Trademark Appeal Case
慣用表現と地名の結合識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−4522(T2015−4522/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ふるさとの米東旭川米」の文字を標準文字で表してなり、第30類「北海道旭川市東旭川産の米,北海道旭川市東旭川産の米を用いた菓子及びパン,北海道旭川市東旭川産の米の加工品,北海道旭川市東旭川産の米からなる米飯,北海道旭川市東旭川産の米からなる米粉」及び第33類「北海道旭川市東旭川産の米を使用した日本酒,北海道旭川市東旭川産の米を使用した酎ハイ,北海道旭川市東旭川産の米を使用した薬味酒」を指定商品として、平成26年4月15日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『ふるさとの米東旭川米』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中、『ふるさとの米』の文字は、新聞記事やウェブサイト等によれば、米及び米を使用した商品を取り扱う業界において『その土地の米』程の意味合いで使用されている実情があり、また、『東旭川米』の文字は、本願指定商品との関係においては、指定商品の産地及び普通名称又は指定商品の産地及び原材料名を表示したものと認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『その土地の米である北海道旭川市東旭川の米』を認識するにとどまり、商標全体として、特に看者の注意をひく特徴的な部分がないことから、自他商品識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ふるさとの米東旭川米」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、本願商標の構成中の「東旭川米」の文字部分は、その指定商品中「北海道旭川市東旭川産の米」との関係においては、その商品の産地及び普通名称を、「北海道旭川市東旭川産の米を用いた菓子及びパン,北海道旭川市東旭川産の米の加工品,北海道旭川市東旭川産の米からなる米飯,北海道旭川市東旭川産の米からなる米粉,北海道旭川市東旭川産の米を使用した日本酒,北海道旭川市東旭川産の米を使用した酎ハイ,北海道旭川市東旭川産の米を使用した薬味酒」との関係においては、その商品の原材料を普通に用いられる方法で表したものと理解、認識させるにすぎないから、自他商品の識別標識としての機能を有するとはいうことができないものである。
また、その構成中の「ふるさとの米」の文字部分については、別掲1のとおり、「ふるさとの米」の語句が、岩手県、宮城県、新潟県等各地を産地とする「米」の広告、宣伝等において、見出しや説明文中で一般に使用されている事実が認められる。
さらに、「ふるさと」の語は、「古里」「故郷」の漢字(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)で表されることはよく知られ、また、「米」の語は「お米」と称されることも一般的であるところ、別掲2のとおり、「ふるさとのお米」「故郷の米」の語句が、青森県、大分県等各地を産地とする「米」の広告、宣伝等において、説明文中で一般に使用されている事実も認められる。
加えて、別掲3のとおり、「故郷の米」「ふるさとの米」「古里の米」の語句が、新潟県、長崎県等各地を産地とする「米を使用した食品」「米を使用した酒」の広告、宣伝等において、説明文中で一般に使用されている事実が認められる。
そうすると、「ふるさとの米」の文字部分については、本願の指定商品に使用しても、それに接する取引者、需要者は、商品の広告、宣伝等において一般に用いられる語句の一種と理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するとはいい難いものである。
そうとすれば、本願商標は、商品の広告、宣伝等において一般に用いられる語句と商品の産地及び普通名称の表示とを結合してなるもの、又は、商品の広告、宣伝等において一般に用いられる語句と商品の原材料の表示とを結合してなるものと認識させるにすぎず、その構成全体としても、自他商品の識別標識としての機能を有するところがないものであるから、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、指定商品「北海道旭川市東旭川産の米」の米袋及びウェブサイトにおいて使用しているから、自他商品識別標識としての機能を果たし、需要者に何人かの業務に係る商品であることを認識させることができる旨主張し、証拠(甲第1号証及び第2号証)を提出している。
しかしながら、提出された証拠からは、小さめの明朝体の「ふるさとの米」の文字と、筆書きの「東旭川米」の文字とを縦書き2行又は横書きで表した標章が当該商品に使用されていることは把握できるものの、それだけでは本願商標について、需要者が請求人の業務に係る商品を表すものと認識しているという実情があるとは認めることができない。
また、請求人は、「岩手純情米」の文字からなる商標の登録例と、商標の構成中に「ふるさと」の文字を含んでいる登録例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは、当該商標の構成態様と、指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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