Trademark Appeal Case
イオンスキンケアの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−17746(T2014−17746/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「イオンスキンケア」の文字を標準文字で表してなり、第11類「家庭用電池式美顔器」を指定商品として、平成25年10月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、「本願商標は、『イオンスキンケア』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『スキンケア』の文字が『肌の配慮、肌のケア』の意味合いを有し、また、インターネット情報によれば、イオン導入器による美容効果を謳う商品が販売されていることから、本願商標全体からは、『イオンで肌をケアする家庭用電池式美顔器』程の意味合いを認識するにすぎない。そうしてみると、本願商標をその指定商品中、上記の商品について使用しても、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権による証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成27年1月8日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、平成27年2月23日付けで意見書を提出し、要旨以下のように主張した。
(1)別掲1の証拠調べ通知に示された用例は、「イオン」と「家庭用美顔器」が同じインターネット上のウェブサイトに使用されている例を示しただけであり、また、別掲3の証拠調べ通知に示された「イオンスキンケア」の用例は、数点しかなく、これらのみでは、商標法第3条第1項第3号の根拠とはならない。
(2)別掲2及び3の証拠調べ通知に示された用例は、「イオン導入」又は「美顔器」の説明の一部として「イオン」の語を用いたものであるから、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならず、本願商標は、一連一体の造語として認識される。
したがって、証拠調べ通知に挙げられた事実があるとしても、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「イオンスキンケア」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「スキンケア」の文字は、「肌の手入れ」を意味する語として広く一般に親しまれた語であることから、本願商標は、「イオン」の文字と「スキンケア」の文字とを一連に表したものと理解できるものである。
そして、本願商標の構成中の「イオン」の文字は、「正または負の電気をもつ原子または原子団」の意味を有する語であるが、本願商標の指定商品との関係においては、別掲1に示したとおり、「イオン」を利用した「家庭用美顔器」が販売されている事実が認められる。また、「美顔器」と密接な関連性を持つ美容業界においても、別掲2に示したとおり、「イオン」を利用した「スキンケア(肌の手入れ)」が行われている実情が窺え、そして、本願商標の指定商品に接する取引者、需要者は、美容に関し、強い興味、関心を持つ者であることが容易に想起されることを踏まえれば、上記の者が本願商標に接した場合、商標全体として「イオンによる肌の手入れ」ほどの意味合いを理解、認識するといわざるを得ない。
さらに、「イオンスキンケア」の文字は、本願商標の指定商品を含む「家庭用美顔器」を取り扱う業界において、「イオンによる肌の手入れ」程の意味合いで使用されている実情が、例えば、別掲3で示したインターネット上のウエブサイトの情報によって認めることができる。
そうすると、「イオンスキンケア」の文字からなる本願商標は、その指定商品中、「イオンを利用した家庭用電池式美顔器」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「イオンによる肌の手入れ用の商品」であることを理解、認識するにすぎず、単に商品の品質を表示するものというのが相当である。また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、請求人が創作した造語であって、その構成文字全体をもって一体不可分の造語として認識されるものであり、また、証拠調べ通知に示された用例は、「イオン導入」又は「美顔器」の説明の一部として「イオン」の語を用いたものであるから、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならない旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の「イオン」の文字は、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界及び該商品と密接な関連性を持つ美容業界において、イオンを利用した美顔器が取り扱われていること、また、イオンを利用した美顔器に「イオンによる肌の手入れ」の意味合いで「イオンスキンケア」の文字が使用されている実情を総合勘案すれば、本願商標は、これをその指定商品中「イオンを利用した家庭用電池式美顔器」に使用したときは、商品の品質を表したものと認識されるものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものということはできない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、該登録出願の査定時又は審決時において、その指定商品との関係において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標は、その構成文字及びその取引の実情を併せみれば、「イオンによる肌の手入れ用の商品」であることを理解、認識させるにすぎないことは、上記(1)で述べたとおりであるから、本願商標についての判断が、該登録例をもって左右されるものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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