Trademark Appeal Case
称呼類似と周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900014(T2015−900014/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5719181号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナスクネット」の片仮名を標準文字で表してなり、平成26年5月14日に登録出願、第6類「金属製手すり」を指定商品として、同年8月27日に登録査定、同年11月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第16号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第84号証を提出した。
(1)申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
ア 登録第4572231号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 クネット(標準文字)
指定商品 第6類及び第19類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成12年11月30日
設定登録日 平成14年5月31日
イ 登録第4802562号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 QUNETTO
指定商品 第6類及び第19類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成16年3月5日
設定登録日 平成16年9月10日
ウ 登録第5646118号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲のとおり
指定商品 第6類及び第19類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成25年2月21日
設定登録日 平成26年1月31日
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 使用商標
商標権者(先の権利者を含む。)は、「手すり」の商品名を「クネット」及び「QUNETTO」(決定注:申立人が商品「手すり」に使用する商標「クネット」及び「QUNETTO」について、以下、前者を「使用商標1」と、後者を「使用商標2」と、さらに、これらを一括して「使用商標」という場合がある。なお、「QUNETTO」の欧文字と図形を併記して使用している場合も、当該欧文字は「使用商標2」ということとする。また、使用商標を付した申立人の商品「手すり」を「申立人商品」という場合がある。)とし、以下のとおり継続して使用している。
そして、以下の様々な広告宣伝活動、使用地域、使用期間、使用方法、態様、販売数量、売上高等の取引における実情等を考慮し、社会通念に照らして客観的に判断すれば、商品「手すり」との関係において、使用商標は、取引者、需要者間に広く知られている商標であることは明確である。
(ア)使用商標は、全国紙、地方紙、専門紙、著名な週刊誌、月刊誌、季刊誌、商工会議所だより、各種広報、テレビ・ラジオ等において、申立人の業務に係る「手すり」の商品名として掲載表示されており、そこには申立人商品の設置箇所、設置箇所の写真、機能説明、その効果、販売数量及び売上高等について多くのことが記載されている(甲5〜甲78)。そして、それらの広告宣伝活動及び製造・販売・設置は、当初の事業開始の2001年より、各種の知財の権利を得て、今日に至るまで継続して行われてきている。
(イ)申立人は、広告宣伝の主体をインターネットのホームページへと移行している。手すりの「クネット」又は申立人の社名の「株式会社クネット」を文字入力すれば、申立人商品が表示され、それら手すりが多数、製造され、販売され、北海道から九州に至る全国に設置されている事実が出力される(甲79)。
このインターネット情報がリニューアルされて継続している事実は、その経歴より明らかであり、該情報には申立人商品に関する製品情報、全国の代理店一覧等も記載されている。
(ウ)申立人の2013年3月1日発行「QUNETTO クネット」のカタログ(多くの販売代理店、施工会社、その他取引者、需要者へ頒布 甲80)には、申立人商品の特徴、申立人商品が「バリアフリー新法ガイドライン・設計標準」に適合した商品であること、申立人商品の評価、申立人商品の種類、施工方法、対候性・耐久性に優れていること、申立人商品の設置事例、商品価格表等が記載されている。該カタログは毎年リニューアルされて以前より継続発行している。
(エ)申立人商品は、様々な地域の官公庁、教育施設、街路、共同住宅、娯楽施設、社会教育施設、宿泊施設、公園・河川、神社・寺・霊園・葬祭場、交通施設、公安施設、公衆トイレ、住宅展示場、店舗、病院、ビル・事務所、福祉施設、駅・コンコース及び住宅等において設置され(甲5〜甲81)、その数量も多く、かつ、継続的に多くの地域で使用されてきた実績がある。2010年4月の時点で設置箇所は43,000箇所に達している(甲73)。
(オ)申立人商品の製造、販売及び設置等に伴う売上高は、2007年3月期の決算時点で5億円を越しており(甲34)、現在までの売上高累計は何10億円に達している。
イ 本件商標と使用商標とが類似している事実
商標法第4条第1項第10号に係る法解釈及び特許庁の商標審査基準では、需要者の間に広く認識された他人の未登録商標(登録商標も含む)と他の文字又は図形等とを結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その未登録商標と類似するものとされる、としている。
それに従えば、本件商標は、申立人の周知商標「クネット」に「ナス」の2文字を付したにすぎず、申立人の周知商標「クネット」と著しく異なった外観、称呼及び観念を生じるものではなく、本件商標を申立人の周知商標「クネット」と類似する商標とすることに阻害要因は全くない。
上記したように、使用商標は、取引者、需要者間において広く認識されており、その商標に化体された利益は保護されるべきであり、これに類似する本件商標は登録すべきではない。また、本件商標が「手すり」に使用されたならば、申立人の業務に係る「手すり」として取引者、需要者間で誤認され、出所の混同が生じることにもなる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標1が類似している事実
(ア)本件商標の構成中の「ナス」の文字部分は分離観察されるべきであること
最高裁判決では、一般に、商標の類否の判断については、商標を全体的に観察してするのが基本であるものの、常に一体として観察しなければならないものではなく、商標の構成中特定の部分が注意を引きやすく、その部分が存在することによって始めてその商標の識別機能が認められるときは、全体的観察と並行して商標を機能的に観察し、その中心的な識別力を有する部分、すなわち要部を抽出して対比の判断をすることが必要であるとされている。
結合商標の類否の判断をするに当たっては、注意を喚起しやすい構成部分、各構成要素の結合の強弱の程度、結合した各構成部分の意味内容等によって、構成部分の一部のみが要部となり、識別力が生じるとするのが裁判所の判示であり、長年にわたる特許庁のプラクティスである。
上記観点から本件商標と引用商標1とを全体的観察及び商標を機能的に観察比較するならば、本件商標の構成中注意を喚起する部分は、引用商標1と同じ「クネット」の文字部分であり、本件商標全体が不可分一体的な一連の文字と認められることは経験則より有り得ない。
甲第5号証ないし甲第80号証、引用商標3を含めた申立人の「クネット○○」の登録商標や標識の存在、それら商品を単に「クネット」と称して取り引きされている事情からも、「クネット」の文字部分が商標の要部であることは明らかである。そうすると、「ナスクネット」の識別力は「クネット」の文字部分にあり、本件商標の要部となり得る構成部分として「クネット」が抽出できるのであって、「ナスクネット」の文字全体が不可分一体となって1個の統一的な称呼及び観念を形成しているものではない。
したがって、本件商標は、分離観察する場合、「ナス」と「クネット」の構成部分に分けて抽出され、その構成部分が分離して観察され、取引者、需要者に認識されることに何ら妨げはない。そして、本件商標が引用商標1と同一商品となる「手すり」に使用されるならば、「クネット」の文字部分が識別機能を有するものとして、取引者、需要者の間で認識され取り引きされることは明らかである。
(イ)本件商標の構成中の「ナス」の文字部分に識別機能はないこと
a 「ナス」と称呼される文字は、「茄子」、「那須」、「生す」、「成す」及び「為す」など多数存在するが、一般的に使用される頻度、本件商標の構成中の位置、本件商標の指定商品等を考慮すれば、取引者、需要者は、本件商標の構成中における「ナス」の文字部分は「那須」を想起するものである。
そして、「那須」は著名な地域名である。本件商標の「ナスクネット」は、外観、称呼及び観念とも那須地域の「クネット」を想起するものであり、登録商標に著名な地名を付したもの、或いは識別力を有する文字と地名とが結合された商標といえ、当該登録商標に類似するものとして商標登録を受けることはできない。過去の審決のおいても、「灘松竹」は「松竹」に類似するとした審決(昭37審3129〜313l)等このような商標が多数登録を否定されている。
b 申立人商品は、2005年ないし2014年に栃木県及び那須地方において多数設置されている(甲81)。取引者、需要者において、那須或いはそれに近接した栃木県内の他の地域に設置された「ナスクネット」は「那須クネット」と理解され、申立人の「クネット」を当該地域で設置したものとして認識されることは明らかである。
c 申立人は「クネット」に地名を付した「クネット天童」なる商品を主力製品の一つとして製造、販売及び設置をしている(甲80)。「天童」は、山形県の著名な市であり、木材の加工品を取り扱う地域として取引者、需要者に知られているところである。同様に「那須」は、森林豊かで木材を取り扱う地域として認識されている。上記のように、「クネット」に地名が想起できる「ナス」を付した「ナスクネット」は、「クネット」の単なる産地、品質を表示しているにすぎず、「クネット」に地名が付された手すりが出回るならば、その手すりが申立人に係る手すりと認識されることは明らかである。
(ウ)本件商標を「ナス」と「クネット」の文字を結合した結合商標と判断するならば、前記したように、本件商標の構成中の「クネット」の文字部分が要部として分離認識されるので、該文字とは密接な関係になく識別機能のない二文字の「ナス」が単に「クネット」に付されているにすぎず、「ナス」の文字部分に商品の識別力がないことは明らかである。
分離可能な商標において、その結合が不自然である場合、その要部をもって判断するのが原則である。例えば、「天女」に対し「まごころ天女」(昭37審808)、「ピヨピヨ」に対し「幸運ピヨピヨ」(昭41審165)等において、後者の商標は、前者の商標により識別力がないものと判断されている。
イ 本件商標に係る商標権者の商品と使用商標とが出所を混同する事実
(ア)上記ア(ア)で述べたように、申立人において「クネット」に他の文字や図形を付して様々な種類の手すりの商品名とすることが行われており、それらは取引者、需要者において単に「クネット」として取引きされており、本件商標が手すりに使用されるならば、取引者、需要者は申立人の業務に係る商品と混同することは明らかであり、現に出所の混同が生じている事実がある。
(イ)商標権者は、申立人が製造、販売、設置している申立人商品と同じ「手すり」を株式会社クネット・インターナショナル(本件商標に係る当初の出願人)より供給を受け、それを販売、設置している会社である。
申立人は、これに対し、平成26年6月11日、通知書(甲83)により警告をしている。通知書中の「NAS」は「ナス」と同一である。商標権者は、この警告によりホームページを削除したいきさつがある。株式会社クネット・インターナショナルにおいては、当初より本件商標を商標権者へ譲渡することが前提であったと推測でき、そうならば自社名の一部と判断できる文字を付した商標が登録されたものであり、本件商標は申立人の登録商標に商標権者の自社名の要部の一部を付したにすぎない。
本件商標を付された手すりが、商標権者により販売、設置されるならば、取引者、需要者において申立人或いはその関係者に係る会社からの商品と誤認され、出所が識別できず、混同を生じることになる。
識別力のある他者の登録商標に第三者の自社名又は自社名を認識させる文字が付されたにすぎない商標は、証拠を示すまでもなく、登録を受けることはできない。
(4)商標法第4条第1項第16号について
上記(3)で述べたように、本件商標の構成中の「ナス」の文字部分は、栃木県の那須と外観、称呼及び観念を同一とし、それら地域を想起させるものであり、申立人商品の品質を表すものとして需要者において誤認させる可能性があるものである。
平成26年7月16日ないし18日に栃木県宇都宮市で行われた第50回栃木県建設展において「ナスクネット」と称して申立人商品と同じ商品が出品(甲84)されている事実がある一方、他の地域となる東京都においても同商品が販売・設置されており、それらの事実は申立人商品の品質の誤認を生じさせ或いは生じさせるおそれがあるものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(5)むすび
本件商標は、上記したように、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)使用商標の周知性について
申立人提出の証拠及び同人の主張を総合勘案すれば、以下のとおり、認められる。
申立人は、引用商標の権利者であるところ、引用商標1及び引用商標2の権利者(その後、申立人と共有の権利者)であった、株式会社クネット・ジャパン(以下「クネット・ジャパン」という。)が行っていた金属製手すりや金属製金具を含めた手すりの事業を継承し、行っている。
そして、クネット・ジャパンは、商品「手すり」に使用商標1を使用し、2001年(平成13年)に開発・製品化し、同年グッドデザイン賞を受賞し、該商品は、高齢者施設や病院、マンション、また、比叡山延暦寺や湯島天神などの観光地、路線バスの乗降口などで、階段やトイレ用の手すりに採用され、2009年(平成21年)の設置数は、4万3千件であり、例えば、2006年12月23日発行の週刊ダイヤモンドには、「クネクネと波形に曲がったてすり。『クネット』という、そんな一風変わった手すりが今、全国に広がりつつある。」(甲24)と、2007年4月13日付シルバー新報には、「クネットジャパンが開発・販売する波形手すり『クネット』が公共施設で人気だ。」(甲36)と、2010年7月15日付毎日新聞には、「ヒット」の見出しの下、「くねくねと波打つ形の手すり『クネット』・・・お年寄りや障害者の移動に便利だとして、全国に設置の動きが広がっている。」(甲77)と記載されているのをはじめ、毎日新聞、読売新聞等の全国紙、中部経済新聞、西日本新聞等の地方紙及び建設新聞、シルバー新報等の専門誌、各種雑誌及びテレビにおいて紹介されている(甲5ないし甲78)ことから、引用商標1は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、一定程度の周知性を獲得していたといえる。
なお、「QUNETTO」の欧文字からなる使用商標2は、2007年の雑誌(甲29)、2013年発行のの申立人のカタログ(甲79及び甲80)等数件にしかその表示を見い出すことができないことから、需要者の間に広く認識されていたとまでは言い難いものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり「ナスクネット」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字は、同書、同大、同間隔で、まとまりよく一体に表されているものであり、また、該文字に相応して生じる「ナスクネット」の称呼も、促音を含めて6音と簡潔なものであり、淀みなく一連に称呼し得るものであるから、その構成文字全体が一体不可分のものといえ、「ナスクネット」の一連称呼のみを生じるものといえる。そして、該文字は、辞書等に掲載されない造語といえるから、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、上記2(1)アのとおり「クネット」の文字からなり、該文字に相応し「クネット」の称呼を生じるものである。
そして、該「クネット」の文字は辞書等に掲載されない造語といえるから、特定の観念を生じないものといえる。
(イ)引用商標2は、上記2(1)イのとおり、「QUNETTO」の文字からなるものであり、また、引用商標3は、別掲に示すとおり、図と「QUNETTO」の文字からなるものであるから、いずれも、その構成文字に相応して「クネット」の称呼が生じるものである。そして、該文字は、辞書等に掲載されない造語といえるから、特定の観念を生じないものといえる。
ウ 本件商標と引用商標1の類否
本件商標と引用商標1とを比較すると、外観においては、両者は、6文字と4文字という比較的少ない文字構成にあって、語頭において「ナス」の文字の有無という差異を有するから、外観上、明らかに区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ナスクネット」の称呼と引用商標1から生じる「クネット」の称呼は、「ナス」の音の有無という差異を有するものであり、両者の称呼は、いずれも促音を含めても、6音と4音という比較的簡潔な音数で構成されるものであることをも勘案するならば、語頭における該差異音が称呼全体に与える影響は小さくないといえるから、語調、語感が相違し、互いに聴き誤るおそれはないものといえる。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標1は、いずれも特定の観念を有しないものであるから、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
エ 本件商標と引用商標2及び引用商標3の類否
引用商標2及び引用商標3は、上記イのとおり構成からなり、いずれも「クネット」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであるところ、本件商標と引用商標2及び引用商標3とは、上記ウと同様に、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
オ 申立人の主張
申立人は、「クネット」の文字に地名を付した商品を製造、販売していることを述べた上で、本件商標の構成中「ナス」の文字部分が地名「那須」又は商標権者の会社名を、また、「クネット」の文字部分が申立人が「手すり」に使用する商標「クネット」を想起させるものであり、本件商標が「ナス」と「クネット」の語から構成されるものと認識されると主張する。
しかしながら、親しまれた文字や語という観点からは、申立人主張の地名の「那須」は漢字で表すことが多く、片仮名で表すことが一般的とはいえないばかりでなく、申立人が扱っている地名を冠した商品も「クネット天童」と称するものであって、片仮名で一連に表したものではない。加えて、本件商標は、「網」を意味する語として親しまれている「ネット」の文字が含まれていえることをも踏まえるならば、たとえ、申立人の「クネット」の商標を使用した商品が新聞、雑誌等で紹介されていることを勘案しても、本件商標が申立人が主張する二つの語に分けて認識、把握されるということはできないのであって、むしろ、一体不可分の構成からなるものと認識、把握されるとみるのが自然といえる。
また、申立人は、本件商標が申立人に係る商品と現に出所の混同を生じさせている事実がある旨主張しているが、その事実を認めるに足る証拠は見いだし得ない。
よって、申立人のかかる主張は、採用することができない。
カ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第10号について
使用商標1は、上記(1)のとおり、他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に一定程度の周知性は認められるものであるとしても、本件商標は、上記(2)アのとおり、一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが自然といえるものであって、上記(2)ウと同様に、本件商標と使用商標1とは相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
また、使用商標2については、上記(1)のとおり、他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして周知性を有するとはいえないものであり、使用商標1と同様に本件商標とは非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
(4)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、上記(2)アのとおり、一体不可分のものとして把握されるものであり、特定の語意を有するものでなく、特定の観念を生じない造語と認識させるものであって、商品の品質を表示するものではない以上、これをその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生じるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものということはできない。
(5)むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第16号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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