Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−21660(T2014−21660/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第35類ないし第37類及び第40類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年11月13日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品及び指定役務については、当審における平成26年10月27日付け手続補正書により補正された結果、第37類「建設工事,建築工事,リフォーム工事,建設工事に関する助言又はコンサルティング,建築工事に関する助言又はコンサルティング,リフォーム工事に関する助言又はコンサルティング,建設工事に関する情報の提供,建築工事に関する情報の提供,リフォーム工事に関する情報の提供」となったものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第3016922号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年8月17日に登録出願され、第37類「係船用・養殖用・遊歩用・釣用・網場用・集塵用・水泳用・通船用・取水用・曝気用桟橋施設の設置工事及び保守」を指定役務として、同6年12月22日に設定登録されたものであり、その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本願商標
本願商標は、前記1のとおり、黒く塗り潰した方形の四隅を上下左右に位置するように配し、その内部に「Z」又は「N」の欧文字を白抜きしたとおぼしきデザインを施した図形(以下「方形図形」という。)部分と、その右に、「I」の文字中に極めて小さなハート図形を白抜きした「ZeNIyA」の欧文字を黒色で表した文字部分からなるところ、「ZeNIyA」の文字部分は、同じ書体・等間隔でまとまりよく一体的に表されていること、該文字部分は、方形図形部分とは大きさが異なる構成であること、さらに、両者の間にスペースがあることなどから、本願商標は、方形図形部分と「ZeNIyA」の文字部分とが視覚上分離して観察され得るものである。
そして、その構成中の方形図形部分からは、特定の称呼、観念が生じるとはいえない。
また、「ZeNIyA」(Zeniya)の文字は、英語辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務の分野において、特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないものであるところ、該分野にあっては、既成語ではない欧文字で構成され、かつ、片仮名を併記するなどしてその読みが特定されていない商標の場合、英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の「ZeNIyA」の文字部分を分離、抽出し、この文字部分をもって取引に資されることも少なくないというのが相当であって、本願商標からは、「ZeNIyA」の文字部分に相応して、これをローマ字風に発音した「ゼニヤ」の称呼が生じるものであり、特定の観念は生じない。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「Zeniya」の欧文字を横書きしてなるものであり、構成各文字が、それぞれの文字の上下中程に横書きの波線を配し、波線の上部を濃い青色、下部を薄い青色で彩色されている。
そして、上記のとおり、「Zeniya」の文字からは、これをローマ字風に発音した「ゼニヤ」の称呼が生じるものであり、特定の観念は生じない。
ウ 本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標の類否についてみるに、本願商標は、その要部となり得る「ZeNIyA」の文字部分が、引用商標「Zeniya」と文字綴りを同一にするものであるから、両商標は、外観上近似した印象を与えるものである。
また、本願商標と引用商標とは、共に「ゼニヤ」の称呼を生じるものであるから、両者は、称呼を共通にするものである。
さらに、本願商標と引用商標とは、共に特定の観念が生じないものであるから、両者は、観念上比較することができない。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、観念上比較できないとしても、外観上近似した印象を有し、称呼を共通にすることから、互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否
本願の指定役務中「建設工事,建築工事,リフォーム工事,建設工事に関する情報の提供,建築工事に関する情報の提供,リフォーム工事に関する情報の提供」(第37類)は、引用商標の指定役務「係船用・養殖用・遊歩用・釣用・網場用・集塵用・水泳用・通船用・取水用・曝気用桟橋施設の設置工事及び保守」(第37類)と同一又は類似するものである。
オ 小括
以上からすれば、本願商標と引用商標とは、類似の商標であり、その指定役務も同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の文字部分は、「Z」、「e」、「N」、「I(文字中にハートのマーク有り)」、「y」及びギリシャ文字の「Λ」(ラムダ)を左横書きするものであると主張する。
しかしながら、近時、商標の構成中の一部の文字をデザイン化して表すことが一般的に行われており、また、別掲3のとおり、「A」の欧文字を、横線を除いた態様(Λ)でデザイン化することが普通に行われていることに加え、本願商標の構成において、「A」(Λ)の文字部分が、「Z」、「e」、「N」、「I」及び「y」の欧文字と同じ書体、同じ大きさ(頭文字「Z」はやや大きい)で等間隔に配置されていることよりすれば、本願商標の文字部分は、「ZeNIyA」の欧文字を、普通に用いられる方法の範ちゅうで表してなるものとみるのが相当である。
よって、請求人の主張は採用することができない。
イ 請求人は、4件の審決・異議決定例を挙げて、近年の商標の類否判断にあって、称呼において共通するものの、外観及び観念が相違すれば、商標として類似しないと判断される例が多数存在していると主張する。
しかしながら、請求人の挙げる審決例等は、本願商標とは、商標の構成態様等において相違し、事案を異にするものであって、そのような例が存することをもって、本願商標と引用商標の類否についてした上記認定、判断を左右しないものであるから、請求人のかかる主張も採用することはできない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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