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Trademark Appeal Case

バリアコートの記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2014−21221(T2014−21221/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「バリアコート」の片仮名を横書きしてなり、第2類「ガラス用遮熱塗料」を指定商品として、平成25年12月16日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『バリアコート』の文字を普通に用いられる方法で表してなり、指定商品を含む各種塗料との関係においては、『下塗り塗料と上塗り塗料との化学的あるいは物理的な相互作用を防ぐために、その中間に塗装される塗料』である『中間塗料(barrier coat)』を意味するものであるから、『中間塗料として用いるガラス用遮熱塗料』であることを認識させるにすぎず、商品の用途を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯

当審において、平成27年3月13日付け証拠調べ通知書により、別掲のとおり、商品「塗料」を取り扱う分野においては、「バリア(バリアー)」の文字が「(熱、紫外線及び腐食成分等の侵入や下地の腐食発生を防ぐ)防壁」を、「コート」の文字が「塗料」を、そして、「バリアコート(バリヤーコート)」の文字が「(熱、紫外線及び腐食成分等の侵入や下地の腐食発生を防ぐ)防壁を形成するための塗料」を表すことに使用されている事実を通知し、請求人に対し意見を求めたところ、請求人は、同年4月28日付けで意見書を提出した。

4 請求人の意見

請求人は、上記3の意見書において、以下のとおり、意見を述べた。

(1)本願商標の構成中「バリア」の文字は、「防壁、障壁」という意味でのみ使用されているもので、防壁、障壁の対象となるものは含まれていない、或いは「バリア」という文字だけでは防壁や障壁の対象となるものを特定できるものではない。

(2)本願商標は、「ガラス用遮熱塗料としてガラスの透明性を確保できる正真正銘のガラス用塗料である」という意味で商品名としたもので、現在では需要者である施工代理業者にとって「バリアコート」という商標は十分に識別性を有する状態になっている。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「バリアコート」の片仮名を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中「バリア」の文字は、「防壁。障壁。」を意味する(「広辞苑 第六版」岩波書店発行)ものであり、また、「コート」の文字は、「被膜。覆い。めっき」等の意味を有する(「日本語になった外国語辞典 第3版」集英社発行)ものである。

そして、別掲の事実によれば、商品「塗料」を取り扱う分野においては、「バリア(バリアー)」及び「コート」の各文字が、それぞれ「(熱、紫外線及び腐食成分等の侵入や下地の腐食発生を防ぐ)防壁」及び「塗料」を表すものとして普通に使用されていることがウェブサイトの記載からいえ、また、「バリアコート(バリヤーコート)」の文字が、「(熱、紫外線及び腐食成分等の侵入や下地の腐食発生を防ぐ)防壁を形成するための塗料」に使用されていることが、ウェブサイトの記載からいえる。

そうすると、「バリアコート」の文字からなる本願商標に接する取引者、需要者は、本願の指定商品「ガラス用遮熱塗料」との関係から、熱の侵入を防ぐ防壁を形成するための「遮熱塗料」であることを容易に理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張

ア 請求人は、本願商標の構成中「バリア」の文字は、「防壁、障壁」という意味であって、防壁や障壁の対象となるものを特定できるものではない旨主張する。

確かに、「バリア」の文字のみでは、「防壁、障壁」の意味を有するにすぎないものであるが、本願の指定商品が「ガラス用遮熱塗料」であることから、熱を遮断するものであることは明らかであり、本願商標の「バリア」の文字は、「熱の侵入を防ぐための防壁」であることを容易に理解させるものである。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

イ 請求人は、現在では需要者である施工代理業者にとって「バリアコート」という商標は十分に識別性を有する状態になっている旨主張する。

当合議体は、請求人のこの主張を「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」(商標法第3条第2項)に係るものと解し、以下検討する。

請求人の主張及び提出資料(資料1ないし11)によれば、請求人は、2011年夏頃からガラスの透明性を確保できる遮熱塗料の開発を進め、2012年1月にその開発が完了し、その商品を「バリアコート」として、メール、電話、インターネット等を通じ、契約した施行代理業者に販売している。また、請求人は、請求人ホームページに商品「バリアコート」を掲載し、施行代理業者の募集を行っている(資料1)。

そして、2012年5月25日付け読売新聞に、商品「バリアコート」に関する記事が掲載され(資料3、なお、資料4の神戸新聞の記事には「バリアコート」の記載が認められない。)、2013年7月31日にケーブルテレビ放送局J:COM及び2013年8年4日にKSB京都テレビで放送されたとしてインターネット動画サイト「YouTube」に掲載されている「もらえるどっとTV『株式会社オーエスエス』」の番組内で、商品「バリアコートGX」が紹介されている(資料7)。

さらに、請求人は各種イベントに参加し、商品「バリアコート」を出展しており、2012年9月6日、7日に神戸市で開催された「国際フロンティア産業メッセ2012」(資料5)、2013年7月31日から8月2日までにシンガポールで開催された「The Architecture and Built Environment(ABE)Series of Events」(資料6)、2013年9月5日、6日に神戸市で開催された「国際フロンティア産業メッセ2013」(資料8)、2013年10月30日から11月1日までに東京ビッグサイトで開催された「中小企業総合展」(資料9)に出展している。

このような活動を通じて、請求人は2012年1月以降、19の施行代理業者と契約を行っている(資料10)。

以上の事実によれば、請求人は、2012年1月以降、現在に至るまで、商品「バリアコート」を継続的に販売してきたことは認められるものの、その販売数量や本願の指定商品における市場占有率については明らかではなく、各種メディアに取り上げられた回数も多いものとはいえず、地域的にも限定されたものであって、さらには、過去に4回のイベントに商品「バリアコート」を出展しているものの、ほかに広告宣伝を行った事実は認められない。

してみると、請求人が本願商標を使用した結果、本願商標が、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識されるに至っていると認めることはできない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のことから、本願商標は、商標法第3項第1項第3号に該当するものであり、同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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