結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2014−300114(T2014−300114/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4830487号商標(以下「本件商標」という。)は,「IKKI」の欧文字を標準文字により表してなり,平成16年4月28日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同17年1月7日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成26年3月10日である。
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第4号証(枝番を含む)を提出している。
本件商標は,商標権者,使用権者のいずれもが,その全指定商品について,継続して3年以上,日本国内おいて商標権者,使用権者のいずれもが使用された事実が認められないので,商標法第50条の規定により取り消されるべきである。
被請求人は,本件商標をその指定商品について使用していると主張しているが,同人提出の答弁書及び答弁書に添付の証拠によっては,本件商標を指定商品に使用している事実を証明するものではない。
(1)被請求人は,自動車用部品のオリジナルブランド「IKKI(イッキ)」を事業展開しており,当該自動車部品の展示会に出展する際,顧客への販促のためのノベルティ商品,キャンペーン商品として,社名入りのエンブレム,オーナメント,ステッカー,タオル,ポロシャツ,Tシャツ,作業着等を製作し,販売,配布してきた実績がある旨主張する。
また,被請求人は,本件商標をオリジナルのポロシャツ,Tシャツ,作業着に付し,2014年開催の東京オートサロンの出展時,その他の自動車用品イベントにおいて,スタッフの着用並びにノベルティとしての配布を行った旨主張する。
しかしながら,スタッフが着用するための商品,顧客への販促のためのノベルティ商品,キャンペーン商品は商標法における「商品」にはあたらない。
よって,被請求人は,本件商標をその指定商品について,本件審判の予告登録前3年以内に日本国内において使用していない。
(2)商標法上の商品とは,商取引の目的物として,流通性のあるもの,すなわち,一般市場で流通に供されることを目的として生産される有体物であると解すべきである。
請求人提出の乙第1号証ないし乙第6号証に表されたポロシャツ,Tシャツ,作業着は自動車用品の展示会に出展する際の宣伝広告として,顧客への販促のためのノベルティ商品,キャンペーン商品,スタッフが着用するための商品であって,それ自体が直接商取引の対象となるものではないことから,これらの使用は商標法上の「商品」への使用には該当しない。
(3)被請求人提出の乙第1号証ないし乙第3号証に表された商標は,本件商標と同一又は社会通念上同一の商標に該当しない。
(4)以上より,被請求人が提出する証拠によっては,被請求人が本件商標を,本件商標の指定商品について使用している事実をしめすことができないこと明かであり,答弁に趣旨には理由がない。
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
本件商標は,本件審判の請求の登録日前3年以内に使用している。
被請求人は,社名と同名の自動車用部品(エアロパーツ)のオリジナルブランド「IKKI(イッキ)」を事業展開している。
被請求人は,自動車用品の展示会に出展する際,顧客への販促のためのノベルティ商品,キャンペーン商品として,自動車部品以外の社名入りのエンブレム,オーナメント,ステッカー,タオル,ポロシャツ,Tシャツ,作業着等を製作し,販売,配布してきた実績がある。
被請求人は,本件商標をオリジナルのポロシャツ,Tシャツ,作業着に付し,それらを2014年開催の東京オートサロンへの出展時にもノベルティとして配布した。また,その他自動車用品店イベントにおいても,スタッフの着用ならびにノベルティとしての配布を行った。
被請求人は,平成26年12月15日に行われた口頭審理に関し,口頭審理陳述要領書を提出せず,期日に出頭していない。
(1)乙第1号証ないし乙第3号証は,ポロシャツ及びTシャツに別掲1のとおりの構成よりなる商標(以下「使用商標1」という。)が,作業着には「IKKI GROUP」の欧文字よりなる商標(以下「使用商標2」という。)が付されている写真であるが,この写真の撮影日,撮影場所,撮影者は確認できない。
(2)乙第4号証は,被請求人が2014年開催の東京オートサロンへの出展時の写真と主張するが,この写真には,本件商標が取消しに係る商品に使用されていることが確認できず,さらに,当該写真の撮影日,撮影場所,撮影者も確認できない。
(3)乙第5号証は,平成25年4月28日に被請求人がポロシャツを発注した際の元帳であるが,当該発注されたポロシャツが,商品として販売された事実を証明するものではない。
(4)乙第6号証は,被請求人が2013年(平成25年)5月31日に,株式会社KIプロモートに「IKKIノベルティグッズ」としてポロシャツ,Tシャツを納品したことが確認できる。
(1)本件商標の使用について
ア 使用商標について
(ア)使用商標1について
被請求人がポロシャツ及びTシャツに使用する使用商標1は,別掲1のとおり,角を丸くした長方形の長辺の片側を半円状に凹ませた図形を,半円状に凹ませた部分を向き合わせて,中央に円状の空間ができるように左右対象に並べ,その円状の空間の中に 一角獣のようなシルエットを配した図形の下段に,「IKKI」の欧文字を太字で,その2番目の「K」を左右反転させ,前半と後半の文字とが中央で鏡文字となるように図案化して表された構成からなるものであるから,「IKKI」の欧文字を標準文字により書されてなる本件商標と,使用商標1とは,その構成態様が明らかに異なり,社会通念上同一の商標とは認めることはできない。
(イ)使用商標2について
被請求人が作業着に使用する使用商標2は「IKKI GROUP」の欧文字よりなるところ,その構成文字は同書,同大でまとまりよく書されていること,その構成文字全体から生じる「イッキグループ」又は「アイケーケーアイグループ」の称呼も格別冗長でないこと,そして,その構成文字全体として「IKKIなる集団」の観念を生じることから,使用商標2は,その構成全体として一体不可分の商標と認められる。
したがって,本件商標と使用商標2とは,外観,称呼及び観念が異なり,社会通念上同一の商標とは認めることはできない。
イ 商品について
被請求人は,上記第3の2のとおり,自動車用品の製造販売の業務を行っており,自動車用品の展示会に出展する際及び自動車用品店イベントにおいて,被請求人の業務に係る商品,すなわち,自動車用品の顧客への販促のためのノベルティ商品,キャンペーン商品,または,スタッフが着用するための商品として,本件商標を付したポロシャツ,Tシャツ,作業着を製作し,販売,配布してきた旨主張する(乙1ないし乙6)。
ところで,一般に,販促品に付された企業名は,専らその販促品とは別の当該企業が扱う商品,役務の宣伝広告のために付されるものであって,販促品を登録商標の指定商品とする限りについてみれば,これに接する取引者,需要者に対して,商標が一般に有する自他商品(役務)識別機能を有するものではなく,もとより,販促品の品質を保証し,その宣伝広告をするために付されるものではない(東京高等裁判所,平成12年(行ケ)第335号,平成13年2月27日判決参照)と判示されている。
そうしてみると,販促品としてのノベルティ商品,キャンペーン商品,または,スタッフが着用するための「ポロシャツ,Tシャツ,作業着」に付された使用商標1及び使用商標2は,専らその販促品である「ポロシャツ,Tシャツ,作業着」とは別に,被請求人が扱う商品である「自動車用品」の宣伝広告のための販促品に付されたものであって,当該販促品を本件商標の指定商品とする限りについてみれば,これに接する取引者,需要者に対して,商標が一般に有する自他商品識別機能を有するものではなく,もとより,販促品の品質を保証し,その宣伝広告をするために付されるものではなく,すなわち,商標として機能しないというべきである。
(2)そこで,審判長は,本件商標の使用の事実を確認するため,平成26年12月15日を期日として口頭審理を行うべく,同年10月22日付けで別掲2の審理事項通知書を送付したが,被請求人は,口頭審理陳述要領書を提出せず,当該期日に出頭しなかった。
(3)そうすると,被請求人は本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を「ポロシャツ,Tシャツ,作業着」について使用していたと認めることはできず,他に,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていることを認め得る証拠も見いだせない。
したがって,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標の使用を証明していないといわざるを得ない。
以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について,本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。また,被請求人は,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標は,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。