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Trademark Appeal Case

地名と原材料の結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−21741(T2014−21741/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「新得そば」の文字を縦書きしてなり、第29類「野菜の漬物,果物の漬物,加工野菜及び加工果実」及び第30類「そばの実を使用したかりんとう,そば粉を使用した菓子及びパン,そばの実を使用した菓子及びパン,そばつゆ,ざるそば用だしの素,そばの麺用調味液,そば用スープ,そば用の調味料,はちみつ」を指定商品として、平成25年4月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、北海道南部の町名『新得町』の略称と認められる『新得』の文字に、指定商品との関係において、商品の原材料を表す『そば』を一連に普通に用いられる方法で『新得そば』と縦書きしてなるところ、本願指定商品との関係では『新得町産のそばを使用した商品』であることを認識させるから、単に商品の原材料を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、「新得そば」の文字を筆で書いたような特徴的な態様で縦書きにしてなるものである。

そして、本願商標は、その構成中の「そば」の文字が「タデ科の一年生作物。」(「広辞苑」第六版 岩波書店)を意味するものであり、その前に書された「新得」の文字が「北海道南部、十勝支庁上川郡。十勝川上流域を占める町」(「コンサイス日本地名事典」第5版 三省堂)を意味するものであるところ、同町のウェブサイト(http://www.shintoku-town.jp/shoukai/gaiyou/)によれば、「日本一のそばの町」として「昼間は温かく夜涼しい新得町の気候は、そばづくりに大変適しています。そばの産地は信州が有名でしたが今は圧倒的に北海道に移り、中でも新得町のそばの生産量は年間316tで、作付面積は250ha(平成26年度)です。」とあるとおり、同町は、そばの栽培地や生産地の土地柄といえる。

ところで、本願商標の指定商品は、上記1のとおり「野菜の漬物,果物の漬物,加工野菜及び加工果実,そばの実を使用したかりんとう,そば粉を使用した菓子及びパン,そばの実を使用した菓子及びパン,そばつゆ,ざるそば用だしの素,そばの麺用調味液,そば用スープ,そば用の調味料,はちみつ」であるところ、新得町は上記のとおり、そばの栽培地や生産地といえる土地柄ではあるが、その指定商品である漬物、菓子及びパンなどの産地、販売地として知られているわけではないから、「新得」の文字をもって直ちに該商品の産地ということはできないものである。

また、審判請求人(以下「請求人」という。)の主張及び提出した証拠によれば、請求人は、新得町特産のそばの製粉製麺工場を作る目的で、新得町農業協同組合とパシフィックエンタープライズが合弁して、昭和49年7月17日設立され、以後、現在に至るまでそば麺他の製造をおこなってきたことが認められる(甲第1号証ないし甲第15号証、甲第22号証ないし甲第29号証及び甲第51号証)。

そして、別掲2の新聞記事情報によれば、請求人は、新得町のそばを扱う事業者として広く知られた存在といえる。

さらに、請求人は、第30類「穀物の加工品」を指定商品として、本願商標の構成中の「新得」の文字の態様と同一といえる「新得」の文字からなる商標(登録第1679398号商標)等の登録商標を有しており、それら登録商標を長年使用してきたことが認められる。(参考資料1ないし参考資料3、甲第16号証ないし甲第21号証及び甲第34号証ないし甲第50号証)

そうすると、本願商標は、かかる特徴的な態様であることをも勘案すると、看者をして単に「新得町産のそば」の意味合いを認識するにとどまるものではなく、請求人を連想、想起することも否定できないものといえる。

以上の事情を総合して判断するならば、本願商標は、その指定商品について使用しても、直ちに商品の産地、原材料、品質を表示したものとはいえず、また、請求人の周知性からすれば、本願商標が直ちに自他商品の識別力がないとはいえないものであるから、商標法第3条第1項第3号には該当しないものである。

さらに、上記のとおり、本願商標は、商品の品質を表示したものとはいえないものである以上、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないから、商標法第4条第1項第16号にも該当しない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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