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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2014−300647(T2014−300647/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第977016号商標(以下「本件商標」という。)は、「フレキ」の片仮名をゴシック体で横書きしてなり、昭和45年5月19日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年8月22日に設定登録されたものである。

その後、平成16年6月30日に指定商品の書換登録がされたものであり、さらに、同24年6月26日に、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」の指定商品について商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、平成26年9月8日である。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電線及びケーブル」(以下「取消請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べている。

本件商標は、取消請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

なお、請求人は、被請求人の答弁に何ら弁駁していない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第2号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)本件商標の使用事実の要点

本件商標の商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその取消請求に係る商品について、本件商標を使用している。

(2)本件商標の使用の事実

ア 商標の使用について

(ア)乙第1号証

乙第1号証の1ないし3は、品名「○○○6 中継フレキ」に関する一連の書類であり、乙第1号証の1及び2は試作製造段階の書類であって、商標権者がその子会社である住友電工プリントサーキット株式会社と共に需要者に提出した試作納入仕様書の表紙と図面である。乙第1号証の2は、製造者である商標権者が品名「○○○6 中継フレキ」を付して作成したものであり、乙第1号証の1及び2には、品名「○○○6 中継フレキ」が一貫して記載されている。

乙第1号証の3は試作製造段階の後の量産承認段階の書類であり、納入仕様書の表紙である。商標権者の子会社である住電トミタ商事株式会社(現在は住電商事株式会社)が2011年10月4日に発行し、需要者から2011年10月17日付けで受領印を得たものであり、品名「○○○6 中継フレキ」が引き続き使われている。

これら一連の流れから、品名「○○○6 中継フレキ」は商標権者が付け、需要者に対して使用されたことは明らかである。

(イ)乙第2号証

乙第2号証の1及び2は、品名「基板間フレキ」に関する一連の書類である。乙第2号証の1は商品の図面であり、乙第2号証の2はその商品の注文書である。乙第2号証の1は、製造者である商標権者が図面名称「○○○○○○基板間フレキ」と図面番号「○○○9○○○○○○7○」を付して2014年7月11日に作成したものである。

これに基づき、エレクトロニクスの総合商社である三昌商事株式会社は、乙第2号証の2により図面番号「○○○9○○○○○○7○」、モデル「○○○○○○」(前述の図面名称の伏字部分)、品名「基板間フレキ」を2014年8月1日に注文している。

これら一連の流れから、品名「基板間フレキ」は商標権者が付け、取引者に対して使用されたことは明らかである。

イ 使用に係る商品

乙第1号証の2の図面における「最小導体幅」及び「最小導体間隔」の記載から、品名「○○○6 中継フレキ」は、多数の導体を並べ、端部2箇所にコネクタとの接続部を備えたケーブルであることがわかる。このケーブルは、取消請求に係る商品の一種である。

また、乙第2号証の1の図面における端子詳細図から、品名「基板間フレキ」は、多数の導体を並べ、端部2箇所にコネクタとの接続部を備えたケーブルであることがわかる。このケーブルは、取消請求に係る商品の一種である。

ウ 商標の使用者

乙第1号証の品名「○○○6 中継フレキ」及び乙第2号証の品名「基板間フレキ」を使用しているのは商標権者である。

なお、商標権者は明治30年4月に創業し、電線及びケーブルを主力製品の一つとしており、極めて多種類の電線及びケーブルを製造・販売している。乙第1号証及び乙第2号証に係る商品は企業間取引されたケーブルであり、まとめて「フレキ」と呼んでいる。

エ 使用にかかる商標

乙第1号証の1ないし3には、「端子間を中継するためのフレキ」を意図して、本件商標「フレキ」が記載されている。また、乙第2号証の1及び2には、「基板と基板の間にあるフレキ」を意図して、本件商標「フレキ」が記載されている。

オ 使用時期

乙第1号証の3には「2011年10月4日」、乙第2号証の1には「2014年7月11日」が記載されている。これらは、本件審判請求の登録前3年以内である。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「電線及びケーブル」について使用していることが明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る証拠及び被請求人の主張によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証の1及び2は、商標権者と住友電工プリントサーキット株式会社とが作成した、2011年8月24日付け「○○○6 中継フレキ」に関する「試作納入仕様書」の表紙及び図面であり、乙第1号証の2の図面には、商標権者の名称が表示されている。そして、乙第1号証の2は、両端にコネクタとの接続部を有する導体のパターン(回路)及び回路の表面を保護するカバーレイの形状が表されたケーブルの図面である。

乙第1号証の3は、商標権者のグループ会社の一と主張する住電トミタ商事株式会社が発行した2011年10月4日付けの「納入仕様書」(返却用書類)であり、品名として「○○○6 中継フレキ」の文字及び顧客の受領日(同月17日)が確認できる。

乙第1号証の1ないし3によれば、商標権者は、ケーブルについて、顧客に対し「試作納入仕様書」に添付された図面を提示し、その後、商標権者のグループ会社の一を通じて、顧客が「納入仕様書」に基づく商品の確認を行っていることが認められる。

イ 乙第2号証の1及び2は、図面及び注文書であり、乙第2号証の1の図面には、商標権者の名称、「基板間フレキ」の文字及び月日「14−07−11」の数字が表されている。そして、乙第2号証の1は、両端にコネクタとの接続部を有する導体の形状(「A面回路図」、「B面回路図」及び「端子詳細図」)が表されたケーブルの図面である。

乙第2号証の2は、三昌商事株式会社が商標権者に宛てた2014年8月1日付けの「基板間フレキ」に係る注文書である。

乙第2号証の1及び2によれば、商標権者は、2014年7月11日付けで、ケーブルについて、「基板間フレキ」の文字が表示された図面を作成したこと及び同年8月1日に三昌商事株式会社が商標権者に「基板間フレキ」を注文したことが認められる。

(2)上記(1)の事実によれば、商標権者は、通常、ケーブルの製造契約等において、商品の図面を提示し、試作等によるその説明、確認等を行っているものと推認し得る。そうすると、商標権者は、2014年7月に、「基板間フレキ」の文字が表示された図面を作成し顧客に提示し、「ケーブル」についての商品説明等を行ったものであり、その後、当該商品の注文があったことが認められる。

そして、図面における「基板間フレキ」の表示は、その構成中前半の「基板間」の文字部分が「基板と基板の間」というケーブルの使用場所を説明する表示であって、後半の「フレキ」の文字が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当であり、前記「フレキ」の文字は、本件商標と構成文字が同一であるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。

してみれば、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内である2014年(平成26年)7月に、取消請求に係る商品中「ケーブル」について、その取引書類に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して頒布したものと認められる。

(3)むすび

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、取消請求に係る商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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