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Trademark Appeal Case

要部抽出と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900087(T2015−900087/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5726031号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5726031号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「greenworks」の欧文字を書してなり、平成25年9月30日に登録出願、同26年11月27日に登録査定がされ、第7類及び第8類に属する別掲3のとおりの商品並びに第9類、第11類、第12類、第18類及び第20類ないし第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第828837号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、2003年12月19日に国際商標登録出願、第7類及び第8類に属する別掲4のとおりの商品を指定商品として、平成19年2月2日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、その指定商品中の第7類「全指定商品」及び第8類「全指定商品」について、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として第1号証ないし第12号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標は、「greenworks」の文字をゴシック体調で横一列に書してなるものであるところ、本件商標の構成前半の「green」の文字は、「緑、緑色、芝生」等を意味する英語として、構成後半の「works」の文字は、「仕事、労働、作業、研究」等を意味する英語の複数形として、それぞれ広く親しまれた平易な英語であることから、本件商標に接する取引者、需要者は、これらの各英語を結合してなるものと認識されるものである。

また、「greenworks」の一連の文字は、辞書等の書籍類には掲載されておらず、また、特定の意味を持つ熟語ないし成語であるとはいえない。そして、本件商標を常に一体のものとして把握しなければならないとすべき特段の事情は認められないものである。

加えて、「green」の語は、一般的に商品の色彩表示として広く使用されており、本件商標の指定商品の分野においても、商品の色彩を表す語として使用されている(3号証ないし6号証)。また、農業、園芸に関する分野においては、「green」の語が「農業用、園芸用」を意味する語として使用されていることから(7号証、8号証)、農業、園芸に関する分野における商品の取引者、需要者は、「green」の語が使用された商品について、「農業用又は園芸用の商品」といった意味合いを認識するものといえる。

そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、構成中の「green」の文字について、商品の色彩を表したと理解するものであり、また、その指定商品中、農業、園芸に関する商品に使用した場合は、「農業用又は園芸用の商品」の意味合いで、商品の品質、用途を表示したものと理解するものであるから、本件商標中の「green」の文字は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないか、又は、極めて弱いものである。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合、その構成中の「works」の文字部分が自他商品の識別力を強く発揮する部分であり、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の識別力を有しない「green」の部分を省略し、「works」の文字部分に着目して、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も少なくないというべきである。

そうすると、本件商標は、その構成全体から「グリーンワークス」の称呼を生じるほか、要部である「works」の文字部分に相応して、「ワークス」の称呼を生じるものである。

他方、引用商標は、上記のとおりの構成からなるところ、「WORX」の欧文字部分に相応して「ワークス」の称呼を生じるものであり、本件商標と引用商標は「ワークス」の称呼を共通にするものであるから、称呼上、類似するものである。

また、審査基準(9号証)や裁判例(10号証ないし12号証)に照らしてみても、本件商標は、自他商品の識別力を有しない「green」の部分が省略されて、「works」の部分に相応する「ワークス」の称呼をも生ずるものであり、本件商標と引用商標とが、称呼を共通にする類似の商標であることは明らかである。

イ 本件商標に係る指定商品中、第7類「農業用機械,自動刈取機,草刈機用刃,わら裁断機,わら裁断機用刃,のこぎり台(機械部品),のこぎりの刃(機械部品),製材用・木工用のこぎり盤,耕うん機,切断装置,すすぎ用機械,チェーンソー,帯のこぎり盤,丸のこ刃(機械部品),横引きのこぎり盤,横引きのこぎり(機械部品),往復式のこぎり盤,金属加工用・鉱山用又は土木用電気ハンマー,油圧式圧縮機,金属加工用・木材加工用・プラスチック加工用トリミング機械,製材用・木工用又は合板用の機械器具用刃,農業用器具(手動式のものを除く。)用の刃,電気式はさみ,ホンプ(機械用及び原動機用の部品),圧縮空気式ポンプ,圧縮空気式機械,空気圧利用ポンプ,洗浄装置,除雪機,乗物用洗浄機,清浄用電気機械装置,電気式じゆうたん洗浄機,セントラル式真空掃除機,高圧洗浄機,電気掃除機,芝刈機(機械),除草機,動力耕うん機,木工機械,台所用電動器具,農業用器具(手動式のものを除く。),石材切断用機械,電気式靴磨き機,金属加工用・木工用・石材加工用彫刻盤,電気式研磨機械器具,ドリルヘッド(機械部品),ポンプ(機械),粉砕機,丸のこ盤,糸のこぎり盤,コンクリートバイブレーター,電動かんな,コーヒー豆ひき器(手動式のものを除く。),塵埃等排出用送風機,送風機」及び第8類「手持工具(手動式のもの),ビット(手持工具),螺旋状のきり(手持工具に当たるものに限る。),ビット(手持工具の部品)」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である。

(2)結び

以上のとおり、本件商標は、その出願の日前の商標登録出願に係る引用商標と類似する商標であって、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、別掲1のとおり、「greenworks」の欧文字を全て小文字で横書きしてなるところ、各文字部分は、同じ書体、同じ大きさをもって等間隔に表され、全体としてまとまりよく表されているものであり、外観上、「green」の文字部分又は「works」の文字部分が他の部分から独立して強調されているものとはいえない。また、本件商標の構成文字全体から生じる「グリーンワークス」の称呼は、長音を含め8音で構成され、格別冗長というべきものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。

また、本件商標の構成中の「green」の文字が「緑、緑色、草地、芝生」の意味を有し、「works」の文字が「仕事、労働、作業、研究」の意味を有するいずれも我が国において親しまれた語であるとしても、本件商標のかかる構成において、「green」の文字部分が、商品の色彩又は商品の品質を具体的に表したものと直ちに認識されるものとはいい難く、また、殊更「green」の文字部分を捨象して、「works」の文字部分のみが独立して自他商品の識別標識として機能し得るとみるべき格別の事情も見当たらないものであるから、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の造語として理解、認識されるものというのが相当である。

そうすると、本件商標は、「グリーンワークス」の称呼のみを生じるというのが相当であり、また、特定の観念を生じるものではない。

イ 引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、「WORX」の欧文字を太字のゴシック体をもって大文字で横書きしてなるところ、該文字は、長方形の輪郭内に横書きしたものと看取し得るものであり、その輪郭と文字部分とが常に一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものであるから、「WORX」の文字部分が、商品の出所識別標識としての機能を果たし得る部分であるといえる。

そして、「WORX」の文字は、辞書類に載録されている成語又は特定の意味を有する語として一般に慣れ親しまれているものではないから、特定の観念を生じることのない造語と認識されるものである。

そうすると、引用商標は、我が国で親しまれた英語の発音に倣って、「ワークス」の称呼を生じるものというのが相当であり、また、特定の観念を生じるものではない。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおりの構成からなるものであり、外観上、明らかに区別し得るものである。また、本件商標より生じる「グリーンワークス」の称呼と引用商標より生じる「ワークス」の称呼とは、その音の数及び構成に顕著な差異を有するものであるから、両称呼は明らかに聴別し得るものである。さらに、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであり、観念において比較することはできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者は非類似の商標というのが相当である。

エ 申立人の主張について

申立人は、本件商標の構成中の「green」の文字部分が、「緑、緑色」等の意味を有する商品の色彩を表す語として使用され、また、農業、園芸の分野においては、「農業用又は園芸用の商品」を意味する語として使用されている旨主張し、第3号証ないし第8号証を提出する。

しかしながら、第3号証ないし第6号証における「グリーン」の文字の記載は、商品の各色彩の一として記載されていることが容易に理解されるものであるが、本件商標は、商標を構成する文字部分の一部が色彩を表す英語表現であって、その文字部分が直ちに商品自体の色彩と関連付けられ、商品の色彩を具体的に表示するものであると需要者に理解されるということはできないものである。

また、第7号証及び第8号証における「グリーン・ガーデン用品」又は「家庭用グリーン機械」の記載は、「グリーン」の文字が他の語と結合して、「草地、芝生」の意味合いで使用されていると理解されるものであるが、本件商標は、かかる構成において、構成中の「green」の文字部分が、直ちに「農業用又は園芸用の商品」を表すものとして、一般に理解、把握されるものということはできないものである。

そうすると、本件商標をその指定商品に使用する場合、その構成中の「green」の文字部分が、商品の色彩を具体的に表示するものとして、又は商品の品質を表示するものとして、取引者、需要者に理解、把握されるとの申立人の主張を採用することはできない。

さらに、申立人は、裁判例(10号証ないし12号証)において、色彩を表示する英語表現を含む結合商標について、色彩を表示する文字部分には識別力がないとされたことから、本件商標についても、「green」の文字部分が省略され、独立して商品の出所識別標識として機能し得る「works」の文字部分から称呼が生じるものである旨主張するが、それらの裁判例は、商標を構成する各語の間にスペースが存在するなど、商標の構成において本件とは事案を異にするものであり、本件商標は、上記アのとおり、構成文字全体が一体的に把握されるものであるから、本件商標から「ワークス」の称呼が生ずるものと解する理由はないものというべきである。

したがって、申立人の主張は採用することができない。

オ 小括

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

(2)まとめ

したがって、本件商標は、その指定商品中の第7類「全指定商品」及び第8類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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