sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2014−301002(T2014−301002/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4446828号商標(以下「本件商標」という。)は,「SAPHO」の欧文字を標準文字で表してなり,平成11年12月9日に登録出願,第42類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,デザインの考案,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,超音波診断装置の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として,同13年1月19日に設定登録されたものである。

なお,本件審判の請求の登録は,平成27年1月13日である。

2 請求人の主張

請求人は,本件商標の指定役務中,第42類「美容,理容,デザインの考案」についての登録を取り消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由として,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,上記の役務について,使用した事実が存在しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。

なお,請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。

3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)商標の使用者及びその業務内容

本件商標権者である白壁征夫(以下「商標権者」という。)は東京都港区六本木5−17−16−1F/BIFにおいて美容外科,美容皮膚科,美容内科の医療事業と,エステティック,アロママッサージの美容事業,化粧品やサプリメントの小売事業の複合からなる個人事業を「サフォクリニック」という屋号で営んでいる。

そして,前記医療事業に関しては医師,看護士などの医療従事者を,美容事業に関してはエスティシャンなどの美容従事者を雇用している。

乙第1号証は,商標権者が「サフォクリニック」という屋号を用いて前記住所地において個人事業を営んでいることを立証するための源泉徴収票である。

乙第2号証は,当該源泉徴収票の被雇用者である件外本間麻子が東京都千代田区麹町3−2−6垣見麹町ビル4Fの一般社団法人日本エステティック協会(乙3)の認定エスティシャンを取得した者であることを立証するための同協会発行の認定証書である。

「エスティシャン」に関し公的な資格は存しない。前記「認定エスティシャン」はあくまでも民間資格であり,このような民間資格を有せずとエスティシャンを行うことは自由である。よって,本間麻子は「認定エスティシャン」の更新料を節約するために,前記「認定エスティシャン」の更新は行っていない。

乙第4号証の1は,商標権者が美容業務の対価に関し発行した平成24年2月4日発行の領収書の控え,乙第4号証の2は,商標権者が美容業務の対価に関し発行した平成24年5月28日発行の領収書の控えである。これらの領収書は,乙第4号証の3の用紙を用いて顧客に交付される。

商標権者は,前記事業を現在地において平成20年6月16日から現在に至るまで行っているが,それ以前は平成2年2月1日から東京都渋谷区恵比寿3−9−19ポーラ恵比寿ビルB1で「サフォレディスドック」の屋号で会員制のエステティックサロンに医療行為を行うクリニックを併設した事業を行っていた。

乙第5号証は,株式会社日之出出版が平成2年6月6日に発行した雑誌Grand Magasin(グランマガザン)1990年6月号である。ここには前記事実が記載されている。

エステティックサロンに医療行為を行うクリニックを併設した前記の「サフォレディスドック」の事業は世界発の業態であり,先に記した「サフォクリニック」は「サフォレディスドック」が屋号を「サフォクリニック」に変え現在地の東京都港区六本木5−17−16−1F/BIFに移転したものである。

乙第6号証は,商標権者が前記の個人事業「サフォクリニック」に関し,広告及び価格の公示用に作成し,展示,頒布しているパンフレットである。

このパンフレットの原型は平成20年当時に作成され,展示,頒布されているが,乙第6号証は価格などを改訂した最新のものであり,平成26年10月31日に東京都文京区大塚3−38−10の件外株式会社北斗社により2000部印刷され,権利者に納品されたものである(乙7)。

前記パンフレットには「サフォクリニック」が,前記した美容外科,美容皮膚科,美容内科の医療事業(CLINIC)と,エステティック,アロママッサージの美容事業(CLINICAL SPA),化粧品やサプリメントの小売事業(SHOP)の複合からなることが明記されている。

また,パンフレット中には「サフォクリニック」の施設の配置図(FLOOR MAP)が記載されており,前記医療事業を行う部屋(クリニック待合室,美容外科診療室,美容皮膚科診療室,美容内科診療室,手術室,処置室,リカバリー室)と前記美容事業を行う部屋(スパ待合室,スパ)が区分けされていることがわかる。

また,パンフレット中の価格表においては美容外科,美容内科,美容皮膚科の医療事業のメニューと,美容事業のクリニカルスパのメニューが区分けして記されている。

(2)使用に係る役務

乙第6号証のパンフレット中の価格表のクリニカルスパのメニュー中のフェイシャルメニューには,美骨リフト,ラフォスリフト,ハイドラビルダー,インディバリフトが記載されている。

「美骨リフト」とは,硬直して下がった筋肉を柔軟にし,本来の位置に戻すことで骨格を整え,肩・首・顔のラインを引き上げる施術による美顔を主とするエステティック美容であり,類似群42C01に属する役務である。「ラフォスリフト」とは,商品名「RAFOS」(乙8)という高周波温熱機器を用いてラジオ波を皮膚にあてて引き締める施術による美顔法であり,美顔を主とするエステティック美容として類似群42C01に属する役務である。「ハイドラビルダー」とは,酸やペプチドが配合された美容液のジェット水流を顔にあてることにより,肌の汚れを吹き飛ばす施術による美顔法であり,美顔を主とするエステティック美容として類似群42C01に属する役務である。「インディバリフト」とは,商品名インディバ「INDIBA」(乙9)という高周波温熱機器を用いて顔の筋肉を支え引き上げているリガメントというポイントを強化し筋肉を引き上げる施術による美顔法であり,美顔を主とするエステティック美容として類似群42C01に属する役務である。

(3)使用に係る商標

乙第6号証のパンフレットの表紙及び奥付には,本件商標が記載されている。このパンフレットの価格表には,本件商標が記載されている。

(4)使用時期

乙第7号証の証明書には,乙第6号証のパンフレットを平成26年10月31日に印刷し,商標権者に納品したことが記載されている。乙第6号証のパンフレットはその日以降に商標権者の「サフォクリニック」の施設において展示されている他,不特定多数の者に頒布している。

(5)むすび

以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定役務中の「美容」について使用していることが明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出した証拠によれば,以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証について

乙第1号証は,本間氏の「平成26年分給与所得の源泉徴収票」であるところ,これには,「支払者」の欄に,「東京都港区六本木5−17−16−1F/B1F」及び「サフォクリニック 白壁征夫」の記載がある。

イ 乙第6号証について

乙第6号証は,サフォクリニックの「パンフレット」である。

このパンフレットの表紙には,中央に「Sapho」の文字が表示されている。また,「CONTACT」の項目のあるページには,「Sapho」の文字が表示されており,「ADDRESS」の欄には,「東京都港区六本木5−17−16 1F/B1F」の記載がある。

さらに,これに添付された「料金表」にも,「Sapho」の文字が表示されており,その下には,美容皮膚科,美容外科,美容内科の項目があって,その中の美容皮膚科の「クリニカルスパ」のメニュー中には,「フェイシャルメニュー」及び「ボディーメニュー」があり,これらは,美顔やボディーケアといったエステティック(全身の美容)に関するものである。

ウ 乙第7号証は,平成27年2月13日付けで「白壁征夫」に宛てた「株式会社北斗社」の大幡氏による「証明書」である。これには,乙第6号証のパンフレットにつき,「貴殿経営のサフォクリニック殿の別紙パンフレットは,当社が平成26年10月31日に2000部印刷し,サフォクリニック殿に納品したことを証明します。」旨の記載がある。

(2)本件商標と使用に係る商標

本件商標は,前記1のとおり,「SAPHO」の欧文字からなるものであり,また,使用に係る商標は,「Sapho」の欧文字からなるものであるから,両者は,それぞれの文字に大文字と小文字の差異はあるものの,綴りが共通であるから,その構成文字に相応して,ともに「サフォ」の称呼を生じるものであって,特定の観念は生じないものである。

してみると,両商標は,その称呼を共通にし,外観も近似し,また,観念においても、綴りが共通であって、その観念が生じないとしても異なるものでないことから,使用に係る商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認めるのが相当である。

(3)判断

上記(1)及び(2)によれば,本件商標権者は,サフォクリニックのパンフレットを2000部という相当の部数を印刷していることからみて,そのパンフレットが納品された平成26年10月31日以降,現在に至るまでの間,「Sapho」の欧文字からなる商標を表示した当該パンフレットを頒布していたものと推認される。

そして,サフォクリニックにおいては,本件審判の請求に係る指定役務中の「美容」の役務が提供されていたと認められる。

してみれば,商標権者は,本件審判の請求の登録前3年以内に,「美容」の役務の提供に係るパンフレットにおいて,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたといえ,その使用は,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当するものである。

(4)まとめ

以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者がその請求に係る指定役務中の「美容」について,本件商標の使用をしていたことを証明したものというべきである。

したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定役務について,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。