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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−143(T2015−143/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、上段に「PREMIUM WATER」の欧文字を、下段に「HighQuality Water Delivery Service」の欧文字を二段に横書きし、その上段と下段の間に直線が引かれてなる構成からなるものであり、第32類「飲料水」を指定商品として、平成26年2月19日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、上部に『PREMIUM WATER』の文字を書し、その下に自他商品の識別力を特段有しない細線を配置し、そして、その下に、『HighQuality Water Delivery Service』の文字を表してなるところ、その構成中の『PREMIUM WATER』の文字よりは、『上質な水。高価な水。』程の意味を有するので自他商品の識別力を有せず、また、『HighQuality Water Delivery Service』の文字よりは、『高品質水のデリバリーサービス』程の意味合いを有するところ、近時、『デリバリーサービス』は、各種の商品を電話、ファクシミリ、インターネットメールやウェブサイト等で注文を受け発送する業務を『デリバリーサービス』と称して一般に使用されている実情がある。そうすると、本願商標の全体よりは、『上質な水。高品質水のデリバリーサービス』程の意味合いを理解させる。してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、顧客の吸引、商品の販売の促進等のためのキャッチフレーズを表示したものと理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋

当審においては、平成27年5月14日付けをもって、請求人に対して、期間を指定して、別掲2及び3のインターネット情報及び新聞記事情報を提示した上で、当審の暫定的見解を述べて、回答を求める以下のとおりの審尋を行った。

1 本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、上段に「PREMIUM WATER」の欧文字を、下段に「HighQuality Water Delivery Service」の欧文字を配し、これら欧文字を二段に横書きし、その上段と下段の間を直線が引かれてなる構成からなるものである。加えて、下段の文字は、上段の欧文字と比べて、文字の大きさがかなり小さく、しかも、文字を構成する線も細いものといえる。加えて、その構成文字は、いずれも活字体の一種といえるものである。

そして、本願商標の指定商品は、第32類「飲料水」である。

2 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について

(1)本願商標は、外観上、上記1のとおり、上段部と下段部の間を仕切るように直線が引かれており、しかも、上段部と下段部の文字の大きさ、線の太さが異なり、観念上も、上段部と下段部の文字の意味合いが下述のとおりであって、上段部と下段部の全体をもって、特定の意味合いを表しているような事情は見いだし得ない。さらに、称呼上も、上段部と下段部の文字全体から生じる「プレミアムウォーターハイクオリティーウォーターデリバリーサービス」の称呼も一連に称呼するにはあまりに冗長といえるものである。

そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を上段部と下段部の文字全体を一体不可分のものとして把握、認識するというよりも、上段部の文字と下段部の文字とで構成されるものとして、上下を別々に把握、認識するとみるのが自然といえる。

(2)本願商標の構成中の上段部については、「PREMIUM」の文字部分が「上質な」の意味を有する語として、同じく、「WATER」の文字部分が「飲料水」の意味を有し、ともに親しまれた語であり、その上段の欧文字全体としては、「上質の飲料水」程度の意味を表すものとして容易に認識し得るものである。

そして、本願商標の指定商品を含む飲料を取り扱う業界においては、別掲2のとおり、上質な商品を「PREMIUM商品(プレミアム商品)」と称するほか、個別の上質な商品○○について「PREMIUM○○(プレミアム○○)」と称して商取引に当たっている実情が認められる。

また、本願商標の構成中の下段部については、「HighQuality」の文字部分が「高品質な」の意味、「Water」の文字部分が「飲料水」の意味、「Delivery」の文字部分が「配達」の意味、「Service」の文字部分が「サービス」の意味を有する語としてそれぞれ親しまれた語であって、その下段の欧文字全体としては、「高品質な飲料水の配達サービス」程度の意味合いを容易に認識し得るものである。

そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、別掲3のとおり、顧客の自宅等に商品を配達するサービスが普通に行われている実情が認められる。

(3)以上のとおりであるから、本願商標は、その指定商品に使用しても、その取引者、需要者には、上段部の文字に相応して「上質の飲料水」程度の意味合いを、下段部の文字に相応して「高品質な飲料水の配達サービス」程度の意味合いを認識するにとどまるといえる。

また、本願商標の構成中の直線も、上段部と下段部を仕切るためのもの程度に把握、認識されるにとどまり、この線に取引者、需要者の注意が集まるとも考え難いものである。

したがって、本願商標は、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。

3 使用による識別力を有しているとの請求人の主張について

請求人は、本願商標を平成22年(2010年)11月から現在に至るまで、その指定商品である「飲料水」に継続して使用し続けているとして、その結果、請求人の「飲料水」を表すものとして周知、著名になっている旨主張し、甲第1号証ないし甲第35号証を提出している。

請求人は、球場や各種イベント、チラシ等において本願商標の使用をしていた旨主張しているが、これらに接する取引者、需要者は、その会場を訪問した者に限られることを踏まえると、これらをもって我が国において周知、著名になっているとはいい難い。さらに、請求人が提出するいわゆる業界紙と思しき「週刊賃貸住宅新聞」や「引越準備」という雑誌も、本願商標の指定商品とは異なる業界のものとみられるほか、その発行規模や販売地域も定かでない。

しかも、甲号証によれば、請求人は、顧客にウォーターサーバーを設置して貰って宅配する飲料水の販売をしているものと認め得るが、本願商標の指定商品である「飲料水」の市場は、それにとどまらず、ペットボトルやビンなどの容器に入った飲料水を小売店等で販売するものも含むものであり、それらを含めた飲料水全体の市場の中での本願商標を使用した商品の規模やシェア等も定かになっていない。

そうすると、請求人提出の甲号証をもって、本願商標が使用の結果、取引者、需要者によって、請求人の業務に係る商品であることを認識できるに至っているものということができない。

したがって、請求人の上記主張を採用することができない。

4 むすび

以上のとおり、本願商標は、何人かの業務に係る商品であること認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。

第4 請求人の対応

請求人は,上記審尋に対し,所定の期間を経過するも何らの応答もしていない。

第5 当審の判断

当審において、上記第3の審尋において示した、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとの暫定的見解は、妥当なものと認められる。

そして、請求人は,上記第4のとおり、該審尋に対し,所定の期間を経過するも何らの応答もしていない。

以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであって、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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