sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼同一商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900108(T2015−900108/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5730199号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5730199号商標(以下「本件商標」という。)は、「MotherCare」の欧文字と「マザーケア」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成26年4月16日に登録出願、第30類、第35類及び第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月2日に登録査定、同年12月26日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2131365号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年2月19日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年4月28日に設定登録され、その後、同22年4月21日に、指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第2252904号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録され、その後、同23年12月21日に、指定商品を第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(3)登録第2320454号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録され、その後、同14年10月30日に、指定商品を第11類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(4)登録第2305267号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年4月30日に設定登録され、その後、同14年4月17日に、指定商品を第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(5)登録第2236316号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録され、その後、同23年12月21日に、指定商品を第8類、第11類、第16類、第20類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(6)登録第2259880号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、同24年5月23日に、指定商品を第16類、第20類、第22類、第24類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(7)登録第2239501号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録され、その後、同23年12月21日に、指定商品を第3類、第8類、第10類、第14類、第18類、第21類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(8)登録第2518711号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年3月31日に設定登録され、その後、同16年8月4日に、指定商品を第18類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(9)登録第2283285号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録され、その後、同13年4月11日に、指定商品を第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(10)登録第2277836号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録され、その後、同13年4月11日に、指定商品を第9類、第15類、第16類、第20類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(11)登録第2259882号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、同23年12月21日に、指定商品を第16類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(12)登録第2259884号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、昭和63年2月29日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、同23年7月20日に、指定商品を第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。

(13)登録第4053462号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字を横書きしてなり、平成5年4月6日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年9月5日に設定登録されたものである。

(14)登録第4588611号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字と「マザーケア」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成10年8月4日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月26日に設定登録されたものである。

(15)登録第4265362号商標は、「MOTHERCARE」の欧文字と「マザーケア」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成9年8月12日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同11年4月23日に設定登録されたものである。

(上記(1)ないし(13)の登録商標をまとめて、以下「引用商標A」といい、(14)及び(15)の登録商標をまとめて、以下「引用商標B」という。また、引用商標A及びBをまとめて、以下「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標の登録は商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。

(1)本件商標と引用商標の類否について

本件商標と引用商標は、その構成文字より、「マザーケア」の称呼を生じるものである。

また、本件商標は、その構成中の欧文字部分が引用商標Aと同一の綴り文字よりなるものであり、引用商標Bとは、欧文字において同一の綴り文字よりなるばかりか、片仮名も同一である。

したがって、本件商標と引用商標は、外観上類似するものである。

さらに、本件商標と引用商標は、いずれも「お母さんのケア」といった観念を同じくするものである。

したがって、本件商標は、引用商標と称呼、外観及び観念において類似する商標である。

(2)引用商標の著名性

引用商標は、ヨーロッパを中心に世界53ケ国以上の国で、申立人が展開するベビー・子供服、マタニティウェア、ベビーベッド、ベビーカー、チャイルドシート、おもちゃ、など多岐にわたる商品のブランドである。申立人の世界売上げ(2014年度)は、12億3百万ポンドに上り(甲17)、国際的なフランチャイズ店は、全部で908店舗である。日本では、まだ実店舗はないが、申立人のマタニティー・ベビーブランドとしての国際的な高い評価を受け、インターネット等のオンラインショップで販売されているほか、様々な形で紹介されている(甲18〜甲23)。また、インターネットの検索サイトで「マザーケア」を検索すると、申立人の使用に係る商標及び申立人が検索結果に上がってくる。

以上より、引用商標は、本件商標の出願時及び登録時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、既に日本国内において広く知られるに至っていた。

(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性

申立人の商品を表示するものとして著名な引用商標と相紛らわしい本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合、取引者、需要者をして、その商品及び役務が申立人又はこれと何らかの関連がある者の提供に係る商品及び役務であるかのごとく認識され、出所混同を生ぜしめるおそれがあることが極めて高いといわざるを得ない。特に、本件商標の指定商品及び指定役務中の「穀物の加工品,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等は、引用商標の指定商品及び指定役務と関連性が高く、需要者、販売場所、販売方法においても一致する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)引用商標の著名性について

ア 申立人の提出に係る証拠(ただし、商標法施行規則第22条第6項で準用する特許法施行規則第61条(訳文の添付等)で規定する訳文の添付がない証拠については除く。)によれば、以下の事実を認めることができる。

(ア)本件商標の登録出願日(平成26年4月16日)後である2015年(平成27年)7月2日に検索したものと認められるGoogleの検索サイトにおいてキーワードを「マザーケア イギリス」として検索した結果によれば、3,370件ヒットし、そのうちの約60件は、おおむね「マザーケア」、「mothercare」、「Mothercare」等の表示とともに、申立人の業務に係る商品「ベビー用品(特に、ベビー服)、マタニティ用品」等に関連するものが掲載されている(甲18)。

(イ)「海外通販・個人輸入代行のUKブランドセンター」のサイト(2015年(平成27年)7月2日にプリントアウトしたもの)には、「Mothercare(マザーケア)公式サイト」の見出しの下、「Mothercare(マザーケア)は、50年以上の歴史を持つイギリス発祥のマタニティー&ベビーブランドです。ヨーロッパを中心に世界53ヶ国以上で販売されている老舗ブランドです。...マザーケアの新作通販、個人輸入をお手伝い。業界最安値の手数料と安心のサポートをお約束します。」などと記載されている(甲19、ただし、当該インターネット情報の掲載日は明らかでない。)。

(ウ)「元CAが選ぶ海外ブランドベビー服withBのブログ」には、「元CAがおススメする海外ブランドベビー服 vol3」の見出しの下、「2013年(平成25年)11月19日」、「イギリスを代表するベビー専門店」などと、申立人ないし引用商標に関して記載されている(甲20)。

(エ)「UK Strollers−イギリス好きの羅針盤」のサイトには、「子供服を買おう!」の見出しの下、「2010年(平成22年)6月23日」、「イギリスのパパ・ママ御用達、マザーケア。」などと申立人に関して記載されている(甲21)。

(オ)「mothercare(マザーケア)新品価格比較ランキング」(2015年(平成27年)7月2日)のサイトには、申立人の商品が掲載されている(甲22)。

(カ)「ブランド子供服通販マジェスティ」のサイト(2010年(平成22年)2月28日)には、「amazonに出店してからひそかに売れ続けているのがこの『やわらかロンパース系シリーズ』...イギリスの『マザーケア』というブランドです。マザーケアは日本には輸出していないのですが、世界各国で販売していて、マタニティー&ベビー用品の老舗。」などと記載されている(甲23)。

イ 上記アで認定した事実によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「ベビー用品(特に、ベビー服)、マタニティ用品」等(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして、少なくともイギリスにおいては、その需要者の間に知られていた商標と推認することができる。

しかし、申立人は、我が国においては、インターネット等を利用した通信販売により引用商標を付した申立人商品の販売を行っているのみであり、主たる需要者といえる一般の消費者の目に直接触れるような店頭取引等の販売活動を広く展開していないこと、申立人商品の本件商標の登録出願日前の我が国における販売数量、売上高等が一切不明であること、申立人が申立人商品について、本件商標の登録出願前に積極的に広告をした事実は見いだせないこと、申立人が、我が国において登録商標(引用商標)を有しているとしても、当該事実をもって、引用商標の著名性を直接的に基礎づけるものではないこと、などを併せ考慮すれば、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成26年4月16日)前において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとまで認めることはできない。その他、本件商標の登録出願日及び登録査定日(平成26年12月2日)の時点において、引用商標が申立人商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていた事実を明らかにする証拠の提出はない。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

上記(1)のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。加えて、本件商標は、主として食品に関わる商品及び役務について使用される商標であり、引用商標が主として使用される「ベビー用品(特に、ベビー服)、マタニティ用品」等(申立人商品)とは、商品の品質・用途・目的・取引系統・販売場所又は役務の質・提供の目的・提供の場所等において明確に異なるばかりでなく、同一の事業者により生産される商品又は提供される役務であるとはおよそ考え難く、両者の間に関連性を見いだすことはできない。

そうすると、本件商標と引用商標は、綴り字を共通にすることから、商標において互いに類似するものであるとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、直ちに引用商標を想起又は連想することはなく、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、該商品及び役務が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。