Trademark Appeal Case
数字と文字の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2014−650022(T2014−650022/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「A87」の文字を書してなり、第3類及び第35類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2012年(平成24年)10月15日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務については、原審における2013年(平成25年)9月26日付けの手続補正書により、第3類「Cosmetics,namely,sunscreen preparations,namely,sunscreen lotions,sunscreen creams,sunscreen gel,suntan oils,skin lotions,skin gel,hair shampoo,hair conditioners,non−medicated skin and facial cleansers and creams,deodorants,body sprays,nail polish,lipstick,lip gloss,lip balm,hair gel,hair mousse,hair spray,bath gel and soaps.」及び第35類「On−line retail store services for clothing,clothing accessories,namely,belt,footwear,headgear,fragrance,cosmetics,preparations for beauty and body care,sunglasses,jewelry,watches,bags,wallets,beach towels,and hair accessories.」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下の(1)及び(2)の理由により本願を拒絶した。
(1)商標法第3条第1項柱書により商標登録を受けることができる商標は、現在使用をしているもの又は近い将来使用をするものと解されるところ、本願において1区分内において指定している小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)が広範な範囲にわたり、出願人が提出した証拠から、「sunglasses,jewelry,watches,bags,wallets,beach towels,and hair accessories」については、これらを我が国で販売等している事実は見いだせないから、出願人が本願商標をこれらの小売等役務に使用していること又は近い将来使用をすることについて疑義がある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
(2)「A87」の文字を書してなる本願商標は、欧文字「A」とアラビア数字「87」を単に組み合わせたものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書について
原審において請求人が提出した証拠(資料1ないし資料4)及び当審において請求人が提出した証拠(甲第1号証及び甲第2号証)によれば、請求人のインターネットのウェブサイトにおいて、「sunglasses,jewelry,watches,bags,wallets,beach towels,and hair accessories」と同一又は類似する商品が販売されている事実が認められる。また、このウェブサイトには、日本に配送が可能であると理解させる「Now shipping to Japan」、「shipping to (我が国の国旗)」の表記がされるとともに、商品の値段がすべてJPY(日本円)で表示されていることから、このウェブサイトは我が国を対象としたものといえるものである。
そうとすると、請求人が本願商標をその指定役務に使用していること又は近い将来使用することについて、合理的疑義はないものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していないとはいえない。
(2)商標法第3条第1項第5号について
本願商標は、上記1のとおり、「A」の欧文字と「87」の数字を、「A87」と表してなるものであるところ、一般に、欧文字と数字を組み合わせた標章は、商品の規格、形式又は品番等を表示するための記号・符号として、取引上普通に採択・使用されている実情がある。
そして、別掲のとおり、本願指定商品及び指定役務の分野においても、欧文字と数字を組み合わせた標章が、商品又は小売等役務の取扱いに係る商品の規格、形式又は品番等を表示するための記号・符号として採択、使用されていることは、裏付けられるところである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品又はその小売等役務の取扱いに係る商品の規格、形式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、商標審査基準において、欧文字1文字と数字2文字からなる標章が商標法第3条第1項第5号に該当するものとして言及していないから、原審の判断は不当である旨主張する。
しかしながら、商標審査基準においては、同法第3条第1項第5号に該当するものの例として、いくつかの事例が記載されているものであって、該当する事例が記載されていないという一事をもって、本願商標に識別力があるとはいうことができないものである。前記(2)のとおり、本願指定商品及び指定役務の分野において、欧文字と数字を組み合わせた標章が、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として採択・使用されていることから、本願商標も同号に該当するものと解するのが相当である。
また、請求人は、本願商標は、インターネット等を通じて日本を含む世界中の当該分野における取引者、需要者において認知され、請求人の「世界的な著名なファッションブランド『AEROPOSTALE』の略称」又は「『AEROPOSTALE』の『A87』シリーズ」という観念が生じ、十分に自他商品又は役務の識別標識としての機能を有する旨を主張する(甲第1号証ないし甲第5号証)。
しかしながら、提出された証拠からは、請求人が主として「AEROPOSTALE」の標章(最初の「E」にアクサンテギュが付されている。)、「a87」の表示及び「A87」からなるロゴタイプの標章を指定商品及び指定役務の分野において使用していることは把握できるものの、我が国において、本願商標が使用されていることを認めることができないものであるから、取引者、需要者に知られているということができず、結局、本願商標から請求人の主張するような観念を想起させるとはいえないから、本願商標が自他商品又は役務の識別標識としての機能を有するとまではいうことができないものである。
さらに、請求人は、本願商標の登録適格性を主張するために、過去の登録例を挙げているが、本件とは、商標の構成態様を異にするものであって、出願に係る商標が商標法第3条第1項第5号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第5号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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