Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−26478(T2014−26478/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1とおりの構成からなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年12月11日に商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における平成26年6月23日付け手続補正書により、第3類「つけまつ毛用接着剤,二重瞼形成用化粧品,その他の目のまわりに用いられる化粧品,つけまつ毛,目元装飾用シール」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、やや小さめのフォントで表示された『ぱっちり』の文字とやや大きめのフォントで表示された『ふたえ』の文字を普通に用いられる書体で二段に表してなるところ、構成中の『ぱっちり』の文字部分は、『目を大きく見開いたさま。また、目が大きく際立っているさま。』を、『ふたえ』の文字部分は、『二つかさなっていること。』を意味するものである。また、インターネット記事によると、二重まぶた用の商品(例えば二重まぶたを形成するための化粧品、二重まぶたを形成するための粘着テープ等)が『ぱっちりふたえ』『パッチリ二重』『パッチリふたえ』等の語を用いて紹介されていることから、本願商標全体からは、『目の大きく際立った二重まぶた』の意味を理解させるものといえる。そうすると、本願商標は、その指定商品中の『二重瞼形成用化粧品』等に使用したときには、『ぱっちりとした二重瞼』のための商品であることを認識させるもの、すなわち、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品に照応しない指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ぱっちり」と「ふたえ」の平仮名を上下2段に書してなるところ、構成中の「ぱっちり」の文字は、「目を大きく見開いたさま。また、目が大きく際立っているさま。」の意味を有し、「目のぱっちりした子」のように使用され、また、「ふたえ」の文字は、「二重。二つかさなっていること。」の意味を有し、「二重瞼」(瞼の皮にひだがあって二重になっているもの。)のように使用されているものであり、いずれも広く親しまれている語である。
また、原審における刊行物等提出書(別掲2)、拒絶理由通知書において示した証拠(別掲3)及び別掲4のとおりのインターネット調査の結果によれば、目元の化粧に用いる商品の分野において、「ぱっちりふたえ」の文字並びにこれを片仮名や漢字で表した「パッチリふたえ」、「ぱっちり二重」及び「パッチリ二重」の文字が、その商品が「ぱっちりとした二重瞼」のためのものであることを表す語として、取引上普通に使用されている実情がある。
そして、本願の指定商品は、前記1のとおり、「つけまつ毛用接着剤,二重瞼形成用化粧品,その他の目のまわりに用いられる化粧品,つけまつ毛,目元装飾用シール」であって、いずれも目元の化粧に用いられる商品である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者においては、その商品が「ぱっちりとした二重瞼」のためのものと理解するにとどまるというべきであるから、本願商標は、単に商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「本願商標は、全て平仮名よりなり、同一書体であり、文字全体の構成もまとまり良く一体的にデザインされ、構成全体から生じる称呼も特段冗長でなく一気に称呼されるから、全体で一連一体の造語商標といえる。そのため、その構成の一部分の文言に審査官指摘の意味合いがあるとしても、この様な構成では、全体としては商品の内容を表示することのない造語商標と考えられる。また、全てを敢えて平仮名のみで二段にバランスよく一体的に配置して構成された文字の全体的なデザインについても、『普通に用いられる書体で二段に表してなる』ものと断じることはできない。さらに、『ふたえ』や『ぱっちり』という個々の記載から、指定商品『化粧品』の直接的かつ具体的な内容、用途を表示するものではなく、『目を際立たせる』、『二重』、『重ね付け』という暗示的な意味合いのみ生じる。」旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、目元の化粧に用いる商品の分野においては、ぱっちりとした二重瞼のための商品を表すものとして、「パッチリふたえ」、「ぱっちり二重」及び「パッチリ二重」の文字が多数使用され、かつ、同様に「ぱっちり」と「ふたえ」の平仮名を一連に書した「ぱっちりふたえ」の文字も使用されている実情があることからすれば、「ぱっちりふたえ」の文字が造語であり、特定の意味合いを認識させるものでないとはいい難く、また、本願商標を構成する各文字の書体はありふれたものといえるものであり、さらに、商品の品質等を表示するにあたって、平仮名で上下2段に表すことも指定商品の分野を含め一般的に行われていることといえる。
よって、本願商標は、これに接する取引者・需要者に、「ぱっちりとした二重瞼」のための商品と理解されるにとどまるものであって、単に商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標であるというのが相当であるから、請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人(出願人)は、原審における意見書及び審判請求書において、過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標も登録されるべき旨主張しているが、商標が識別力を有するか否かの判断は、登録査定時又は審決時において、取引の実情を勘案し、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準として、商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ、請求人が挙げた登録例等は、いずれも本願商標とは構成等を異にし、かつ、本件の審決時における取引の実情は上記のとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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