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Trademark Appeal Case

要部抽出による称呼・観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900124(T2014−900124/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5645732号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5645732号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年9月26日に登録出願され、第12類「カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,荷役用索道,軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、同26年1月7日に登録査定、同月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第955050号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)8月22日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年(平成20年)1月23日に国際商標登録出願され、第12類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年12月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立て理由の要旨

(1)商標法第4条第1項第11号該当性

ア 商標の類否

(ア)外観について

本件商標は、「UP!」の文字を表してなる引用商標とは外観においては区別できる。

(イ)称呼について

本件商標は、その構成中の「UP CYCLE」の文字に照応する「アップサイクル」の称呼を生ずるものであるが、この後半部分の「CYCLE」の文字は、「自転車、オートバイ(二輪自動車)」の意を有する語(英語)としても広く知られており(甲3の1ないし3)、商品「自転車、オートバイ(二輪自動車)」を表示するので、本件商標の構成中、自他商品識別標識として機能する部分(要部)は「UP」の文字部分であるから、この「UP」の文字に照応する「アップ」の称呼をも生ずる。

これに対し、引用商標は、「UP!」の文字からなるものであるから「アップ」の称呼を自然に生じる。

したがって、本件商標は、引用商標と「アップ」の称呼を共通にするので、称呼上同一又は類似の商標である。

(ウ)観念について

本件商標は、上記のとおり、その要部が「UP」であるので、この語意である「上の方へ、上へ」等(甲6の1及び2)から、「上の方へ、上へ、上昇」を観念させる。

他方、引用商標も「UP!」の文字からなるので、同様に「上の方へ、上へ、上昇」の観念を生ずる。

したがって、本件商標は、引用商標と観念を共通にするので、その観念において同一又は類似する。

(エ)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標とは、その外観においては相違するものの、称呼を共通にし、その観念をも共通にするものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、類似の商標である。

イ 商品の類否について

本件商標の指定商品と引用商標の指定商品「Motorized land vehicles and their parts included in this class; trailers for vehicles and their parts included in this class; engines for land vehicles; tires for vehicle wheels, rims for vehicle wheels, complete vehicle wheels and their parts; motorized vehicles, motorized scooters; motorized automobiles.」(参考和訳:自動車及び二輪自動車並びにその部品(本類に属するものに限る。),乗物用トレーラー及びその部品(本類に属するもの。),陸上の乗物用のエンジン,航空機・自動車・二輪自動車・自転車用タイヤ,航空機・自動車・二輪自動車・自転車用リム,航空機・鉄道車輌・自動車・二輪自動車・自転車用の完成車輪及びそれらの部品,自動車及び二輪自動車,原動機付きスクーター,モーター付き自動車)とは、同一又は類似するものである。

ウ まとめ

本件商標は、引用商標と類似し、その指定商品も引用商標と同一又は類似するので、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)むすび

上記のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性

ア 本件商標

本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、赤色の横長鼓型図形内に白抜きで「UP CYCLE」の文字を表わした文字と図形の結合商標であり、該文字部分は、「UP」と「CYCLE」の文字の間に1字分のスペースはあるものの、同じ書体、同じ大きさで横一連に書されているものであり、該文字より生じる「アップサイクル」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、その構成中、「UP」の文字が「上へ、上方へ」の意味を有し、「CYCLE」の文字が「周期、サイクル、自転車(bycycle)、オートバイ(motorcycle)」などの意味を有する英語として広く知られているとしても、構成文字全体からは特定の意味合いを理解させるとはいい難く、一種の造語を表したものと認められるものである。

そうすると、本件商標は、「UP CYCLE」の文字に相応して「アップサイクル」の称呼のみが生じ、特定の観念は生じないというのが相当である。

イ 引用商標

引用商標は、別掲2のとおり、「UP」の欧文字と感嘆符「!」の記号が表された構成からなるところ、上述したとおり、我が国において「UP」の文字が「上へ、上方へ」の意味を有する語として広く知られており、感嘆符部分は称呼しないのが一般的であり、これが付されることで異なる観念を生じさせるものではないことから、該構成文字に相応して「アップ」の称呼を生じ、「上へ、上方へ」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用商標との対比

本件商標と引用商標とは、上記ア、イのとおり、外観上においては顕著な相違を有するものであるから、判然と区別し得るものである。

また、本件商標から生ずる「アップサイクル」の称呼と引用商標から生じる「アップ」の称呼とを対比すると、両者は、本件商標が6音構成であるのに対して引用商標が2音構成であって、その構成音数及び構成音において明らかに差異を有するものであるから、十分聴別し得るものである。

さらに、観念においても、本件商標は、特定の観念が生じないものであるから、比較することができない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。

エ 小括

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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