。特に、同社の販売拠点は、上記「ディストリビューター アグリーメント」に記載された住所のみでなく、通信販売拠点として「東京都足立区鹿浜」にも店舗を構え、本件商標が付された本件商品の販売等を行っている。
同サイトのフロントページ「UCE MODEL/新車エンジンの方はこちらから」から「新車ラインナップ」が確認でき、商標「ROYAL EBFIELD BULLET 500 FEI」の表示と本件商品の画像等が確認できる。そして、本件商品のツールボックスには標章「BULLET 500」が表示されていることが確認できる(乙8の2)。ちなみに、商標「BULLET 500 EFI」の「500」部分は同商品の排気量を示すもので該部分には識別力はない。
加えて、同サイトの「Media List」欄には、取扱商品について取材を受けたオートバイ関連雑誌や関連サイト等が多数紹介されている。
中でも、「バイクの総合WEBマガジン バイクブロス・マガジンズ」の2011年7月7日号では、「ウィングフット」が提供する資料に基づき作成された記事によって、本件商標が付された本件商品が掲載され、詳細に紹介されている(乙8の3)。
さらには、同サイトの「ロイヤルエンフィールドパーツリスト」では「BULLETパーツリスト」と称された本件商品が多数紹介されている(乙8の4)。そして「※PDFファイルに表示されている価格は2011年4月4日より税込価格となりました。」とのコメントから、「BULLETパーツ」が、2011年4月4日前には、商品価格表示と消費税表示が別表示で案内されていたこと、また、そのことが2011年4月4日前から表示されていたこと、すなわち、本件商標が少なくとも2011年4月4日前から使用されていたことが明らかである。
一方、「ウィングフット」のウェブサイト「Royal Enfield/ロイヤルエンフィールド日本語公式サイト」では、「MOTERCYCLE LINEUP」の「500CC」シリーズに商標「BULLET」を付した本件商品が販売されている事実が確認できる(乙9の1)。
なお、2011年9月よりはSNS(ソーシャルネットワークサービス)の「FaceBook」でも該事実が確認できる(乙9の2)。
同サイトでは、さらに希望者には、乙第7号証で示したカタログ等が提供されている。
ちなみに、商標「BULLET 500 EFI」で確認できる「500」部分は同商品の排気量を示すもので該部分には識別力はない。また、「EFI」部分は、自動二輪車業界では普通に認識されている用語「エンジンの制御システム電子制御燃料噴射(Electronic Fuel Injection)」の略語を意味する(乙10)。
したがって、商標「BULLET 500 EFI」は、本件商標と社会通念上において同一商標に該当する。
(5)通常使用権者が自社のウェブサイトで紹介するディーラーの本件商標の使用について
上記「ウィングフット」のウェブサイト「Royal Enfield/ロイヤルエンフィールド日本語公式サイト」の「ディーラーリスト」には、本件商標を付した本件商品の販売や修理等を行う「ディーラー」が多数紹介されている(乙11)。
その中でも、東海エリアの「Empty(エンプティ)」(三重県名張市井出)のウェブサイト「GO!GO! Empty」では、「BULLET 500 EFI/待望のニューモデル!/2011/6/1より発売開始!」と紹介されており、「商品詳細」画面にて本件商標の使用状態が確認できる(乙12)。
さらに、関東エリアの「バイクショップ オカムラ」(東京都世田谷区玉川)のウェブサイト「バイクショップ オカムラ」では、「BULLET Classic 350 5LH5005LH」など本件商標を付した本件商品が多数販売されており、該サイトによっても本件商標の使用状態が確認できる(乙13)。
併せて、自ら「ロイヤルエンフィールド オフィシャル ディーラー」を称する「イージーゴーイングモーターサイクルズ」(埼玉県さいたま市緑区芝原)のウェブサイト「EG」では、「BULLET 500 EFI」など本件商標を付した本件商品が販売されており、これらのサイトによっても本件商標の使用状態が確認できる(乙14)。
さらに、本件商標の通常使用権者「ウィングフット」が取り扱う本件商標が付された本件商品について、該業界ニュースのウェブサイトでも多数紹介されている(乙15)。これらの広告やウェブサイトの写し等の証拠から、その本件商品が実際に販売されている、すなわち、実際の取引で本件商標が本件指定商品に使用(商標法第2条第3項第2号)されていることは明らかである。また、これらの広告は当然に本件商標のいわゆる広告的使用(同第8号)の事実を証明するものでもある。
(6)まとめ
これらの証拠により、本件商標は、本件商品に本件商標の通常使用権者により、本件要証期間内に継続的に我が国で実際に使用されている事実が証明されたものである。
上述のとおり、本件商標が付された本件商品が本件商標の商標権者の「Transferee Company(承継会社)」である「アイヒャー モーターズ リミテッド」により本件要証期間内に継続的に我が国に輸出され、我が国国内において通常使用権者である「ウィングフット株式会社」により、本件要証期間内に継続的に我が国で実際に使用されていることが使用証拠により証明されたものである。
(1)「乙第4号証の1の『インド国の会社法に基づく契約書の写し』(以下、「契約書」という。)からは、いかなる契約書であるか、その内容が確認できません。」との指摘について
ア 乙第4号証の1は、正確には、「被請求人と、本件商標権の『Transferee(承継会社)』である『アイヒャー モーターズ リミテッド』に下された、会社分割を含むインド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し」である。
イ また、答弁書の「7.理由」欄に記載した「(3)商標登録の不使用取消の要件について」の記述「インド国の裁判所によって証された会社法の契約書に記された本件商標権者の『Transferee Company(承継会社)』である『アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)』によって」部分(上から10行目以降)は、正確には「インド国のニューデリー・デリー高等裁判所によって下された会社分割命令に記された本件商標権の『Transferee Coipany(承継会社)』である『アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)』によって」ということになる。
これについては、追加提出する「乙第4号証の1の翻訳文(乙4の2)」及び、承継会社である「アイヒャー モーターズ リミテッド」が提出する「2012年8月22日付で署名する宣誓供述書(AFFIDAVIT)(乙4の3及び同4の4)」の内容をもって明らかである。
ウ ここで、インド国における企業合併や会社分割は、同国の会社法及び所得税法に具体的に規定されているが、承継会社及び被承継会社は、統合計画書を添えて、必ず所定の高等裁判所に対して申請書を提出し、同裁判所の命令に従ってなされる必要がある。ちなみに、2002年の会社法改正により、申請先が、裁判所(Court)から内国会社法裁定所(National Company Law Tribunal)と定められているが、同年の改正法は当該会社分割当時には施行されておらず、現在でも申請先は裁判所になっている(乙4の5ないし同4の7)。
(2)「乙第4号証の1の契約書において、『Eicher Ltd.』から『Eicher Motors Ltd.』への移転が、譲渡による特定承継であるか、それとも一般承継であるか不明です。」との指摘について
上記のとおり、「Eicher Limited」の「自動車事業部門」が「会社分割」され、同社の同事業に基づく財産等がこれに伴って「Eicher Motors Limited」に移転したため、一般承継に該当する(乙4の8、9)。
この点、インド国の会社法に基づく裁判所の命令の写し(乙4の1、2)中、「ニュー・デリーのデリー高等裁判所の命令」の中にある「1.本文書に添付した目録−IIの第一、第二および第三部に明記する被承継会社の自動車事業に関するすべての財産、権利および権能、ならびに上記被承継会社の自動車事業に関するその他すべての財産、権利および権能を、これ以外の行為または証書がなくとも承継会社に移転」する旨の記述からも、「一般承継」であることが明らかである。
ちなみに、請求人は、弁駁書において、「審判被請求人は、『Transferee Company(被承継人)』と、『Transferee』の原文の英語を『承継』と訳しているが、この単語『Transfer』は通常、『譲渡』と理解されており、『承継』というよりは、むしろ、『譲渡』と訳すべきである。」と述べている。
しかしながら、インドでは、「事業譲渡」を表す英語としては、「Business transfer」よりも「Slump sale」の語が用いられることが多く、講学上はともかく、インド所得税法第2条42C項には、「事業譲渡(Slump sale)」の意味が定義されている(乙4の5、6)。
さらに、法律上の正式な用語を用いる「裁判所の命令」での「Eicher Ltd.」から「Eicher Motors Ltd.」への事業移転が、「事業譲渡(Slump sale)」ではなく、「会社分割(Demerger)」によるものとされていることが、証拠資料「被請求人と、本件商標権の『Transferee(承継会社)』である『アイヒャー モーターズ リミテッド』に下された、会社分割を含むインド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し及びその翻訳文」(乙4の1、2)及び「承継会社である『アイヒャー モーターズ リミテッド』及び『公証人』が2012年8月22日付で署名する『宣誓供述書(AFFIDAVIT)』の写し及びその翻訳文」(乙4の3、4)から明らかである。
(3)「『アイヒャー モーターズ リミテッド』が本件商標の商標権者であることを確認できません。」との指摘について
上記(1)及び(2)で詳述したとおり、実質的には「アイヒャー モーターズ リミテッド」が本件商標の商標権者である(乙4の1〜5)。
被請求人及び「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)」は、本件商標に係る商標権を承継会社「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)」に登録簿上も移転させる予定で、現在、該商標権の移転登録申請手続きに要する諸書類を準備している。
(4)「『Malbros Investment Ltd.』についても、契約上の者として表示されているが、上記各社との関係が不明です。」との指摘について
インド国の会社法に基づく裁判所の命令の写し(乙4の1、2)中、「ニュー・デリーのデリー高等裁判所の命令」で明らかであるが、「会社の統合計画は二つの段階から成る計画であって、第一段階は、『Eicher Limited』(以下、被承継会社という)の事業の一部を会社分割して『Eicher Motors Ltd.』(以下、承継会社という)に統合すること、第二段階は、『Malbros Investments Ltd.』を『Eicher Limited』に合併させることである。」とある。
したがって、「Malbros Investments Ltd.」は、「Eicher Liraited」の「自動車事業部門」を「Eicher Motors Limited」に会社分割によって承継させた後に、「Eicher Limited」に吸収合併される企業であるため、「Eicher Limited」及び「Eicher Motors Limited」の会社分割自体に直接影響するものではない。
(5)「乙第5号証の1ないし3の『INVOICE』に記載された『EXPORTER』欄の『EICHER MORTORS LIMITED』の住所と、乙第6号証の『DISTRIBUTOR AGREEMENT』に表示された『Eicher Motors Limited』の住所は、同じであるが、それと、乙第4号証の1の『契約書』に表示された『Eicher Motors Ltd.』の住所とは相違しており、これらが同一の主体かどうか不明です。」との指摘について
「Eicher Motors Limited」の住所であるが、
(a)乙第5号証の1ないし3の「INVOICE」に記載された「Exporter」欄、及び乙第6号証の「DISTRIBUTOR AGREEMENT」に表示された住所は、「Thiruvottiyur High Road, Thiruvottiyur, Chenna-600 019, India(インド国チェンナイ600 019、ティルヴォッティユール、ティルヴォッティユール ハイ ロード)」となっている。
(b)乙第4号証の1の「インド国の会社法に基づく裁判所の合併等命令の写し」に表示された住所は、「102, Industrial Area No.1, Pithampur, District Dhar, Madhya Pradesh-454 755, India(インド国マッディヤ・プラデーシュ州−454 755タール地区ピタムプール第一工業エリア 102)」となっている。
(c)「2012年8月22日付で署名する宣誓供述書(AFFIDAVIT)(乙4の3、4)」によれば、上記(a)で説明した住所は、現時点における「主たる事業所」に該当する。この点、同社の「Royal Enfield Motors Unit(ロイヤルエンフィールドモーターズ部門)」の公式サイトや、民間の会社情報検索サイトの情報画面からも確認できる(乙4の10、11)。
(d)一方、上記(b)で説明した住所は、2004年当時の「Registered Office(登記事業所)」に該当する。現在は、同住所は同社の「工場(Factory/Plant)」になっており、登記事業所は「Eicher House, 12, Commercial Complex, Greater Kailash-II, (Masjid Moth), New Delhi-110 018, India(インド国 ニュー・デリー (マスジド・マス)グレーターカイラシューII コマーシャル コンプレックス 12 アイヒャー・ハウス)」になっていることが、「2012年8月22日付で署名する宣誓供述書(AFFIDAVIT)(乙4の3、4)」や、民間の会社情報検索サイトの情報画面からも確認できる(乙4の12〜14)。
(e)諸外国ならず我が国でも、登記上の事業所や主たる事業所等の住所の変更などは、当該事業主の事業戦略等の経済状況に応じてよくみられることである。
したがって、例え、乙第5号証の1ないし3の「INVOICE」に記載された「EXPORTER」欄の「EICHER MORTORS LIMITED」及び乙第6号証の「DISTRIBUTOR AGREEMENT」欄の「Eicher Motors Limited」の各住所表示と、乙第4号証の1の「インド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し」に表示された「Eicher Motors Limited」の住所が相違していても、いずれも同一の主体である。
以上により、指摘された「アイヒャー モーターズ リミテッド((Eicher Motors Limited(Royal Enfield Motors Unit))」は、乙第4号証の1及び2、乙第5号証の1ないし3、乙第6号証の各証拠資料において同一人であることは明らかである。
(6)他の本件商標の使用に係る証拠の追加
2012年7月27日付けでインド国の公証人が証明する、2012年7月23日付けのAFFIDAVITの写し及びその翻訳文を、新たに証拠として提出する(乙4の20)。
本書面では、本件商標の商標権者の名義が「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited(Royal Enfield Motors Unit)」である旨、宣誓供述されているが、同国の裁判所が下した「会社分割」が、「被承継会社の自動車事業に関する全ての財産、権利及び権能を、・・・・被承継会社の財産及び利益のためにこれらを承継会社に移転し、承継会社に帰属するよう命じ」(乙4の2「ニューデリー・デリー高等裁判所」)となっていたことから、そのような宣誓供述内容になったものである。
我が国では、一般承継による商標権の移転については、登録がなくとも効力が生ずることとなっているが、本件商標の商標権者の名義を「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)」とすべく、現在、被請求人及び「アイヒャー モーターズ リミテッド(Eicher Motors Limited)」は、本件商標の商標権移転登録申請手続きの準備を進めている。
(1)インド国の高等裁判所の命令書の目録及び必要部分の翻訳文(乙18)
該資料は、請求人の提出にかかる口頭審理陳述要領書の「2(1)」部分の主張、及び同口頭審理において「被請求人が証拠資料乙第4号証の1及び2として提出したいわゆる『会社分割を含むインド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し』の記述『自動車事業(Automobile undertaking)』とでは、単に、『自動車』関係に限定されており、『二輪車』関係は除外されていると判断できる。」との主張に対して、提出を求められたものである。
乙第18号証は、乙第4号証の1の2004年7月26日付の「ニューデリー・デリー高等裁判所の命令(IN THE HIGH COUHT OF DELHI AT NEW DELHI AT NEW DELHI)」に添付された資料「Eicher Limited, Eicher Motors Limited, Malboros Investment Limited及びそれぞれの株主との間で合意された1956年の会社法第391条から394条に基づく組織統合計画(Composite Scheme of Arrangement/Under Sections 391 to 394 of THE Companies Act, 1956/Between Eicher Limited And Eicher Motors Limited And Malboros Investment Limited/And Their Respective Shareholders)」であるが、同書面の「条項(WHEREAS)」部分の「B」記載部分において「Eicher Limited」が「(a)トラクター事業、(b)二輪車事業、(c)エンジン事業、(d)ギア事業を含む自動車事業を有する多角経営の企業」である旨説明され、「パートA前置き(PART A−PRELIMINARY)」の「定義(Definitions)」の「L3」欄で「『自動車事業』は、Eicher Limitedのトラクター、二輪車、エンジン、ギアの製造及び販売事業に係る確立したEicher Limitedの事業を意味」する旨説明がなされている。
したがって、問題の「自動車事業Automobile undertaking」には、「二輪車事業」が含まれていることが明らかである。
(2)アイヒャー リミテッドからアイヒャー モーターズ リミテッドヘの移転について
被請求人は、現時点では、既に提出した、乙第4号証の1及び2のいわゆる「会社分割を含むインド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し」、乙第4号証の3及び4・乙第4号証の20のいわゆる「宣誓供述書の写し」以外に、本書面に該当するような書類が人手できていない。
また、同口頭審理後に得られた情報によれば、現時点での登録原簿上にある「アイヒャー リミテッド」は、2009年に「EIHER GOODEARTH LIMITED」と合併し、その後、「ElHER GOODEARTH LIMITED」は「EIHER GOODEARTH PRIVATE LIMITED」と合併により会社実体が消滅してしまったとのことである(乙19)。
しかしながら、承継会社である「アイヒャー モーターズ リミテッド」は、上記会社分割が正当になされたことを証明する更なる証拠資料の取得を準備している。
(3)ロイヤルエンフィールドからアイヒャー リミテッドヘの名義変更の結果による新たな法人設立証明書及びその訳文について(乙20)
同書面は、乙第20号証「名義変更の結果による新たな法人設立証明書(FRESH CERTIFICATE OF INCORPORATION CONSEQUENT ON CHANGE OF NAME)」として提出する。本書面により、1996年にロイヤルエンフィールドからアイヒャーリミテッドヘ名義変更されたことが確認できる。
なお、乙第19号証のメールの冒頭に、「アイヒャー リミテッド」は1996年5月20日に設立されたものの、会社の設立証明書には住所等の記載がないため、商標登録原簿上の住所「インド国 マドラス 600019、シルボッティユ、ピー・オー・ボックス 5284」と、いわゆる「会社分割を含むインド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し」の住所「Eicher House, 12, Commercial Complex, Greater Kailash-II, (Masjid Moth), New Delhi-110048」の相違につき、インド国の会社の設立証明書では証明できない。
しかしながら、乙第21号証として提出する「Eicher Limited―同社の登録事務所の変更−タミル・ナドゥ州からデリー首都特別区への登録(Sub:M/S. Eicher Limited-Change of registered office of the company from the state of Tamil nadu to the National Capital Territory of Delhi-reg.)」によって、マドラス(現チェンナイ)の高等裁判所が「アイヒャー リミテッド」の住所が「マドラス」から「ニューデリー」に登録事務所の移転を認めた旨が本書面で確認できる(乙21)。
平成25年3月4日付け審尋において、本件商標の商標権移転登録申請手続きについて、その後の関係書類の取得状況及び上記申請手続の目途等について回答を求められたものである。
被請求人が提出した平成24年11月9日付の上申書の「(3)アイヒャー リミテッドからアイヒャー モーターズ リミテッドヘの移転の登録簿(謄本)及びその翻訳文」で述べた「同口頭審理後に得られた情報によれば、現時点での登録原簿上にある『アイヒャー リミテッド』は、2009年に『アイヒャー グッドアース リミテッド』と合併し、その後、『アイヒャー グッドアース リミテッド』は『アイヒャー グッドアース プライベート リミテッド』と合併により会社実体が消滅してしまったとのこと」部分に追加情報が生じ、「アイヒャー グッドアース プライベート リミテッド」は、さらに、「アイヒャー モーターズ リミテッド」と合併されたことが確認された(乙22の1)。
したがって、被請求人の承継人である「アイヒャー モーターズ リミテッド」は、本件商標の商標権移転登録申請手続で提出すべき書面として、公証人の証明を含め、該追加情報の証明諸書類を現在、入手中である。
また、被請求人は、本件商標の商標権の移転登録申請手続きに必要な証拠資料である乙第4号証の1「被請求人と本件商標権の承継会社である『アイヒャー モーターズ リミテッド』に下された、会社分割を含むインド国の会社法に基づく裁判所の合併命令の写し」が、ニュー・デリー高等裁判所から正当に受領した1956年会社法に関する2004年7月13日付の標題「1956年会社法第394条に基づく裁判所の命令」の謄本の写しである旨を証明するため、現在、同裁判所に認証確認を求めている(乙22の2)。
(1)乙第3号証は、「ロイヤルエンフィールド/Royal Enfield(A Unit of Eicher Motors Limited)」のウェブサイトであるところ、これには、1931年に、英国のバイクメーカー「ロイヤルエンフィールド社」のモーターサイクルのルーツである350cc、4サイクル車が発表され、1932年に、「ブリット(Bullet)」と名付けられたこと、その後、1955年に新型「BULLET」の生産が開始されたこと、1962年に会社は譲渡され、英国内の「BULEET」の生産が中止されたこと、1970年に英国の「ロイヤルエンフィールド」社は倒産したこと、1995年にエイカーグループの資本算入により新たにインドを本拠とした「ROYAL ENFIELD」ブランドが誕生し、同ブランドのオートバイ車種として、2009年に「CLASSIC 500EFI」が販売されたこと、などの記載がある。
(2)乙第4号証の1及び2(訳文)は、「2004年7月13日」及び「2004年7月13日命令」の日付けのあるインド国の会社法に基づくニューデリー高等裁判所の合併命令の写しとされるところ、その英文中には、「Eicher Ltd.」について「Transferor Company」(被承継会社)との表記、「Eicher Motors Ltd.」について「Transferee Company」(承継会社)の記載があり、その内容(訳文)に、「ニュー・デリーのデリー高等裁判所の命令」として、「1.本文書に添付した目録−IIの第一、第二および第三部に明記する被承継会社の自動車事業に関するすべての財産、権利および権能、ならびに上記被承継会社の自動車事業に関するその他すべての財産、権利および権能を、これ以外の行為または証書がなくとも承継会社に移転し、・・・被承継会社の財産および利益のためにこれらを承継会社に移転し、承継会社に帰属させるよう命じ、」の記載がある。
また、乙第4号証の3及び4(訳文)は、「宣誓供述書」であるところ、この訳文には、「『アイヒャー リミテッド』は、指定商品『二輪自動車・自転車並びにその附属品(タイヤ及びチューブを除く。)』に係る日本国の登録商標『BULLET』を獲得した。そして、2004年統合計画の取り決めを原因として『アイヒャー リミテッド』は、インド国のニュー・デリーの裁判所の命令に従って、2004年に一部の事業部門(自動車事業)を『アイヒャー モーターズ リミテッド』へ会社分割によって移転しました。同法廷は、総合計画の取り決めを許可しました。」旨の記載がある。
(3)乙第5号証の1は、2011年11月4日付けの「INVOICE」であるところ、これには、「EXPOTER」(輸出者)欄には、「EICHER MOTORS LIMITED」の表記、「CONSIGNEE」(荷受人)欄には、「WING FOOT」の表記が認められ、「DESCRIPTION OF GOODS」(出荷対象商品)欄には、二輪自動車を示す「MOTORCYCLES」の記載があり、さらに、「BULLET 350CC CLASSIC BLAK」ほか、「BULLET」に、排気量、種類、色彩等の記載がある。
また、2011年11月28日付けの「INVOICE」(乙5の2)にも、前記同様の輸出者、荷受人、出荷対象商品、「BULLET 350CC CLASSIC BLAK」ほかの記載がある。
なお、2008年4月25日付けの「INVOICE」(乙5の3)は、本件要証期間内のものではない。
(4)乙第6号証は、「DISTRIBUTOR AGREEMENT(販売代理店契約)」であるところ、これには、2010年12月2日に、「アイヒャー モーターズ リミテッド」と「有限会社ウィングフット」との間で、販売店代理契約が締結されており、その契約中には、ウィングフットに対し、「Bullet」商標の使用を許諾する旨の記載がある(審決注:その契約中において、「ウィングフット株式会社」と記載(訳を含む。)があるが、商号登記の表記(乙6)及び後記する同人のホームページの表記、その住所を併せみれば、「有限会社ウィングフット」と解すべきである。)。
(5)乙第7号証は、「DYNASTY」及び「ROYAL ENFIELD」を表題等とする二輪自動車に関する英文の商品カタログである。これには、2010年に至るまでのロイヤルエンフィールドに係る二輪自動車の変遷が示されると共に、「BULLET 350」「BULLET 500」「BULLET Sixty−5」「BULLET Electra」「BULLET Classic」等の二輪自動車が紹介され、「BULLET」の文字が使用されている。また、二輪自動車の本体に「BULLET」の標章が付された写真も掲載されている。
(6)乙第8号証の1及び2は、「ウィングフット」のウェブサイトであるところ、これには、「ロイヤルエンフィールド専門店のウィングフットです。」の記載がある。また、同号証の2のウェブページには、「ROYAL ENFIELD BULLET 500 FEI」の表示と商品の二輪自動車の画像が確認でき、さらに、当該商品のツールボックス部分について、「ツールボックスにはBULLET 500、・・・のステッカーが貼られています。」の記載がある。ただし、掲載の時期を特定し得る表示はみいだせない。
同ウェブサイトの「Media List」(乙8の3)には、「ROYAL ENFIELD BULLET 500 FEI」の試乗インプレ・レビューが掲載され、掲載日は「2011年7月7日」の記載がある。
また、同ウェブサイト(乙8の4)には、「BULLET パーツリスト」の表示があり、その下部に、「※PDFファイルに表示されている価格は20011年4月4日より税込価格となりました。」の記載がある。
(7)乙第12号証は、「Royal Enfield/ロイヤルエンフィールド日本語公式サイト」の「ディーラーリスト」(乙11)に掲載されているデイラー「Emputy(エンプティ)」のウェブサイトであるところ、これには、「BULLET 500EFI」「待望のニューモデル! 20011/6/1より発売開始!」の記載及びその商品写真が掲載されている。
(8)職権証拠調べによれば、商標登録原簿を徴するに、本件商標の商標権者は、平成25年10月10日受付けの商標権移転登録申請書により、一般承継による本件の移転がなされ、「アイヒャー リミテッド」から「アイヒャー モーターズ リミテッド」(インド国 ニューデリー 110017 サケット ディストリクト センター エイ―3 セレクト シティウォーク サードフロアー)となったものである。
(1)商標権者及び通常使用権者について
前記1(2)及び(8)によれば、「ニューデリー高等裁判所の合併命令」(乙4の1、2)、「宣誓供述書」(乙4の3、4)及び「商標登録原簿」によって、アイヒャー モーターズ リミテッドは、2004年7月以降に「アイヒャー リミテッド」から一般承継による本件の移転がなされた商標権者であると認められるものである。
そして、販売代理店契約(乙6)によれば、その契約中には、ウィングフットに対し、「Bullet」商標の使用を許諾する旨の記載が存するものであって、商標権者から使用許諾を受けたウィングフットは、本件商標についての通常使用権者と認めて差し支えない。
(2)本件商標の使用及び使用時期について
前記1(3)及び(6)によれば、本件要証期間内である2011年11月4日及び同月28日に、アイヒャー モーターズ リミテッドは、商品名に「BULLET」の文字を含む二輪自動車を、「ウィングフット」を荷受人として我が国に輸出し、また、ウィングフットは、その二輪自動車を輸入したものと認められる。
そして、「ROYAL ENFIELD BULLET 500 FEI」の名称を有する「二輪自動車」(本件商品)には、本体部分のステッカーに「BULLET」の商標(以下「使用商標1」という」。)が付されている。
また、商標権者の販売代理店であるウィングフットは、同人のウェブサイトにおいて、輸入した本件商品について、「ROYAL ENFIELD BULLET 500 FEI」の商標(以下「使用商標2」という」。)を表示し、本件商品の譲渡のため、本件要証期間内にその広告を行ってきたものと認めることができる。
(3)本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は、「BULLET」の欧文字を横書きしてなるところ、使用商標1は、「BULLET」の文字よりなるものであるから、同一の商標といえるものである。
また、使用商標2は、「ROYAL ENFIELD BULLET 500 FEI」の文字よりなるところ、その構成中の「ROYAL ENFIELD」は、旧社名から派生した二輪自動車のブランド名であり、また、「500」及び「FEI」は、規格及び略語等として理解されるものであるから、「BULLET」の文字部分は、別個の要部として理解され、認識されるものである。
そして、本件商標と該「BULLET」の文字部分は、その文字綴りを同一にするものであるから、使用商標2がその他の文字を伴っている構成であるとしても、「BULLET」を別個の要部とする使用商標2は、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
(4)使用商品について
使用商品は、「二輪自動車」であるから、第12類「二輪自動車・自転車並びにその部品及び附属品(タイヤ及びチューブを除く。)」の範ちゅうに含まれる商品ということができる。
(5)小活
そうとすれば、通常使用権者であるウィングフットは、本件要証期間内に、商標権者から商品名に「BULLET」の文字を含む二輪自動車を我が国に譲渡のために輸入したものと認められ、また、二輪自動車の本体部分のステッカーに「BULLET」の使用商標1が付されている本件商品の譲渡のために、同社のウェブサイトにおいて、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標2を使用し、広告していたと認められるものである。
そして、通常使用権者の当該行為は、「商品に標章を付したものを譲渡のために輸入する行為」(商標法第2条第3項第2号)及び「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(同第8号)に該当するものと認められる。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件要証期間内に日本国内において、通常使用権者がその請求に係る指定商品中の第12類「二輪自動車」について、本件商標を使用していることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。