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Trademark Appeal Case

3X3商標の類似性と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900044(T2015−900044/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5715344号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5715344号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成26年5月8日に登録出願され,第3類,第5類,第9類,第14類,第16類,第18類,第20類,第21類,第24類ないし第26類,第28類,第30類,第32類,第33類,第35類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年10月14日に登録査定,同月31日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,次に掲げるとおりである。

1 国際登録第1103375号(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

国際登録日:2011年(平成23年)11月16日

優先権主張:Switzerland(2011年(平成23年)7月27日)

設定登録日:平成25年1月25日

指定商品及び指定役務:第25類,第28類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

2 国際登録第1113210号(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲3のとおり

国際登録日:2012年(平成24年)1月17日

事後指定日:2014年(平成26年)1月13日

設定登録日:平成27年5月22日

指定商品及び指定役務:第25類,第28類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

3 国際登録第1105001号(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:FIBA 3x3 World Tour

国際登録日:2011年(平成23年)12月12日

優先権主張:Switzerland(2011年(平成23年)7月12日)

設定登録日:平成25年3月1日

指定商品及び指定役務:第25類,第28類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務

以下,上記引用商標1ないし3を一括して単に「引用商標」ということがある。

第3 登録異議申立ての理由の要点

本件登録異議申立てに係る指定商品及び指定役務(以下「本件指定商品及び指定役務」という。)についての登録は,以下の理由により取り消すべきものである。

(1)本件商標と引用商標とは,「3X3」の構成,「スリーバイスリー」の称呼及び「3人制バスケットボール」の観念を共通にする類似の商標であり,かつ,本件指定商品及び指定役務は,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)本件商標は,申立人が自己の業務に係る商品及び役務について使用している引用商標と類似することから,これを本件指定商品及び指定役務に使用した場合には,申立人の業務に係る商品及び役務と出所の混同を生ずるおそれがある。

したがって,本件商標は,本件指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知性について

申立人の提出に係る証拠(甲5ないし甲10,枝番を含む)によれば,3人制バスケットボールは,「3on3」(スリーオンスリー)とも称され,公園の空きスペースやストリート等で若者を中心に普及し各地で大会も開催されていること,3人制バスケットボールは2010年に開催されたユースオリンピック夏季大会から「バスケットボール(3X3)」として競技種目になっていること,申立人は,2012年から3人制バスケットボール(3X3)の世界選手権である「FIBA3x3世界選手権」を開催しており,2014年からは3人制バスケットボール(3X3)のクラブチームのための国際大会である「2014年FIBA3x3ワールドツアー」を主催していること,「2014年FIBA3X3ワールドツアー」のファイナル戦は2014年10月に仙台で開催されたこと,上記大会の開催を告知するウェブサイトには引用商標2及び引用商標3が表示されていること,上記大会に出場する選手が着用するユニフォームには引用商標2が表示されていること,などが認められる。

しかしながら,申立人の主催する上記大会は,開始されてから日が浅い上に,その宣伝広告や報道等の実態も必ずしも明らかでないので,3人制バスケットボールに関心を有するごく一部の若者の間にはある程度知られているとしても,具体的な商品又は役務についての引用商標の使用状況は明らかでなく,これより,引用商標は,申立人の業務に係る商品又は役務を表示する商標として,本件指定商品又は指定役務の取引者,需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

なお,申立人は,3人制バスケットボールを競技として「3X3」,「スリー・バイ・スリー」と名付けて2007年より普及活動を行っている旨主張するが,申立人の提出に係る証拠には,「3X3」を「スリー・バイ・スリー」と称呼することについては一切記載されていない。

2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標は,別掲1のとおり,黒塗りの四角形内にやや図案化した「3X3EXE」の文字を白抜きにし,当該「3X3」の文字と「EXE」の文字の間の下方に小さなバスケットボールの如き図形を配した構成からなるところ,当該バスケットボール様の図形は,それに続く「EXE」の文字がコンピューターファイルの拡張子として知られる「.EXE」(エグゼ)(株式会社技術評論社発行「2009−10年版最新パソコン・IT用語事典」,株式会社秀和システム発行「標準パソコン用語事典最新2009〜2010年版」)に通ずることから,「.」(ドット)を表したものとして看取される場合が少なくないものといえる。また,「3X3」の文字中の「X」はアルファベットの「x」(エックス)とも代数記号の「×」とも看取されるものであり,英語では「by」(バイ)と称呼されることもある(研究社発行「新英和大辞典第6版」)。

そして,本件商標は,本件指定商品及び指定役務との関係において,その構成中の「EXE」の文字部分が商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得ず捨象されるべきものというような事情は見当たらないし,「3X3」の文字部分のみが独立して看者の注意を強く惹くというものでもないから,「3X3」の文字部分と「EXE」の文字部分とに外観上及び観念上の軽重の差は見られず,両者が分離分断して看取されるようなことはなく,「3X3」の文字部分のみが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たす要部ということはできない。

そうすると,本件商標は,全体をもって一連一体の一種の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり,「サンカケルサンドットエグゼ」,「スリーエックススリードットエグゼ」又は「スリーバイスリードットエグゼ」の一連の称呼を生ずるものの,親しまれた既成の観念を有するものとはいえない。

(2)他方,引用商標1は,別掲2のとおり,図形部分と「FIBA」の文字との組合せからなるところ,当該図形部分の左端の図はアルファベットの「E」を表したものとも解され,また,数字の「3」を表したともいえる右端の図を反転させたものとも解され,さらに,中央の図は「X」を表したものと解される余地はあるものの,当該図形部分より一見して直ちにこれらの文字の組み合わせであると特定することは困難であり,引用商標1の図形部分は,全体としては既成の事物事象を表したものと認識し理解されることはなく,一個の幾何図形として看取されるとみるのが自然である。

そうすると,引用商標1は,中央の図の右下端に表された「FIBA」の文字部分より「ファイバ」の称呼を生ずるといえるとしても,図形部分からは特定の称呼及び観念は生じないものというべきである。

引用商標2は,別掲3のとおり,引用商標1の図形部分と同一の図形からなるものであるから,上記のように特定の称呼及び観念は生じないものというべきである。

引用商標3は,上記第2の3のとおりの構成よりなるものであるから,その構成文字に相応して,「ファイバサンカケルサンワールドツアー」,「ファイバスリーエックススリーワールドツアー」及び「ファイバスリーバイスリーワールドツアー」の称呼を生ずるものといえる。そして,上記1のとおり,引用商標3は,申立人の主催する国際大会として需要者の間に広く認識されているものとは認められず,しかも,その構成中の「FIBA」及び「3x3」から特定の観念が生ずるものと認められないから,引用商標3は,全体としても特定の観念は生じないというのが相当である。

(4)そこで,本件商標と引用商標との類否について検討するに,両者は,それぞれの構成に照らし,外観上判然と区別し得る差異を有するものといえる。

また,本件商標から生ずる「サンカケルサンドットエグゼ」,「スリーエックススリードットエグゼ」又は「スリーバイスリードットエグゼ」の称呼と引用商標1から生ずる「ファイバ」の称呼及び引用商標3から生ずる「ファイバサンカケルサンワールドツアー」,「ファイバスリーエックススリーワールドツアー」及び「ファイバスリーバイスリーワールドツアー」の称呼とは,それぞれの構成音数が相違するばかりでなく,各構成音の多くを異にするものであり,それぞれを一連に称呼するときは,全体の音感,音調が著しく相違し,明瞭に区別することができるものである。そして,引用商標2は,特定の称呼を生じないから,称呼について本件商標と比較することはできない。

さらに,本件商標及び引用商標は,特定の観念を有しないものであるから,観念上,比較することはできない。

してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(5)したがって,本件商標は,本件指定商品及び指定役務が引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるとしても,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標は,上記1のとおり,申立人の業務に係る商品又は役務を表示する商標として本件指定商品及び指定役務の分野において取引者・需要者の間に広く認識されているものとは認められないし,本件商標と引用商標とは,上記2のとおり,相紛れるおそれのない非類似の商標である。

かかる事情の下において,本件商標は,これを本件指定商品又は指定役務について使用しても,これに接する取引者,需要者が引用商標ないし申立人を連想,想起するようなことはないというべきであり,当該商品又は役務が申立人又は申立人と経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く,その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって,本件商標は,本件指定商品及び指定役務との関係において,商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

3 むすび

以上のとおり,本件商標は,本件登録異議申立てに係る指定商品及び指定役務について,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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