Trademark Appeal Case
称呼・外観の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900100(T2015−900100/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5727410号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成26年5月1日に登録出願、第29類「マーガリン,ショートニング,食用油脂,ホイップクリーム,チーズ,乳製品,加工野菜及び加工果実,油揚げ,がんもどき,豆乳,発酵豆乳(ヨーグルト状のものを含む),湯葉,食用たんぱく」及び第30類「ドレッシング,ホワイトソース,ベシャメルソース,冷凍パン生地,冷凍パイ生地,冷凍菓子生地,フラワーペースト,その他の穀物の加工品,食用粉類」を指定商品として、同年11月19日に登録査定、同年12月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第1202576号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2013年6月21日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2013年(平成25年)12月13日に国際商標登録出願、第29類「Edible oils and fats and in particular extra virgin olive oil and olive oil.」及び第30類「Coffee, tea, cocoa and artificial coffee, rice, preparations made from cereals, bread, pastry and confectionery, ices; sugar; honey, treacle; salt, mustard; vinegar, sauces (condiments); spices.」を指定商品として、平成27年4月6日に登録査定、同年6月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由
(1)本件商標と引用商標との類否
本件商標より生じる「ブリオ」の称呼と引用商標より生じる「ベリオ」の称呼は、第1音の子音が同一行で、母音が「ウ」と「エ」で相違するにすぎず、第2音、第3音を共通にする。相違音が語頭に位置するといえども、「ブ」の音の母音「ウ」は弱音であって、かつ、両称呼は一気に短く称呼され得るため、弱音はさらに短く相紛らわしく、「べ」の音のような他の音に聞き誤るおそれが相当にあるというべきである。したがって、本件商標は、引用商標と称呼上相紛らわしい商標である。
また、本件商標は、片仮名及び欧文字よりなるが、両文字部分の間がやや離れており、片仮名部分のみ、欧文字部分のみに着目して把握されることも少なくないといえる。
一方、引用商標は、「BERIO」の文字部分が特に大きく書されていることから、「BERIO」の文字に着目して把握される場合もあるといえる。
そして、「Brio」の文字と「BERIO」の文字とを対比すると、両者は大文字、小文字の別はあるものの、アルファベットの綴りは、2文字目の「E」の文字の有無の差異のみであり、他の4文字は一致する。したがって、本件商標は、引用商標と外観上相紛らわしい類似の商標である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本件商標の指定商品中、第29類「マーガリン,ショートニング,食用油脂」及び第30類「ドレッシング,ホワイトソース,ベシャメルソース,冷凍パン生地,冷凍パイ生地,冷凍菓子生地,フラワーペースト,その他の穀物の加工品」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である。
(3)先後願
本件商標に係る商標登録出願は、引用商標に係る国際商標登録出願の優先日より後の出願である。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、上記(2)に記載の指定商品について、商標法第8条第1項に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲1のとおり、「ブリオ」の片仮名と「Brio」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるところ、該「ブリオ」の文字部分と「Brio」の文字部分との間にやや間隔があるものの、「ブリオ」及び「Brio」の各文字は、我が国において一般に馴染みのある語ではなく、上段の「ブリオ」の文字部分が、「Brio」の文字部分の読みを表したものとみることは何ら不自然なものとはいえない。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ブリオ」の称呼を生じるものであって、特定の意味合いを想起させない造語といえるから、特定の観念を生じないものである。
これに対して、引用商標は、別掲2のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中、看者の注意を最も強く引く部分は、横長長方形内に、顕著に表された「FILIPPO」の欧文字と「BERIO」の欧文字を二段に横書きした部分であるといえ、両者は、共に我が国において一般に馴染みのある語ではない。してみると、引用商標は、これらの文字に相応して、「フィリッポベリオ」の称呼を生じるものであって、特定の意味合いを想起させない造語といえる。
また、引用商標中の上記「BERIO」の文字部分は、「FILIPPO」の文字部分に比べ大きく表されているところから、該文字部分のみに着目する場合があることも否定することはできず、これより「ベリオ」の称呼をも生じるものといえる。そして、「BERIO」の文字部分のみに着目した場合も、特定の意味合いを想起させない造語といえる。
してみると、引用商標は、「フィリッポベリオ」及び「ベリオ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
そこで、本件商標より生じる「ブリオ」の称呼と引用商標より生じる「フィリッポベリオ」の称呼を比較すると、これらの称呼は構成する音数が明らかに相違し、明瞭に聴別し得るものである。
また、本件商標より生じる「ブリオ」の称呼と引用商標より生じる「ベリオ」の称呼は、3音と極めて短い音構成よりなる上に、称呼における識別上最も重要な要素を占める語頭音において、「ブ」と「ベ」の音の差異を有するものであるから、これらの称呼をそれぞれ全体として称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものといえる。
さらに、本件商標と引用商標は、構成態様が明らかに相違し、外観上明確に区別し得るものである。仮に引用商標中の「BERIO」の文字部分のみに着目される場合があるとしても、本件商標の「Brio」の文字部分と引用商標の「BERIO」の文字部分とは、大文字小文字の差異及び「E」の文字の有無に差異を有するから、印象が異なり、互いに紛れるおそれはないものといえる。
また、本件商標は、上記認定のとおり、特定の観念を生じないものであるから、引用商標とは、観念上比較することはできない。
以上によれば、本件商標は、引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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