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結論

敗訴(請求棄却)

商標「納棺士」の専門職名の記述性(第3条第1項第3号|審判不服2014−20782(T2014−20782/J1))

審判番号
不服2014−20782(T2014−20782/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「納棺士」
争点(論点)
専門職名の記述性
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2014−20782(T2014−20782/J1)・不服)は、本件商標「納棺士」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「専門職名の記述性」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「納棺士」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第45類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成25年6月14日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定役務については、同年11月15日受付の手続補正書をもって、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,カウンセリング理論とその技法の教授,資格検定試験に関する情報の提供,資格検定試験の実施,資格の認定及び資格の付与,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),音楽又は教育研修のための施設の提供」及び第45類「納棺,納棺に関する相談,遺体への死化粧の施術,身の上相談,祭壇の貸与,墓地又は納骨堂の提供,墓地又は納骨堂に関する相談,納骨堂の管理,遺体の入浴・洗浄」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『納棺士』の文字からなるところ、その構成中の『納棺』の文字は『死者を棺に納めること』を意味する語であり、同じく、『士』の文字は『1.学徳を修めたりっぱな男子、2.男子の敬称、3.一定の資格・役割をもった者』等の意味を有する語であって、例えば、『弁護士、弁理士、税理士、栄養士』として用いられる語であることからすると、これに接する者は、単に『死者を棺に納める人』程の意味合いを想起するといえる。そして、『納棺士』の語は、葬儀に関する役務を提供するものとして、複数の者が使用している実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務中の第41類『納棺士に関する知識の教授,納棺士に関する資格検定試験に関する情報の提供,納棺士に関する資格検定試験の実施,納棺士に関する資格の認定及び資格の付与,納棺士に関する講演会・セミナーの企画・運営又は開催』等、第44類『遺体の入浴・洗浄,納棺,納棺に関する相談』等に使用した場合、これに接する取引者、需要者に役務の質(内容)を表示したものと認識させるにとどまるものとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「納棺士」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、その文字構成に照らせば、「死体を棺に収めること。」を意味する「納棺」の語と「一定の資格・役割をもった者。」等の意味を有する「士」の語(各語の意味については、「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)から引用。)とを組み合わせてなるものと容易に看取、理解され、その構成全体をもって、「納棺の役割をもった者」程の意味合いを認識させるものとみるのが相当である。

また、本願の指定役務中、例えば、第45類に属する「納棺,納棺に関する相談,遺体への死化粧の施術」といった役務は、原査定において示した情報のほか、別掲に示す内容を総合勘案すれば、「納棺士」と称する専門的な知識や技術を有する者により提供される場合があるというのが実情である。

そうとすると、本願商標をその指定役務中の第45類「納棺,納棺に関する相談,遺体への死化粧の施術」について使用した場合、これに接する需要者は、その役務が「納棺士」により提供されるものであること、すなわち、役務の質を表してなるものと認識するにとどまるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、その指定役務中の第45類「納棺,納棺に関する相談,遺体への死化粧の施術」については、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、原査定において示された有限会社ミッグスタッフの求人情報における「湯灌士、納棺士」の使用例について確認した結果、誤記であるとして「湯灌師、納棺師」に修正されたこと(添付資料1)、多くの検索エンジンでは「納棺士」と入力しても「納棺師」で検索された結果が表示されること(添付資料2)からすれば、本願商標の登録の可否の判断は、「納棺士」の用例のみならず、「納棺師」の用例をも含めて比較衡量の上でされるべきであり、このような状況を総合的に考慮すると、本願商標をその指定役務に使用した場合、出所の表示機能や自他役務の識別機能を果たすことは十分に可能である旨主張する。

確かに、本願の指定役務中、第45類「納棺,納棺に関する相談,遺体への死化粧の施術」といった役務を提供する業界において、納棺や遺体への死化粧の施術といった行為をする専門的な知識や技術を有する者を指称する語として、「納棺師」が用いられていることは請求人の主張するとおりであるが、そのような者を指称する語として、「納棺士」が用いられる場合もあることは、上記(1)において認定したとおりである。そして、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、該商標の査定時又は審決時において、該商標の構成態様及び指定商品又は指定役務に基づき、該商標が使用される商品又は役務に係る取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標が、その構成全体をもって、「納棺の役割をもった者」程の意味合いを認識させるものであり、本願の指定役務中の第45類「納棺,納棺に関する相談,遺体への死化粧の施術」に係る取引の実情に鑑みれば、需要者をして、役務の質を表したものとして認識されるにとどまるものであること、上記(1)において認定、判断したとおりであるから、上記請求人の主張は、採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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