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Trademark Appeal Case

品番・Series結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−650066(T2013−650066/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類及び第11類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2011年(平成23年)4月7日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年10月4日に国際商標登録出願されたものである。

その後、指定商品については、原審における平成24年10月11日付け手続補正書により補正され、当審における2014年(平成26年)9月2日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、第9類及び第11類に属する別掲2のとおりの商品とされたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、『L』の欧文字一字と、『一連、一続き』の意味を有し、『シリーズ』と発音される英語として一般に広く慣れ親しまれている『Series』の文字とを『−』(ハイフン)を介して結合した『L−Series』の文字を横書きしてなるところ、本願に係る指定商品を取り扱う業界において、欧文字一字又は二字が商品の品番等の一部として『−』(ハイフン)を介して使用されている例が認められる。また、前記意味を有する『Series』又はその表音である『シリーズ』の各文字は、本願に係る指定商品等を取り扱う業界において、自己の製造、販売に係る各種製品について、いわゆる『シリーズもの』といった同系統ないしは一連の商品群であることを表すものとして、取引上普通に採択、使用されている実情がある。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標全体を造語とは認識せず、『L』の文字部分を商品の品番等を表示するために用いられる欧文字一字の一類型として、『Series』の文字部分を『シリーズもの』等の意味を想起させる品質表示としてそれぞれ認識するものというのが相当である。したがって、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、別掲3のとおりの事実を内容とする証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べに対する意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。

(1)請求人の「L−Series」に係る実際の商品は、特に映画等の撮影に用いられるものであり、証拠調べ通知書において記載されている商品とは、その取引系統、需要者層、用途等において相違する。また、前記1の限定の通報により、本願の指定商品が特に映画の撮影に用いられるものであることが明確になった。

(2)証拠調べ通知で示された使用例は、単に商品の品番・型番等を表す記号・符号等ないしその連続した集合又は商品の内容等を記述的に表すものとはいえないもの、商品名(識別標識)として使用されているとみるべきもの、本願商標と社会通念上同一といえないもの等であり、かつ、いずれも周知な商標(商品)ではない。

(3)「Lシリーズ」の語が「Tシリーズ」、「Gシリーズ」等とともにシリーズ名として使用されている場合であっても、シリーズ名として使用される商標は多数存在し、それぞれが商標としての機能を発揮するから、そのことをもって本願商標の識別力を否定することはできない。

5 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、「L」と「Series」の欧文字とをハイフンで結合して、「L−Series」と横書きしてなるところ、その構成中の「L」は欧文字1文字であり、それのみでは、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章といわざるを得ないものであり、また、「Series」の欧文字は、「ひと続き、連続、シリーズ」の意味を有し、我が国においても、「シリーズ」と発音される英語として一般に広く慣れ親しまれているものである。

ところで、本願の指定商品は、照明用器具、写真機械器具、電池等(以下、これらをまとめて「照明用器具等」という。)の分野に含まれる商品を多数指定するものであるところ、原査定において示したインターネット情報及び前記3の証拠調べ通知において示した事実によれば、照明用器具等を取り扱う業界において、型式・品番等を共通にするシリーズもの(同系統ないしは一連の商品群)の商品であることを表す語として、商品の型式・品番等の一部である欧文字1文字と「Series」の欧文字又はその表音である「シリーズ」の片仮名とを結合してなる「○ Series」若しくは「○シリーズ」又はハイフンを介した「○−Series」若しくは「○−シリーズ」(○はいずれも欧文字1文字を表す。)の文字が取引上普通に採択、使用されており、かつ、「L Series」又は「Lシリーズ」等の文字も多数使用されている実情がうかがえる。

してみれば、本願商標に接する取引者・需要者においては、その構成中の「L」の欧文字を商品の型式・品番等を表すものと認識し、また、「Series」の欧文字をその商品が「シリーズものの商品」であることを表すものと認識するというのが自然であり、両文字をハイフンで結合してなる「L−Series」からは、「型式・品番等がLであるシリーズものの商品」程の意味合いを理解するにとどまるというべきであるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるというべきであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

なお、請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、前記4のとおり意見を述べている。

しかしながら、前記3の証拠調べ通知のとおり、照明用器具等を取り扱う業界において、「L Series」又は「Lシリーズ」等の文字が多数使用されている実情があり、上記のとおり、これらの文字が需要者等に商品名として認識されているとはいい難いから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮しているということはできない。

また、本願の指定商品及び本願商標が実際に使用されている商品が映画の撮影等に用いる限定された分野のものであるから、証拠調べ通知に示された照明用器具等の使用例をもって、本願商標の識別性が否定できない旨主張するが、たとえ、照明用器具等のうち映画の撮影等に用いる商品については、「L−Series」等の文字が「型式・品番等がLであるシリーズものの商品」の意味を表すものとして実際に使用されていないとしても、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。」(東京高裁平成12年(行ケ)76号判決)と判示され、本件の審理に係る商標法第3条第1項第6号は、同項第1号ないし第5号の総括条項であることからすれば、上記判決の判示した内容は、第6号の解釈についても妥当するものである。これを本件についてみれば、本願商標に商標法第3条第1項第6号を適用する場合において、「L−Series」等の文字が照明用器具等のうち映画の撮影等に用いるものに、「型式・品番等がLであるシリーズものの商品」の意味を表すものとして現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないものというべきであり、かつ、照明用器具等に係る業界において該意味合いを表すものとして多数使用されていることは上記のとおりである。そして、請求人は、本願の指定商品と証拠調べ通知に示された照明用器具等の取引系統、需要者層、用途等が相違することを主張するのみで、請求人からこれを客観的に証明する資料等が提出されているとはいえない。

さらに、請求人は、原審における意見書及び審判請求書において、過去の審決例(登録例)を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時に職権により調査した取引の実情は上記のとおりである。

してみれば、上記における請求人の主張は、いずれも採用することができない。

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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