Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900267(T2014−900267/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5679586号商標(以下「本件商標」という。)は、「INDEPENDENT FOOTWEAR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年1月31日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」並びに第14類、第18類、第35類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月6日に登録査定、同月20日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
本件商標が商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に違反して登録されたとして、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、登録第2328535号商標(以下「引用商標1」という。)、同第4706877号商標(以下「引用商標2」という。)及び同第4706876号商標(以下「引用商標3」という。)であり、その概要は、別掲1ないし3のとおりである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「履物」に関する商品及び役務については、その構成中の「FOOTWEAR」の語が省略されやすく、要部となる「INDEPENDENT」の文字部分より「インディペンデント」の称呼と「自立している人、無党派層」等の観念を生じ、また、引用商標1ないし3からも「インディペンデント」の称呼と「自立している人、無党派層」等の観念を生じるから、これらの称呼、外観及び観念を総合的に比較すると、本件商標と引用商標1ないし3とは類似の商標であり、かつ、その指定商品も互いに抵触するものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用商標1ないし3は、申立人の商標として、広く一般に知られている(甲5〜10)から、これと類似する本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合、その商品及び役務に接する需要者が、申立人の業務に係る商品及び役務の出所について混同を生じるおそれがある。
3 商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成中に「FOOTWEAR」の文字を有してなるから、これをその指定商品及び指定役務中の「履物」以外の商品又は「履物」に関する役務以外の役務について使用した場合、これに接する取引者及び需要者は、商品の品質又は役務の質について誤認を生じるおそれがある。
4 むすび
上述したとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第16号に違反してされたものであるから、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」については取り消されるべきである。
第4 取消理由通知
当審において、平成27年5月20日付けで、商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおりの構成からなるところ、1文字分のスペースを介して表された「INDEPENDENT」の文字と「FOOTWEAR」の文字からなるものと容易に理解されるものである。そして、本件商標の構成中の「INDEPENDENT」の文字は、「独立した」の意味を有する英語であって、また、構成中の「FOOTWEAR」の文字は、「履物」の意味を有する英語として我が国において広く親しまれた語であり、かつ、本件登録異議の申立てに係る本件商標の指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(第25類「全指定商品」。以下「本件指定商品」という。)との関係においては、商品の一般名称・品質を表す語であると理解、認識させるものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成中の「FOOTWEAR」の文字部分が商品の一般名称・品質を表すものと認識されるから、「INDEPENDENT」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有するというのが相当であり、本件商標から該文字部分を分離、抽出し、これをもって取引に資されることも少なくないというべきである。
してみれば、本件商標からは、「INDEPENDENT」の文字部分に相応して、「インディペンデント」の称呼及び「独立した」の観念が生じるものである。
(2)引用商標1ないし3について
ア 引用商標1及び2は、別掲1及び2のとおり、文字と図形との結合からなるところ、その構成中の図形部分からは、特定の称呼、観念は生じないものとみるのが相当である。そして、その構成中、十字架様の図形内に書された「INDEPENDENT」の文字部分と正円輪郭上に書された「TRUCK COMPANY」の文字部分は、文字の大きさが異なる上に、やや離れた位置に書されている。また、両文字部分の全体をもって親しまれた観念が生じるものではないこと、両文字部分全体から生じる称呼「インディペンデントトラックカンパニー」は、極めて冗長であることなどを併せ考えると、両文字部分の一体不可分性は決して強いものとはいえない。
してみれば、引用商標1及び2からは、「INDEPENDENT」の文字部分に相応して、「インディペンデント」の称呼及び「独立した」の観念が生じるものである。
イ 引用商標3は、別掲3のとおり、文字と図形(色彩)との結合からなるところ、その構成中の図形部分からは、特定の称呼、観念は生じないものとみるのが相当であり、その図形部分の中央に大きく白抜きで書された「INDEPENDENT」の文字部分をもって取引に資されることも少なくないというべきである。
してみれば、引用商標3からは、「INDEPENDENT」の文字部分に相応して、「インディペンデント」の称呼及び「独立した」の観念が生じるものである。
(3)本件商標と引用商標1ないし3との類否
本件商標及び引用商標1ないし3は、共に「インディペンデント」の称呼及び「独立した」の観念を生じるものであるから、両者は、称呼及び観念を共通にするものである。
そうとすると、本件商標と引用商標1ないし3は、外観上、両商標の要部である「INDEPENDENT」の文字部分が、書体等において相違があるとしても、文字綴りを同一にすることから近似した印象を有し、また、称呼及び観念を共通にすることから、互いに紛らわしい類似の商標というのが相当である。
(4)本件指定商品と引用商標1ないし3の指定商品との類否
ア 本件指定商品中「被服」は、引用商標1の指定商品中「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」(第25類)と同一又は類似の商品である。
イ 本件指定商品は、引用商標2の指定商品中「乗馬用具」(第18類)及び「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(第25類)と同一又は類似の商品である。
ウ 本件指定商品は、引用商標3の指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(第25類)と同一又は類似の商品である。
(5)小括
本件商標と引用商標1ないし3とは、前記(3)のとおり、相紛れるおそれのある類似の商標であり、また、前記(4)のとおり、本件登録異議の申立てに係る本件商標の指定商品(本件指定商品)は、引用商標1ないし3の指定商品と同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第16号該当性について
前記1(1)のとおり、本件商標の構成中の「FOOTWEAR」の文字部分は、「履物」の意味を有する英語として我が国において広く親しまれた語であり、かつ、本件指定商品との関係において、商品の一般名称・品質を表す語であると認識させるから、本件商標を「履物,運動用特殊靴」以外の本件指定商品に使用した場合、商品の品質について誤認を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反してされたものである。
第5 商標権者の意見
前記第4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。
第6 当審の判断
本件商標についてした前記第4の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る本件商標の指定商品(第25類「全指定商品」)との関係において商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反してされたといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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