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Trademark Appeal Case

商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900349(T2014−900349/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5702849号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5702849号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成26年1月10日に登録出願され、第25類「被服,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。)」、第28類「運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。)」及び第35類「商品の販売に関する情報の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同年7月28日に登録査定、同年9月19日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして、本件登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の12件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第801725号

登録第801725号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DANIEL HECHTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和42年6月10日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同43年12月20日に設定登録され、その後、平成21年4月22日に、指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

2 登録第1734854号

登録第1734854号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ダニエル エシュテル」の片仮名を横書きしてなり、昭和56年12月16日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同59年12月20日に設定登録され、その後、平成16年11月10日に、指定商品を第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

3 登録第1920957号

登録第1920957号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和58年12月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同61年12月24日に設定登録され、その後、平成19年3月28日に、指定商品を第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

4 登録第4395976号

登録第4395976号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成11年4月22日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同12年6月30日に設定登録されたものである。

5 国際登録第795009号商標

国際登録第795009号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、2002年9月24日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2002年(平成14年)12月18日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, footwear and headgear.」を指定商品として、平成15年6月20日に設定登録されたものである。

6 国際登録第802681号商標

国際登録第802681号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、2002年12月27日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2003年(平成15年)3月27日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, footwear, headgear.」を指定商品として、平成16年1月9日に設定登録されたものである。

7 国際登録第596581A号商標

国際登録第596581A号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲6のとおりの構成からなり、2006年(平成18年)3月22日に国際商標登録出願(事後指定)され、第16類「Paper, boxes of paper, table cloths of paper, table napkins of paper, cardboard and cardboard articles; printing products; bookbinding material; photographs; stationery; adhesives for stationery or household purposes; artists' supplies; paintbrushes; typewriters and office requisites; instructional or teaching material; plastic materials for packaging; printing type; printing blocks.」、第18類「Leather and imitation leather, goods made thereof not included in other classes; animal skins and hides; trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks; whips and saddlery.」、第24類「Woven fabrics; face towels of textile, sheets of textile, table napkins of textile, table linen of textile, tapestry [wall hangings] of textile; bed and table covers.」及び第25類「Clothing, footwear, headgear.」を指定商品として、平成19年11月30日に設定登録されたものである。

8 登録第902917号

登録第902917号商標(以下「引用商標8」という。)は、「DANIEL HECHTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年4月8日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同46年6月21日に設定登録され、その後、平成13年5月23日に、指定商品を第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

9 登録第902920号

登録第902920号商標(以下「引用商標9」という。)は、「ダニエル エシュテル」の片仮名を横書きしてなり、昭和44年4月8日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同46年6月21日に設定登録され、その後、平成13年5月9日に、指定商品を第14類「貴金属製靴飾り」、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」、第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」、第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

10 登録第5043039号

登録第5043039号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲7のとおりの構成からなり、平成18年10月23日に登録出願、第25類「短靴,その他の履物」を指定商品として、同19年4月20日に設定登録されたものである。

11 登録第898839号

登録第898839号商標(以下「引用商標11」という。)は、DANIEL HECHTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年4月8日に登録出願され、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同46年5月27日に設定登録され、その後、平成14年1月30日に、指定商品を第14類「貴金属製のがま口及び財布,身飾品,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,腕止め,頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

12 登録第918691号

登録第918691号商標(以下「引用商標12」という。)は、「ダニエル エシュテル」の片仮名を横書きしてなり、昭和44年4月8日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同46年8月2日に設定登録され、その後、平成13年5月23日に、指定商品を第14類「貴金属製のがま口及び財布,身飾品,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,腕止め,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする、指定商品の書換登録がされたものである。

13 以下、上記引用商標1ないし引用商標12をまとめて「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証(枝番を含む。)を提出した。

なお、以下、枝番のすべてを引用するときは、枝番号を省略する。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、文字部分から、フランス語読みの「エシュテル」の称呼が生じる(甲14)。他方、引用商標中、特に、引用商標4、引用商標6及び引用商標10の文字部分「HECHTER」から、仏語においては語頭の「H」が発音されないことから(甲15、甲16)、「エシュテル」の称呼が生じる。

よって、本件商標と上記引用商標とは、共に、「エシュテル」の称呼を共通にする類似のものである。

また、3つの花びらのような図形から構成される本件商標の図形部分中、色彩が濃い2つは、引用商標4及び引用商標6の図形部分(斜めの2本線)と、外観が類似する。よって、商標全体として類似する。そして、指定商品も互いに抵触するものである。

2 商標法第4条第1項第10号について

商標「DANIEL HECHTER」は、1962年に、フランス人デザイナー「ダニエル・エシュテル」(甲17ないし甲19)が採択して以来、50年以上にわたって、フランスをはじめとするヨーロッパ各国において、「スーツ」、「コート」、「スポーツウェア」等に使用・登録されてきた(甲20ないし甲27)。その結果、商標「DANIEL HECHTER」は、広く一般に知られている。

また、その後、商標「DANIEL HECHTER」は、日本においても使用され(甲28ないし甲36)、その結果、日本においても、広く一般に知られている。本件商標は、これらの周知商標に類似する。

3 商標法第4条第1項第15号について

上述のとおり、商標「DANIEL HECHTER」は、フランスをはじめとするヨーロッパ各国及び日本において、広く一般に知られている(甲20ないし甲36)。

よって、これと紛らわしい本件商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合、商品又は役務の出所について混同を生じるおそれがある。

4 商標法第4条第1項第19号について

商標「DANIEL HECHTER」が周知であること、また、本件商標の図形部分が、申立人の商標(引用商標4及び引用商標6)を構成する図形部分に類似する商標であることに鑑みると、商標権者が本件商標を採択したことは、申立人の周知商標にフリーライドする意図が見受けられるものであり商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断

申立人は、本件商標が商標第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当すると主張しているので、以下、検討する。

1 引用商標の周知性について

申立人は、商標「DANIEL HECHTER」は、ヨーロッパ、特に、フランスにおいて周知であり、日本においても周知であると主張しているので、以下、検討する。

甲第17号証ないし甲第36号証によれば、「DANIEL HECHTER(ダニエル・エシュテル)」は、フランスのファッション・デザイナーであり、申立人は、フランスを始めとする諸外国において、「DANIEL HECHTER」及び「HECHTER」等の商標を、我が国において、「DANIEL HECHTER」及び「ダニエル・エシュテル(ダニエル エシュテル)」の商標を登録又は使用して、「スーツ」、「コート」、「婦人服」、「紳士服」、「スポーツウェア」を取り扱っていることが認められる。

しかしながら、このうち、甲第18号証の1、甲第21号証の1、甲第22号証の1、甲第23号証の1、甲第24号証ないし甲第26号証は、日本語によるものではないことから、ここに示されている内容が日本の需要者間で周知されていると認めることはできず、また、その他の甲各号証によっても、どの引用商標が、我が国において、どのような商品について、どの期間、どの地域で、どのような規模で使用されたのか等を把握することができないばかりか、その宣伝広告の程度も甲第31号証ないし甲第36号証にみられるものにとどまり、かつ、これらの雑誌等が、取引者、需要者間にどの程度頒布又は販売されたのかを把握することもできず、引用商標を使用した商品「婦人服」、「紳士服」等のシェアも判然としないものである。

そして、当審が職権をもって調査しても、本件商標の登録査定時以前の、主な全国紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞)において「ダニエル・エシュテル(ダニエル エシュテル)」の語に関する記事や情報を把握することはできず、また、インターネット検索によっても、引用商標が周知性を獲得しているとの取引上の実情を認めることもできないものである。

そうであれば、我が国において、「DANIEL HECHTER」及び「ダニエル・エシュテル(ダニエル エシュテル)」の商標が「婦人服」、「紳士服」等に使用されていることは認め得るものの、これが、申立人の業務に係るファッションに関連する商品について使用されて、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されて周知になっていたということはできない。

さらに、「DANIEL HECHTER」及び「ダニエル・エシュテル(ダニエル エシュテル)」の商標が、単に「HECHTER」ないし「エシュテル」と略称されて取引に資されていることを示す証拠はなく、当審による職権調査によっても、その事実も認めることはできないものである。

したがって、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間で広く知られている商標と認めることはできない。

2 本件商標と引用商標の類否について

(1)本件商標について

本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「echter」の欧文字は、一般の英語の辞書には掲載されてはおらず、また、これが我が国で親しまれて使用されている外国語ともいえないことから、該文字からは特定の観念は生じないというべきである。

そして、本件商標のような成語とはいえない欧文字からなる商標を称呼する場合、我が国において最も一般に親しまれているローマ字又は英語における発音に倣って称呼されるとみるのが自然である。

そうすると、本件商標の語頭部分の「ech」の部分については、例えば、「technic」の語が「テクニック」と、「technology」の語が「テクノロジー」と発音され、さらに、「speech」の語が「スピーチ」と発音されることなどに倣えば、「echter」の文字部分からは、「エクター」又は「エチター」の称呼が生じるというのが相当である。

これについて申立人は、「echter」の文字部分からは、フランス語読みの「エシュテル」の称呼が生じると主張している。しかしながら、我が国において、フランス語は広く一般に親しまれている外国語とまではいえないことから、本件商標の取引者、需要者が、「echter」の文字部分をフランス語読みした称呼をもって取引に資するとみるのは自然とはいえないところ、申立人は、「echter」の文字につて、フランス語読みした「エシュテル」の称呼が自然に生じることを証明する証左を示してはいないから、この申立人の主張は採用することはできない。

(2)引用商標について

引用商標4及び引用商標6は、斜めの二本線の下に「HECHTER」及び「STUDIO」の文字を二段に書してなるところ、一体に表示された構成態様からすれば、「HECHTER」の文字部分が分離抽出されて取引に資されるものとはいえないから、上記(1)における「ech」の部分についての英語の発音例に倣い、「ヘクタースタジオ」又は「ヘチタースタジオ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。

そして、引用商標4及び引用商標6以外の引用商標は、「DANIEL HECHTER」、「daniel hechter」、「ダニエル エシュテル」又は「HECHTER」の各文字部分をその構成中に含むものであるところ、「ダニエル エシュテル」の片仮名部分からは、「ダニエルエシュテル」の称呼が生じ、「DANIEL HECHTER」及び「daniel hechter」の欧文字部分からは、上記(1)における「ech」の部分についての英語の発音例に倣い、「ダニエルヘクター」又は「ダニエルヘチター」の称呼が、また、「HECHTER」の文字部分からは、同じく「ヘクター」又は「ヘチター」の称呼が生じるといえるものである。さらに、これらの各文字は、一般の辞書等に掲載されてはおらず、また、上記1のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間で広く知られている商標とは認められないものであるから、引用商標4及び引用商標6以外の引用商標も、特定の観念を生じないというべきである。

(3)本件商標と引用商標の類否について

ア 外観について

本件商標は、上記第1の構成からなるものであり、引用商標は、それぞれ上記第2の構成からなるものであるから、本件商標と引用商標とは、外観において互いに区別できるものである。

また、本件商標を構成する図形部分は、引用商標3ないし引用商標7を構成する図形部分とは別異のものというべきであって、互いに紛れることはないというべきである。

イ 称呼について

本件商標からは、上記(1)のとおり「エクター」又は「エチター」の称呼が生じるのに対し、引用商標からは、上記(2)のとおり、「ヘクタースタジオ」、「ヘチタースタジオ」、「ダニエルヘクター」、「ダニエルヘチター」、「ダニエルエシュテル」、「ヘクター」又は「ヘチター」の称呼が生じるものである。

そして、本件商標から生じる「エクター」又は「エチター」の称呼と、引用商標4及び引用商標6から生じる「ヘクタースタジオ」又は「ヘチタースタジオ」の称呼とは、音構成及び構成音数において顕著な差異を有することから、称呼において相紛れるおそれはないというべきである。

次に、本件商標から生じる「エクター」又は「エチター」の称呼と、引用商標1ないし引用商標3、引用商標5、引用商標7ないし引用商標9、引用商標11及び引用商標12から生じる「ダニエルヘクター」「ダニエルヘチター」又は「ダニエルエシュテル」の称呼とは、音構成及び構成音数において顕著な差異を有することから、本件商標と上記の各引用商標とは、称呼において相紛れるおそれはないというべきである。

さらに、本件商標から生じる「エクター」又は「エチター」の称呼と、引用商標10から生じる「ヘクター」又は「ヘチター」の称呼とは、語感、語調が少なからず相違するから、本件商標と引用商標10とは、その称呼において相紛れるおそれはないというべきである。

ウ 観念について

上記(1)及び(2)のとおり、本件商標からは特定の観念は生じないものであり、また、引用商標からも特定の観念は生じないから、本件商標と引用商標とは観念において相紛れるおそれはないものである。

エ 類否判断

以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、類似する商標ということはできないものである。

3 商標法第4条第1項第10号該当性について

上記1及び2のとおり、引用商標は、申立人の商品「婦人服」、「紳士服」等を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているとはいえず、かつ、本件商標と引用商標は、類似するとはいえないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

4 商標法第4条第1項第11号該当性について

上記2のとおり、本件商標と引用商標は、類似するとはいえないものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記1及び2のとおり、引用商標は、申立人の商品「婦人服」、「紳士服」等を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているとはいえず、かつ、本件商標と引用商標は、類似するとはいえないものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生じるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

6 商標法第4条第1項第19号該当性について

上記1及び2のとおり、引用商標は、申立人の商品「婦人服」、「紳士服」等を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているとはいえず、かつ、本件商標と引用商標は、類似するとはいえないものであり、さらに不正の目的をもって使用をするものとの事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。

7 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当しないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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