Trademark Appeal Case
商標の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−1755(T2015−1755/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「日本菓子百選」の漢字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成26年7月8日に登録出願、その後、指定商品については、当審において、同27年1月29日付け手続補正書により「チョコレート,スナック菓子,せんべい」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成文字から、『日本の菓子の中から選ばれた100のもの』ほどの意味合いを容易に認識させる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、その商品が『日本の菓子の中から選ばれた100の菓子の一つ』あるいは、『日本の菓子の中から選ばれた100の菓子』ほどの意味合いを需要者が一般に認識するものというのが相当であるから、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表したものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における手続の経緯
当審において、請求人に対し、平成27年7月6日付けで、別掲のとおりの証拠及び理由を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして審尋をし、期間を指定して、これに対する意見を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は,前記3の審尋に対して,要旨次のように意見を述べている。
(1)本願商標である「日本菓子百選」について、選定基準(例えば、誰が選ぶのか、菓子の種類は何なのか、販売数量なのか、総販売額なのか、去年の数字なのか、最近1か月の数字なのか、対象は外国人の評価も含めるのか等)が明確でない以上、「日本菓子百選」の意味内容が明確であるはずがないし、国語辞書等にも記載がないので、特定の具体的意味合いが生じるものということはできない。
(2)また、審尋におけるウェブサイト情報は、「○○百選」の使用として、「名」又は「銘」といった「優れた」という意味合いの語を伴わないものや本願の指定商品とは無関係な商品・役務に関する情報も存在しており、審尋の内容を裏付ける証拠資料足り得ないものである。
(3)してみれば、本願商標は、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものと認識、理解させるとまではいい難いものであり、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「日本菓子百選」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲の審尋で示したとおり、全体として「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」ほどの意味合いを容易に認識し得るといえるものであって、さらに、審尋におけるウェブサイトの情報から、本願の指定商品と関係の深い飲食料品を取り扱う業界において、「百選」(「100選」を含む。)の語が「優れたもの100を選び出すこと」の意味で一般に使用されている事実が認められる。
してみると、本願商標は、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者に、その商品が「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」であることを理解させるにとどまるもの、すわなち、商品の品質を表示するにすぎないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられた方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、本願商標は、「百選」の選定基準が明確でない以上、意味内容が明確ではなく、「日本菓子百選」の語は、全体として国語辞書等にも記載がないので、特定の具体的意味合いが生じるものということはできない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、全体として「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」の意味合いを容易に認識させることは、上記(1)のとおりである。そして、請求人が主張するような菓子の種類、販売数量等の数字等の選定基準が分からないことをもって、需要者が該意味合いを認識しないということもできない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
イ また、請求人は、本願商標は、「名」又は「銘」といった「優れた」という意味合いに通じる語が含まれておらず、審尋におけるウェブサイト情報には、本願の指定商品とは無関係な商品・役務に関する情報も存在しており、審尋の内容を裏付ける証拠資料足り得ないものであるから、未だ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものと認識、理解させるとまではいい難い旨主張する。
しかしながら、「百選」の語は、「優れたものを100選ぶこと。」(「広辞苑 第六版」岩波書店)、「すぐれたものを100選び出すこと。また、その選ばれたもの。」(「大辞泉 増補・新装版」小学館)及び「選ばれた100のすぐれたもの。」(「大辞林 第三版」三省堂)と辞書類に載録されているとおり、そもそも「すぐれたもの」を選び出す意味が含まれているものであって、「名」又は「銘」といった語とともに使用されることで「百選」の意味が特定されるものではないから、「名」又は「銘」の文字がなくとも本願商標の構成中の「百選」の文字は、「優れたもの100を選び出すこと」の意味で認識されるものである。また、審尋において提示した証拠は、本願の指定商品以外のものを含むものではあるが、本願の指定商品と関係の深い飲食料品の分野における実情であることを踏まえれば、本願商標は、「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」であることを理解するものといえる。
そして、商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、品質表示として使用されていなくとも、需要者が品質表示と認識すれば足りると解されている。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。