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Trademark Appeal Case

品質表示と装飾図形の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−6286(T2014−6286/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年4月22日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審において同年11月29日付け手続補正書により、第5類「コラーゲンと美白成分を加えた薬剤,コラーゲンと美白成分を加えた乳幼児用粉乳,コラーゲンと美白成分を加えたサプリメント,コラーゲンと美白成分を加えた食餌療法用飲料・食餌療法用食品,コラーゲンと美白成分を加えた乳幼児用飲料・乳幼児用食品,コラーゲンと美白成分を加えた栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、太さの異なる二重の円輪郭線と、太さの異なる二重の円輪郭線と、図案化した草花の図柄を帯状に連続反復させ、円形状に表したものとを組み合わせた黄色の図形の内部に、『コラーゲン』及び『ホワイト+』の文字を薄赤色で二段に書してなるところ、その構成中の『コラーゲン』の文字は『膠原線維』を、『ホワイト』の文字は『白、白色』を意味する語として、また『+』の文字は『加えること』の意味合いを認識させる記号として、いずれも広く知られている。また、『+』の文字は、本願指定商品との関係においては『ある成分を加えていること』を表す際に広く使用されている実情があり、本願指定商品を取り扱う業界においては、美白に効果のある成分を配合したサプリメント等に『ホワイト』の文字が使用されている実情もある。そして、植物の図柄を帯状に連続反復させて円形状に表したものは、装飾的な輪郭として一般に用いられているため、本願商標の図形部分は、そのような装飾的な輪郭の一類型として認識されるものというのが相当である。以上のことからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する需要者・取引者は、全体として『コラーゲンと美白成分を加えたもの』程の意味合いを理解するにすぎず、単に商品の品質を表したものと認識するにとどまり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、二重の円に沿って、草花をモチーフにした図柄を上下左右対称に配した黄色の円形図形(以下「草花の円形図形」という。)の内部に、「コラーゲン」の文字と、「ホワイト+」の文字及び記号を薄い赤色で二段に書してなるものである。

そして、本願商標を構成する「コラーゲン」の文字は「硬タンパク質の一」を意味し(以下「大辞林第三版」株式会社三省堂発行)、成分の一つを表すものと認められる。

また、同「ホワイト」の文字は、原審説示の証拠のとおり、指定商品の分野において、美白に効果のある成分を配合したものに使用されている実情がある。

さらに、「+」の記号は「加えることを示す記号」であるところ、原審説示の証拠のとおり、指定商品の分野において、この記号が成分名と共に用いられ、その成分を「加えていること」を表すために使用されている実情がある。

以上のことから、本願商標を構成する「コラーゲン」、「ホワイト」及び「+」の文字及び記号部分については、成分名と「加えること」を「+」で表したものと理解されることから、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者において、「コラーゲンと美白成分を加えたもの」の意味合いを理解、認識させるものであり、商品の品質を表示するものといえるから、自他商品の識別標識としての機能は果たし得ないものというのが相当である。そして、請求人もこれについて認めているものである。

ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、取引者、需要者がその商品の成分、原材料、それらの効能に着目して商品を選択し、購入することとも相まって、成分名等を商品の包装に顕著に大きく表すことが少なくないといえるところ、原審で示した証拠のほか、別掲2のとおり、商品の包装に、顕著に大きく表された成分名等を囲んで、草花等をモチーフにした円形状の図形が使用されている実情が認められる。

そして、顕著に大きく表された成分名等を囲むこれらの図形は、取引者、需要者がその商品の成分等に着目して購入する事情を考慮すると、取引者、需要者がこれらの図形自体及びそれを構成する円及び細かな図柄部分に着目して、他の商品と識別して取引を行うというよりは、むしろ、単に取引者、需要者の注目を集めるため、内側の商品の成分名等を表した文字や記号部分を装飾し、強調しているにすぎないというべきである。

してみれば、本願商標を構成する草花の円形図形については、取引者、需要者が図形自体及びそれを構成する円及び細かな図柄部分に着目して、他の商品と識別して取引を行うというよりは、単に取引者、需要者の注目を集めるため、内側の商品の成分名等を表した文字及び記号部分を装飾し、強調しているにすぎないというべきである。

そうすると、本願商標は、商品の品質の表示に、それを装飾し、強調するために草花の円形図形を施したものと認識させるにすぎないものといえるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別機能を果たし得ず、これに接する需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、植物の図柄を帯状に連続反復させて円形状に表したものは、装飾的な輪郭として一般に用いられることがあるものの、これをもって、該類型からなる図形の全てが自他商品識別標識としての機能を有しないものであるという特段の根拠には全くならず、本願商標は草花とおぼしき各デザインの個々に独自の創作性を有し、加えて、本願商標のようにまとまりよく一体的な構成であれば、図形と文字が相まって、商標全体としての独自性を生ずると主張するとともに、過去の登録例を引用している。

しかしながら、本願商標を構成する草花の円形図形は、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、成分名等を囲んで使用されるときは、単に取引者、需要者の注目を集めるため、その内側の商品の成分名等を表した文字及び記号部分を装飾し、強調しているにすぎず、自他商品の出所を表すものとしての識別性を有するとまではいえないものである。

また、過去の登録例は、いずれも草花がモチーフの図形であるものの、文字の有無、図形の形状、指定商品の相違等、本願商標とは事案を異にするものであるから、本願商標についての判断が該登録例をもって左右されるものではない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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